仕事の帰り路に赤坂見附の駅の辺りまでやってきたら、
以前ここで♪リンリン♪という涼しげな音が
風に載って聞こえてきた事を思い出した。
交差点の隅っこに場所を構えて、風鈴を売っていたのだ。
そこには古典落語の『 時蕎麦 』に出てくる様な、
肩で担いで移動する型の “ 屋台 ” が置かれていて、
その傍らに気の良さそうな小柄の “ おいチャン ” が
ポツンと立っていた。
客寄せをするでもなく、只々黙って立っていた。
まだ真新らしさの残る骨組みからは、
残念な事に風情を感じることはできなかったのだが、
都会の煩わしさの中で一服の清涼剤になっていた。
梅雨時のジメジメした空気の今でこそ、
涼しげで爽やかな音色が欲しいところなのだが、
最近あの “ おいチャン ” を見掛ける事は無くなった。
今頃、どの辺りで店を構えているのだろう。
ちなみに、『 時蕎麦 』というのは、
夜鳴き蕎麦を食べ終えた客が「 ひい、ふう、みい・・・ 」
と数えながらお金を渡していた手を止め
「 今、何時(なんどき)だい? 」 と尋ね、
まんまと代金をごまかして帰って行く様子を見ていた男が、
自分も同じ様に得をしようとして、
反対に損をしてしまうという有名な小噺である。
ブログ更新日 2005年07月06日 23時57分40秒 
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