BARで描く絵日記

2010/11/22(月)23:06

輸血

メルトダウン(94)

 飲んでほろ酔いの帰り、道路の脇に積もった落ち葉が雨に濡れて艶々と光っていた。濡れると彩度が増して、不健康な輝きを放つ。んー、なんだか、とってもステキだ。  夕方に献血をしたので、血を補うためにワインを飲む。  ボジョレーではヘモグロビンを補えない?  そんなことはないよね。軽薄なボジョレ~ヌ~ボ~も、ゆっくり味わってみると、様々な香りや味を発見することができる。糖や酸はもちろんのこと、蛙的な青臭さとかセメダイン感とかもあり、それでいてそれらをさらっと払拭する花。ああ、これは花屋の匂いか。  次に飲むオーストラリアのカベルネ&メルロは、濃いもの同士のハーフ&はハーフで、濃縮果汁還元。喉の奥に残る木香がメロウ。旨くできすぎていて、ちょっとヒューマノイドサイボーグ的。  ヘモグロビンの必要性が逆に薄れる?  モスカテル樽後熟モルトウィスキー(アラン)は、モルトというよりもたぶんブラインドで飲んだら熟成グラッパと答えるに違いないというほどモルトから離れていた。  肘の針の刺し跡が、はねたワインの浸みのように残ってる。  ヴァンパイアは、一度の食事で何ccの血を飲むのだろう。献血と同じ400ccくらいかな。血液の総量は体重の13分の1くらいらしいので、全部を一気に飲むと4,5リットル飲むことになり、そりゃギャル曽根並みで無理であろう。  イエス・キリストの血や川島ナオミや黒木瞳の血がワインでできているなんてジョークに過ぎないと思うかもしれないけれども、ワインを飲んでいると、それはあながち嘘ではないかもしれない、などとも思う。  ワインは、人生感だの季節感だのを感じさせるので、日本人のワビサビを寺の鐘のように共鳴させるスゲェ飲み物だな。  っつーか、今夜はそのように思った。      献血400ccの代りにワイン400cc補うことはさほど違和感なくできるけれど、一晩でグラッパ400ccは飲めないな、とも思った。  最近は、朝日で灰になるほど飲んでないなー。晴れて欲しいような、雨の中でだらだらまどろみたいような。どっちでもいいな、明日の朝は。

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