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カテゴリ:映画
『私の中のあなた』 監督・脚本・・・ニック・カサヴェテス 原作・・・ジョディ・ピコー 出演・・・キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・ヴァジリーヴァ、トーマス・デッカー、ジョーン・キューザック、エヴァン・エリングソン、デヴィッド・ソーントン 他 【解説】 アメリカの人気作家ジョディ・ピコーの実話を基にした小説を映画化。 監督は『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス。 白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける問題作だ。 初めて母親役に挑戦したキャメロン・ディアスは、衣装やメイクに関してもリアリティを追求。病気の娘のために闘う母親になりきるため、ほぼノーメイクのままでほとんどのシーンに臨んだという。 両親を訴える次女役を『リトル・ミス・サンシャイン』などのアビゲイル・ブレスリンが熱演。シリアスなテーマながら、温かい視線でユーモアを交えた語り口が心地よい。 【STORY】 11歳のアナ(アビゲイル・ブレスリン)は、白血病を患う姉・ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によって生まれたデザインベイビーだった。 彼女は、輸血や骨髄移植など様々な犠牲を強いられてきたが、ケイトの病状は一進一退。 両親は遂に腎臓移植を決意するが、アナはこれを拒み、弁護士を雇い訴訟を起こす。 「自分の身体は自分で守りたい」と両親を訴えるアナ。 ケイトを最優先に考え、アナに迫る母親(キャメロン・ディアス)、何も出来ない父親(ジェイソン・パトリック )、孤独な兄(エヴァン・エリングソン)、そしてアナの協力がなければ死んでしまう姉。 しかしアナの決断にはある隠された理由があった…。 私、ここでも何度も書いてますが、この映画を本当に楽しみにしていました。 早く観たかったけど、ぎゅうぎゅう詰めで観たくはなかったから 試写会にも応募せず公開初日・朝一番に鑑賞。 それなのに・・・それなのに・・・ ありえないコトが起きてしまった。 それは会場が暗くなる前から始まった。スクリーンの裏側から電気工事の音が。 小さく響く・・というものではなく、“ガガガガっ!!!”とかなりの騒音。 予告編が始まっても断続的に響く音。。。 ここは映画館なのに?!ありえない~~。でも本編が始まったら、いくらなんでも消えるだろう。 信じていました。ところが!! 「人は偶然産まれる。でも私は創られて産まれた。」みたいなアビゲイルちゃんのナレーションに被る“ガガガガっ!!” その音は、どのぐらい続いたかなぁ。20~30分以上かな・・・ 一人で来ていた男性一人、帰られました。 私は 結局、前半は作品に入り込むことは出来ませんでした。ストーリーよりそこにまず泣けた。 映画が終わってから普通に帰る観客たちにもびっくり! みんな平気なのぉ? 私はこの哀しい思いを訴えに行ったけど、支配人みたいな方が 「私どもにも、電気工事の知らせが来てなかったものですから」と謝るだけ。 払い戻しをしてもらったけど、治まらないこの悔しさ。哀しさ。涙・・・ 本当に、気が散ってしまった・・・ キャメロンもアビゲイルちゃんも、ケイト役のソフィアちゃんも素晴らしかったのに。 前置きが長くなりました。。。 もっともっと涙・涙の作品かと思ったら、時にユーモアも散りばめ 明るい雰囲気で話は進み、 母と娘の法廷での対立!も激しいものかと思えば、そうではなく あくまでも 「家族の愛」 「家族の在り方」 「子を持つ母の役割」などに焦点を当てたストーリーでした。 私はキャメロンに感情移入してしまって・・・ 私も絶対このタイプだ。と怖くもあり(汗) 子供を愛するあまり、子供が何を一番求めているか全く見えなくなってしまう。 こうしてあげることがこの子の幸せ。と押し付けてしまうことがどんなに多いか(反省) 彼女が諦めきれず、最後までジタバタしてしまうのが本当に良く分かる。。。 愛ゆえに・・・ 「大丈夫だよ」と抱きしめるのは、母ではなく病人である娘。 ここでは号泣。我慢できず声が出ちゃった・・・ なんというか・・・ デザインベイビーなどという臓器提供目的の子供を創造という、まるでリアリティのない話かと思えば 病人を取り巻く環境など とてもリアルに描かれていて 病気の娘の為に、全てを犠牲にする(本人は犠牲とは思っていない、当たり前のこと)母、 病人も大切だけど、家族の生活も守る為懸命に働く父、全ての面で存在を認めてもらえない弟、肉体的にも精神的にも傷つきながらも大好きな姉の為に尽くす妹。 それはどこの国でも見られる姿。 最後の方で病人を見舞う親戚達。患者を励ます為に“がんばれ”や“あきらめちゃいけない”と言い続ける無神経さ、当人達に罪の意識はひとつもない。 むしろ“良かれ”と思ってのこと。 でもそれは自己満足でしかない・・・ この辺は本当にリアル。 ただの難病ものではなく、登場人物がみんな温かい気持ちを持っていて 哀しいだけのお話にはなっていないところが、とてもよかったと思う。 色々考えさせられる作品ではあるけれど、好きな作品でした。 こちらも原作とラストは少し違うらしいけど もしかして“数年後”というやつかな? コレはあってもなくてもよかったような気もした。。。 いろんなシーンでグッと来たけど いくつか挙げると 女性判事とアナが初めて話すところ ドレスアップしたケイトを見つめる父 アナとケイトの触れ合い 海辺で過ごす家族 アルバムを開くケイト 一番しんどかったのは、やはりケイトと母サラのシーンだったけど キリがないですね・・・ 吐き気に苦しむケイトに容器を差し出し、うがいの水を渡し、最後にガムまで渡す彼にも感動。 同じ病気ならではの気遣い。 細かいリサーチがされてるな、とそちらにも感心。 キャメロンはこの映画の撮影中に最愛のお父さまを亡くされたんですね。 明るく元気なイメージだけど、シリアスな演技も素晴らしかった。 きっとその体験も生かされているんじゃないかな。 アビゲイルちゃんは、さすが。 細かな表情で、フクザツな心境を表してた。 彼女の演技ひとつで、謎が謎ではなくなるような重要な役。やはり上手かった。 難役であっただろうケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァもとてもよかったです。 病気にしてはちょっとふっくらしすぎ?と最初思ったけど、これも副作用の?と考えを変えました。 病気に立ち向かうけなげな少女。その笑顔に泣けました。 アレック・ボールドウィンも敏腕弁護士がぴったりだし ジェイソン・パトリックのパパも良かったです。 個人的には判事のジョーン・キューザックが凄く印象的で良かったです。 この前は『お買いもの中毒な私!』でレベッカのママの役だったかな? 出演時間は少なくても、ビシっと締めてくれる気がする。 そういえば、当初アナ役とケイト役にはダコタ・ファニングとエル・ファニングが配役されていたそうですが、降板。あの姉妹だとどんな風になっていたかな? ダコタちゃんだと、もっともっとドラマチックなカンジになっていたかも・・・ この作品はそうじゃない方がよかったから、結果お~らいですね。 難病ものは苦手だし、特に子供の病気は・・とても苦手なジャンルだけど 観終わって心が温かくなったし 自らを反省するいい機会にもなりました。 惜しむらくは・・・騒音。。。涙 マリー的お気に入り度 ・・・ ★★★★★★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月11日 12時17分00秒
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