辛いものが苦手。
私の知る限り、ポルトガル人は辛いものが苦手だ。大航海時代にインドからスパイスを持ち帰ったのだろうけど、辛みのあるスパイスはポルトガル料理にそれほど影響を及ぼさなかったものと思われる。『ピリピリ』とよばれる赤唐辛子を使った辛い液体が料理に使われる事もあるが、それですごく辛くなるまで味付けをする訳ではない。料理にすこし何かを感じるぐらいにしか、辛みは付けない。勿論ポルトガル人だって、辛いものが好きな人は居るとは思うけど、それはほんの一部の人たち。きっと、外国に行って他の国の料理を知っている人、異国の食文化に心がオープンに開いている人だろう。アンソニーの家族は勿論、彼の同僚も、辛いのが好きな人はいない。ちょっとの辛さでも、大騒ぎをする人たちだ。そう考えると、日本人は結構だれでも辛いものが食べられる人種だと思う。今までの食文化の違いかな?私の知っているポルトガル人って、食べ物に関して保守的な人が多い。新しい食べ物に挑戦しないで、いつでもポルトガル料理ばかり食べている。日本は、いろいろな国の辛い料理を試す機会もあって、割と小さい頃から辛いものを食べる事に慣れていると思う。『激辛インドカレーを何十倍の辛さで!』なんてオーダーをする人もいるぐらいだから、やっぱり辛いものが好きで、辛いものを食べられる人達なのだ。アンソニーは、結構辛いものが食べられる。同じものを食べて、同じく『美味しいね』と言える人をパートナーにしたいと思っていたので、この点はラッキーだった。最近急に寒くなり、体の暖まる『海老カレー』を作った。ピリ辛だったけど、非常に美味しかったし、体もぽかぽかして来た。これに調子づいて、鳥の手羽を使って、再び辛い料理を作ったのだが、、、結構辛かった。アンソニーは食べられなかった。二口で挫折。それでも私は食べ続けたのだが、それを見たアンソニーは『辛くないのか?信じられない。小町の辛さを感じる舌のセンサーは、スリランカで生活していた時に破壊されたに違いない!』と言い放った。うう~っ。。。図星かも。。。スリランカのカレーは、インドカレーより数倍辛いと言われている。行った時は、辛くて辛くて食べられなかった。毎食、1リットルの水の瓶を抱えて、1時間位かけて食事をした記憶がある。最初は、辛くて味が分からなかったのだが、その後慣れて来ると『辛さの中に味がある』と分かるようになったのだ。17歳という成長期に1年間あそこに住んでいたから、アンソニーの言うように『辛さを感じる舌のセンサー』がやられた可能性大だ。鋭く『欠陥』を指摘をされて、ちょっと落ち込む。。。これに懲りて、しばらく辛いものを作るのは控えようと思う。