<前向きな姿勢>-----------------------------------------------------------最近の子どもたちはぶつぶつと文句を言いながら問題を 解く事が多くなっています。 『誰がこんなめんどうな問題をつくったのだ。』 「この計算大きらい。」『こんな難しい問題を 小学生にやらせるなんて。』などいろいろです。 これは小学生から中・高校生にいたるまでみな同じ傾向に あります。 そこで今日は失敗にめげない前向きな姿勢が大切な ことについて書くことにします。 ------------------------------------------------------------- <前向きな姿勢> ------------------------------------------------------------- 以前に、にわとりとオウムを例に挙げ学習効果について 書いた事があります。それをここで少し取り上げてみます。 -------------------------- 1、 にわとりのチャレンジ -------------------------- 今ここにおなかをすかしたにわとりが十羽いるとします。 そして今からこのにわとりにえさを与えることにします。 ただしにわとりとえさの間には上下が遮断され、横幅が 10mくらいある網が張られています。 網の向こうにえさは見えますが、網で遮断されている状態です。 さてこのにわとり達はどうやってえさを食べようとするのでしょうか。 にわとり達は、網の向こう側ですが、目の前にえさが見えて いるのですから、まずはとうぜん網に突進しようとします。 もちろん網にさえぎられて、えさまでたどりつくことはできません。 何度も羽をばたばたさせたり、くちばしで網をつついてさわぎ たてているばかりです。 そうこうしているうちに、偶然かもしれませんが1羽がえさの あるところまで、直線的にいこうとするのではなく、さえぎられて いる網を迂回すれば、そこまでたどりつくことに気づきます。 そしてそのにわとりは、首尾よくえさ場にたどりつき、えさを 食べることができたのです。 それから後は、そのにわとりは さえぎられている網を迂回すれば、いつでもえさが得られることを 学習済みです。 ------------------------- 2、 オウムのチャレンジ ------------------------- 自然界で生息するオウムの仲間には、非常に学習能力が高いオウムが いるそうです。 今、ここに中が透けて見え、取っ手がついた開閉できるふたつきの 箱があります。そしてこの箱の中に、鳥のえさを入れておくのです。 すると中が透けて見えるので、多くの鳥たちがこの箱に近づいてきます。 しかしえさは見えるのですが、ふたを開けられずに、結局あきらめて、 どこかへ飛んでいってしまいます。しかしこのオウムは他の鳥たちとは ちがいました。 好奇心もあり、箱のあちらこちらを、くまなくつついたり、 ひっぱたりと長い時間その箱で遊び続けます。 そしてついに取っ手をくちばしで引っ張れば、ふたが開くことを 探り当てるのです。もちろんふたを開ければ、えさが食べれます。 こうして学習したオウムは次からも同じように、ふたをあける事が できるのです。もちろんそのたびにえさを食べることができます。 このオウムは他の鳥たちと違って、はじめからこの箱でああでもない、 こうでもないといろいろなことを試しています。そして何度も 失敗した後に、ついにふたを開ける方法を見つけたのです。 はたで見ていると、このオウムはなにか無駄なことをやっているように みえます。ふたを開けることができたのは、偶然かもしれません。 しかしふたを開ければえさにありつけると言う関連付けを、ああでもない、 こうでもないと失敗にめげず試していたのです。 無駄と思われるようなこともいろいろ試し学習し、そしてその結果、 このオウムは次からは、なんなくふたを開けることができるように なったのです。 ----------------------------------------------------------------- さてにわとりやオウムのこの2つの例は何を意味するのでしょう。 それはまず「学習とは物事の関連に気づく事」です。にわとりの場合は 網の迂回とえさ、オウムの場合はふたとえさです。 次に「学習とはいきなり成功することは絶対にない」ということです。 そして「なぜ失敗したかを考えながら、次の方法を考え、解決策に たどりつく」のです。 つまり一つのことを解決するにはそれだけ多くの失敗が必要なのです。 これはあなたの勉強にも同じことが言えます。失敗しても何度でも 繰り返すことです。エジソンが電球を発明したときも100回の うち99回が失敗であったと言われています。 学習からえられる記憶は失敗と繰り返しによって形成され強化される ものなのです。 繰り返す事、つまり復習が大切です。それと同時に失敗することも 重要です。問題を解きまちがえたり、計算ミスをしたり、テストで 悪い点を取ってもよいのです。 ただし失敗したら、次の手を考えて、さらに失敗したら、また次の 解決策にチャレンジする事です。 失敗の数が多いほどその学習の記憶に深く刻まれます。失敗数が 多いほどその記憶はより正確になってきます。 あなたはテストで失敗することがあるでしょう。またはじめての問題に あたってまちがえてばかりなのかもしれません。 しかしそんなあなたでも、それにもめげずまたチャレンジする事です。 そして記憶をより正確にし、その学習を最後には自分のものにして しまうのです。 知能の発達していないにわとりやオウムでさえ失敗しても、 それにもめげず次の方法にチャレンジしています。実はこの前向きな 姿勢こそがより速く正解にたどり着く勉強のコツなのです。 <学習意欲を少し高める>に移動する ジャンル別一覧
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