2011/04/13(水)21:40
寝台特急の魅力
ちょっと用事があって、山形の実家へ行ってきました。
昨秋に広島へ行ったとき、途中の岡山まで寝台特急のサンライズ出雲号を利用ました。確かその時の体験記をここにも書いたと思います。今回は二度目の寝台体験です。
寝台特急あけぼの、上野発の夜行列車♪
僕は大宮から乗りました。広いAシングルデラックス、狭い個室のBソロ、カーテンで仕切られたB、仕切りもないゴロッとシートというクラス分けがあります。僕はやはり個室でのんびりしたいので、Bソロを選択。
寝台特急はどれも人気が高く、週末にはなかなか予約がとれないようです。しかし、週前半には比較的空いているそうで、今回はすんなり予約できました。
あけぼの号のBソロは、サンライズ出雲よりもさらに狭く、時計や目覚ましなどの設備もついていません。喫煙室なのですが、換気はあまり良くなく、吸っている間に目が痛くなります。
一階の部屋の隅には、二階へ昇る階段のでっぱりがあります。ベッドの横には、脱いだ靴を横におけるくらいのスペースがあるだけなので、大きな荷物は置けません。天井も低いので、かがんでいないと頭をぶつけます。部屋というよりも寝そべることができる席といった方がいいかもしれません。
でもソロテントに比べれば断然快適で、全く不満はありません。
大宮で乗車してしばらくすると、車掌さんが切符のチェックにやってきました。
「余目駅は朝早いので着く前に声をおかけしましょうか?」
へえー、そんなサービスもあるんですね。そりゃとてもありがたい。プロトレックのアラームをセットしてはいたのですが、起こしてもらえるなら安心です。
寝台特急の魅力は、何といっても静まりかえった夜の街の光景を眺め、誰もいないけれど明かりはついた駅が流れていくのを見送りながら、ほどよい孤独感を味わえることです。
天気が良ければ星空も見えるかもしれません。
星がなくても、ちらほらついた街の明かりが星のようにも見えるし、暗いとどっちを向いて走っているのかも、うとうとすれば上下さえも判然とせず、銀河鉄道999に乗ってるような気分になれます。
カタンカタン、カタンカタン、カタンカタン、カタンカタン・・・
ああ僕は今まさに旅をしているのだなあ。そんな旅の実感は新幹線ではとても味わえません。
缶ビール一本と大宮駅のエキュートで買ったワインの250ml瓶を空け、たぶん11時半ごろにいつのまにか眠っていました。
4時35分にプロトレックのアラームが鳴り、目を覚ましました。まもなく車掌さんのノック。電車は25分ほど遅れているそうです。
重いまぶたを持ち上げて藍色の空が徐々に質量を拡散させていく様子を眺めていると、朝が来るのが嬉しいような夜が去るのが寂しいような切ない揺れを感じます。
揺れ、夢?
ただカタンカタンと揺れているだけ。危ない危ない。乗り過ごさないようにっ!洗面所に行ってざぶざぶ顔を洗いました。
余目駅に降り立ち、ブルーがブルーに見えなくなるまで見送ろう。
陸羽西線の5番線ホームに移動。新庄行きの始発にはまだ50分もあります。テルモスのお湯でカップスープを作りました。しばらくしてようやく朝日が昇ると、中から外からほんのり暖かさが増しました。