<教育再生会議第2次報告----------------------------------------------------------------------<教育再生会議、第2次報告(大学、大学院の再生)> ---------------------------------------------------------------------- この改革の視点は ★ グローバルな「知」の競争激化、18歳人口の減少による大学全入時代の到来、社会人の再教育への要請など、社会の構造やニーズが変化する中、大学・大学院に求められる役割も大きくかわりつつあり、新時代にふさわしい大学・大学院への改革が急務です。 ★ 知識基盤社会である21世紀において、わが国が成長力を高め国際競争力に打ち勝っていくためには、次の3つの視点からの徹底した大学・大学院改革が必要です。 1、 競争力の基盤となる数多くの優れた人材の育成。 2、 社会において指導的役割を果たすリーダーとなる人材の育成。 3、 イノベーションを生み出すトップレベルの教育研究拠点としての大学・大学院が、世界の上位10校以内を含め、上位30校に少なくとも5校は入る ことをめざす。 となっています。これは少子化により、大学全入時代がおとずれ、ともすれば 大学教育の質が低下することにもつながる、危惧を回避しようとするものと、 学力が高いものが社会に多く出て行くことにより、さらにレベルアップしようとする国の試みだといえます。 日本は資源のない国なので、それを知力で補わないと世界の中で、生き延びていけないという認識を、さらに強める努力だともいえます。 そして今すぐ取り組むべき5つの改革として、 (提言1)★ 大学教育の質の保証 1、 卒業認定の厳格化 2、 外部評価の推進 3、 大学入試の抜本的改革の検討 4、 意欲ある勉強する学生への奨学金拡充や学費免除 5、 教員の教育力の向上 などをあげています。この中で具体的な方策として、 1の場合、大学授業科目ごとの成績評価を、例えば5段階評価でグレードポイントをあたえ、この単位あたりの平均を出して、その一定水準を卒業などの要件とする制度。 3の場合、大学入試年齢の弾力化、国立大学の入試日分散・複数合格、大学入試センター試験の資格化や年複数回実施、高卒程度認定試験のあり方など。 を考えているようです。そしてさらに (提言2)★国際化・多様化を通じ、世界から優秀な学生が集まる大学にする。 1、 9月入学の大幅促進 2、 教員の国際公募 3、 英語による授業 4、 国家戦略としての留学生政策 5、 企業・社会との連携 となっています。確かに諸外国は9月入学が多い中、日本の4月入学との間に ギャップが生じ、優秀な学生を海外から集めることへの障害になっていると 思います。国際化の観点から見て、9月入学枠の設定は実現されるべきでしょう。 また大学は、英語による授業や、英語のみで卒業可能な体系的プログラムを 拡大するとしています。これは中学から大学まで10年間英語を習っても、 英会話ができない現状を解決するひとつの手段になりうるかもしれません。 そして (提言3) ★世界トップレベルの教育水準を目指す大学院教育の改革 1、 体系的・組織的な大学院教育の徹底 2、 国内外に開かれた入学者選抜 3、 世界トップレベルの大学院形成 4、 学生に対する経済支援 3では国際公募による第一級の教員の採用と国内外を問わず優秀な学生の獲得によって、世界各地の優れた外国人学生が在籍し、同一大学の同一分野出身の大学院生が最大多数とならない(最大限3割程度)多様性ある環境を目指し、国際競争力に勝ち抜く世界トップレベルの大学院を形成する。 4では国は、国内外を問わず、優秀で意欲のある大学院学生への経済的支援を充実し、大学院において、TA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)やフェローシップとして積極的に採用をおこなう。特に、他大学の大学院に進学する優秀な学生に対する支援を強化する。 となっています。大学院はともすれば現状、経済的に恵まれている人であれば、入学しやすい環境にあったものが、実質、その質を問われるという観点からすると、これも大いに進めていってほしいものです。 その他には (提言4)★国公私立大学の連携により、地方の大学教育を充実する。 1、 国公私を通じた「大学地域コンソーシアム※」や 大学院の共同設置。 ※ 特定の事業を目的として、大学間または(複数の)大学と地域などで構成される連携組織。 (提言5)★時代や社会の要請にこたえる国公立大学の更なる改革 1、 大胆な再編統合の推進 2、 ひとつの国立大学法人による複数大学の設置運営 3、 人事給与システムの抜本的改革 などがあげられています。この1の中には18歳人口の減少を踏まえた国立大学の学部入学定員の縮減や、ひとつの国立大学法人が複数大学を設置管理できる仕組みをつくるなどが盛り込まれています。 そしてこの具体策として競争的資金の拡充と効率的な配分をあげています。 大学・大学院改革の実現には、やはり競争原理を取り入れることで、質を高めていこうという方針のようです。 いずれ大学入試や大学院入試のあり方も、時代とともに大きく変わって行かなければ、国際化の進む現代社会では、世界に通用しなくなってしまうのかもしれません。 教育再生会議第2次報告(子育てによる科学的知見の例)に移動する。 ジャンル別一覧
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