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テーマ:頼むよ日本政府!(939)
カテゴリ:政治経済
以前、三橋TV第969回で解説しましたが、日本は梅棹忠雄・文明の生態史観でいえば、「第一地域」、大石久和・「死」の歴史観でいえば、災害死史観という、世界的に稀有な国です。というか、第一地域の災害死史観国は、日本以外に存在しません。
三橋TVでは、以下のマトリクスを使って説明していますね。
【文明の生態史観と災害死・紛争死史観】
それに対し、ユーラシアステップ周辺の第二地域は、とにかく遊牧民の影響が大きく、共同体は専制主義、官僚制、言論の自由の制限といった、いわゆる権威主義国にならざるを得ない。
何しろ、多民族、多言語、多宗教の人々をまとめなければなりませんので、強権的にならざるを得ないのです。そして、まとめなければ、地平線の向こう側からやってくる遊牧民に対抗できない。
そういえば、ヴィザンチン帝国の皇帝は、世俗のトップであると同時に、宗教的な最高権威でもありました。西欧では、世俗のトップ(神聖ローマ皇帝)と宗教的な最高権威(ローマ教皇)が分かれていたのとは対照的ですね。
民族ごとに大主教はいたものの、正教(オーソドックス)のトップはあくまでローマ皇帝(ヴィザンチン帝国皇帝)だったのです。この体制は、ロシア帝国に引き継がれます。
ヴィザンチン帝国にしても、ノヴゴロド公国、モスクワ公国といった国々にしても、ユーラシアステップで暮らす遊牧民から頻繁に侵略された。位置的に、権力の分散など許されなかったのでしょう。
もっとも、ユーラシアステップから離れている西欧諸国にしても、ひたすら紛争、戦闘、戦争です。日本と同じ島国のイギリス(連合王国)にしても、ローマ人、アングル人、サクソン人、デーン人、ノルマン人と、異なる民族から繰り返し侵略された。
ちなみに、イングランド国王に即位したデーン人は、ヴィンランドサーガでお馴染みのクヌートです。クヌートは、現代のデンマーク王室の始祖でございます。
さらに、ヘイスティングスの戦いでハロルド王を打ち破ったノルマンディー公(※フランス)ギヨーム二世のイングランド国王即位が、現代の連合王国の始まりです。チャールズ三世は、海賊の子孫ということでございますな。 かように第一地域に属していても、ユーラシア(及びアフリカ)の人々は、常に殺し合いを強いられてきたわけですが、唯一の例外が我が国なのです ――――――――――――――――――続く―――――――――――――――――― 記事タイトル: 第一地域の災害死史観国 ============================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.03.22 16:00:15
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