道草みのむし三十路のみしがん―ひとり言編

2004/10/04(月)12:37

お魚ナイト

雑記(71)

このミシガンで焼き魚のディナーなどというのは、大変に贅沢。だいたい、海ははるか1,100km彼方だから(ミシガン-N.Y.Cityのだいたいの直線距離)、スーパーの魚売り場に海魚があるということ自体がが珍しい。購買意欲をそそられるのは生鮭かトラウトくらいで、次点がタラ。あとの選択肢はナマズ(!!)という状態だから青魚など望むべくもない。 その上、アメリカの台所には魚焼きグリルがない。魚がどうしても食べたい私は、鮭がセールにかかれば必ず買っているが、これを焼くにはフライパンで焼くか、オーブンで焼くしかない。日本にいる時は目先を変えるためにムニエルなんかも好んでしたものだが、ないものねだりか隣の芝生か、異国で増幅された和食党としては、やはり”普通に“焼いた魚が食べたいのだ。オーブンで焼いた鮭は、フライパン焼きよりは感じがでるが、それでも日本の台所の”魚焼きグリル”で調理したものからは程遠い。 それなら魚焼き網で焼けば・・・と思いたいところだが、残念ながらキッチンは電気コンロが標準。一部ガス台が入っているところもあるが稀である。しかも、たとえガス台でも、総じて換気扇が貧弱なアメリカのキッチンではとてもじゃないが魚など焼けない。ガス台の入っている部屋に住んでいた友人は、何度か魚を焼くことに挑戦していたが、そのたびに煙探知の非常ベルを鳴らしてアタフタしていた。これも食文化の違いか、この国のキッチンはジュージュー何かを焼くということを想定していないように思える。 そんな環境だから、料理の上手なM氏から仲間内にあてて『BBQします。今回は魚です』とメールが入った時にはニンマリ。M氏は小型BBQコンロをお持ちである。夏にもそのコンロでBBQを楽しませてもらったのだが、今回はお魚とは・・・やった! 土曜日の仕事を終え、少々ガッカリな事もあったりして、心身ともにへたばりながら帰宅。気を取り直して、今朝お弁当を作りながら仕込んでおいた炊き込み御飯を炊き上げてM氏のお宅へ伺う。今日は総勢9人。M氏、お忙しい身にも拘らずクルマで一時間離れたデトロイト近郊の日本食品マーケットまで買出しに行ってくださったのだろう。お魚類がたっぷり用意されていた。手分けして他のものの用意をお手伝いしつつ、Y女史とN氏が部屋の外で下ごしらえされたっサンマに鯖、それに調理済みウナギをホイルで包んだものや、鮭の自家製グリーンソースのせホイル焼きなどをグリルしていく。 焼かれた魚類のほか、食卓にはM氏お手製の栗ご飯、ダブルO氏持参の貝柱がバター焼きされたもの、Y女史のうますぎる切干大根煮云々がズラズラ-っと並び、なんとも贅沢。ビール&ジュースで乾杯してから、『いただきまーす』。 いやもう、はっきり言って食べ過ぎなほど食べた。胃が完治していない事をしばし忘れたほど、何もかもおいしかった。とりわけ直火で焼かれたサンマと鮭のおいしかったこと(涙) 一気に深まりつつある秋の気配に秋の食卓。アメリカの食事情は、日本人の私の感覚からいくとどうしても季節感に欠けるから、昨年も一昨年も味気ない思いをしたものだが、今年の秋はこの一食で埋め合わせをさせていただいた気分。 食べながら、しゃべりながら、A女史の持ってきてくださったアテネ・オリンピックのNHKの総集編を見せていただく。今日のメンバーは体育会率が高く、柔道のM氏、ホッケーのO氏、私も中・長距離出身である。その上、水泳のプロコーチ・N氏もいらっしゃったから、スポーツ談義に花が咲いてとても楽しかった。 M氏のお宅を辞して帰宅したら、もうベッドに入る体力しか残ってなかった。爆睡。

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