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学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<成績が伸びない原因>

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  <成績が伸びない原因とその対策>


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 まず、たんに「成績が伸びない」という場合、その原因は自分に限界をもうけて
いる事が多いようです。「どうも自分には無理だ」、「どうせ自分にはできない」、
「自分は頭が悪い」というように。


 また中・高校生は青春期であり、自分たちの自由を奪われるのがいやで、根気の
いる勉強に真剣に取り組まないこともあります。なかには社会にでても、学校で
学習した内容が役に立たないと考える子もいます。


 ところがこうい子どもたちが何かがきっかけで勉強に取り組み、その結果、好成績
をとったとします。すると彼らは、そのことに満足し、大いに自信をつけるように
なるでしょう。そしてその後、彼らの勉強の取り組みかたが変わってきます。


 おそらく彼らはひとつの成功体験を実感できたのでしょう。たった一度の成功
体験が彼らの心のもち方を大きく変えてしまうのです。 つまりこの成功体験を
経験することが大事なのです。


 「どうも自分には無理だ」、「どうせ自分にはできない」、「自分は頭が悪い」と
思っている人。これらの人は今までの過去の経験から、知らず知らずのうちに、
自らに限界をもうけてしまっています。


 確かに頭のよしあしは知能指数が高い人、親からの遺伝によることもあるかも
しれません。私はこれら先天的な能力を否定するつもりはありません。しかし
中・高校生が学習し習得する能力は先天的な能力だけではありません。むしろ
後天的に習得される能力を伸ばすことのほうが多いものです。

 例えば英語や国語のような言語的思考力、数学や理科に特に必要な抽象的能力は、
学習によって、後天的に獲得されていく能力です。


 子どもたちは成長とともに自我が芽生えてきます。自分の能力や体力の水準が
大体わかってきます。これを自我水準といいます。そして残念なことに、この
自我水準に自らが限界をもうけてしまうのです。


 この自我水準は心の中で、あがったり下がったりするものです。自分に限界を
もうけている人は、自らがこの水準を下げたままの状態にしているのです。


 この自我水準の性質は物事がうまくいくと急上昇し、失敗すると下がります。
そして上昇するときは大幅に上がり、下降するときはなかなか下がらないのが
普通です。


 この性質をうまく利用するには、たった1度だけでもいいから、やはり成功体験を
もつことです。得意科目だけでもよいし、範囲の決まった定期試験をたった一度で
いいから真剣に取り組むのです。そして「やればできる」を実感することです。


 次に「努力しているのに成績が伸びない」という場合、その状況をどういうふうに
考えればよいのでしょう。このことについてちょっと考えてみます。


 「努力しているのに成績が下がっていく」のでなければ、今現在、停滞している
状態と考えるのがよいでしょう。次の飛躍のための充電期間であると考えます。
心理学的にはその状態が高原に似ているという事で、プラトー(停滞期)とよんだり
します。


 これは新しい知識を吸収していくと、長期記憶の中に、知識の枠組み(スキーマ)
が形成されていきます。そしてこの枠組みは相互に関連しあって、さらに高度化
されます。 問題解決に当たっては、この高度化されたスキーマが呼び出され、
情報処理されているらしいのです。


 つまり学習停滞期はこのスキーマが、高度に構築されている段階と考えても
よいのです。この停滞期があって、次の上昇に転じると考えてもよいと思います。


 「努力しているのに成績が伸びない」からといって学習することを投げ出さない
ようにしてください。「継続は力なり」です。学習成果はある日突然、上昇に
転じていくことが多いと思います。


 ところで今度は試験の結果がうまくいかなかった場合、どういう考え方をするのが
ベストなのでしょう。


 「努力したのに試験結果が悪かった」場合、楽天家の人は問題が悪かったとか、
運が悪かったと考えます。これは細部にくよくよせず、いつでも元気にいられる点は
よいと思います。しかし反省がなく、自己努力を軽視してしまいがちになるので
マイナスです。


 かといって「いつも努力しているのに試験が悪かった」場合、これもいつもいつも
うまくいかないと「無能感」におちいってしまいます。そしてついには落ち込んで
しまいます。誰でも自分には才能があると思いたいはずです。


 そこで試験結果のよし悪しは、「成功したのは努力、失敗したのは努力不足」と
とらえるのが一番よいのではないでしょうか。停滞期でなかなか上昇に乗って
いかない場合は、まだまだ努力不足と考えるのです。そして結果がよい場合は、
努力のおかげだと考えます。


 つまり努力の有無が必ず結果にかかわってくると考えます。


 最後に、なかなか停滞期を乗り切れない場合は、勉強のしかたを少し変えて
みることもよいかもしれません。例えば数学の場合、今まで一問一問、問題集を
解く方法での勉強法しかとってこなかった場合、今度はそれプラス参考書の例題
丸暗記をしてみます。


 そうすると問題解決のための枠組み(スキーマ)の形成をはやめてくれます。
もちろん問題を解くことにより、次の問題解決に転移させることも重要です。
しかし数学をパターン化し、それを次の問題解決に転移させてもよいはずです。


 また脳は何度も繰り返し出てきたことは重要なことと認識して、長期記憶させる
ことがわかってきています。このことから学習し理解したら、たんに次に進んで
いくのではなく、それを何度も何度も暗記するほど、繰り返し復習することも
重要なのです。


 みんなが成績の伸びない原因をそれぞれ把握し、努力によりその問題を解決して
いくことが、やはり大事なのではないでしょうか。そして努力によってもうまく
いかない場合、そのときはやり方を少し変えてみるのがよいかもしれません。

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