2010/03/10(水)21:26
四国周遊その二 土佐の夜
旅館の夕食には大皿に盛る皿鉢(さあち)料理もあったけんど、安いツアーに相応して隙間の多い皿じゃった。カツオのたたきなんぞ今じゃいつでもどこでも食べられるき、特に感激もありゃせん。
海を見ちょらんき、はるばる土佐に来たという実感がまだわかん。
となれば、昼には昼の観光、夜には夜の観光に、出かけぬわけにはいかんちや。
「おまんも行くが?」
とかみさんに聞けば、
「うちも行くちや」
言うき、雨の中、二人ではりまや橋までで出かけた。
事前調査で目星をつけちょったのは、はりまや橋のすぐそばにある「BAR CHARI CHARI」。あるミュージシャンの名前と店の前にあった自転車からヒントを得て、覚えやすい名前として閃いたんだそうじゃ。
狭い店内には、5,6席のカウンターと4人座れるテーブル席。急な階段を上ると、2階には個室とトイレがあるらしい。
初めはちっくと愛想がないにや、と思われた30代くらいの店主であったけんど、飲んでるうちにお互い馴染んできて、土佐のこと、絵のこと、酒のことなど色々話したが。お隣の男性のお客さんは市内に店を出している美容師だそうで、こういう技術系専門職の人の話は面白いにや。
地元の人たちと生で話していると、ようやく土佐に来たぜよっ、という実感が湧いてきちゅう。
サイドカーは、60mlか、カクテルグラスが満たされないのは見た目がさみしいけれど、味はまっこと旨いにや。サイドカーが旨い店は信用できるき。良い店を見つけてよかったっちゃあ。
次回のためにお勧めBAR情報ももらったき、しめしめ。とはいえ、生きちょう間に再び土佐を訪れる機会があるろうか・・・。
外に出ると風も強うなっちょった。
花の少ない季節、雨に濡れた木蓮が妙に色っぽいちや。そこで一句。
木蓮やちっくと酔うた土佐の夜 パブデ・ピカソ