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カテゴリ:北欧食べ歩き
新北欧料理・ニューノルディックキュイジーヌ(New Nordic Cuisine) という言葉をご存知でしょうか。 今ではすっかり定着した新北欧料理は、 2003年にデンマークのレネ・レゼピ氏とクラウス・マイヤー氏が率いる レストランNoma(ノーマ)が打ち出したスタイルです このノーマ、ミシュラン二つ星 ![]() だけでもタダものではありませんが 2010年以降、『世界のベストレストラン50』誌で4度も世界一を獲得 世界一予約が難しいレストラン マンダリン・オリエンタルホテル東京への期間限定出店や ドキュメンタリー映画『Noma』などの制作もあり、日本でもとても話題になったそうです。 (当時の私はNomaについて何も知りませんでした) ![]() 【ノーマにて。アーティーチョークとアガパンサスのアーチ】 Nomaはデンマーク語の『nordisk (北欧の)』と『mad (食/料理)』を合わせた造語。 Nomaが提唱した新北欧料理マニフェスト・10箇条には、 地元の食材に注目するだけでなく、生産者をサポートし結果的には生態系も守ること。 伝統を大切にしながらも新しい視点を取り入れて、美味しさと健康を結びつけること。 などが明記されています 食と生命、自然をつなげるという考えは、薬膳料理とも通じます テーブル上の食事だけでなく。 私たちの命を産み育んでくれる自然をトータルに考えるからこそ、ですね このマニフェストは一般の方はもちろんのこと 料理人たちに驚きを持って迎え入れられたようで、 このスタイルはあっという間に北欧中に広がり それまでの「北欧=サーモンとミートボール」というイメージを大きく変えていきます。 私が初めて北欧を訪れた2014年にも このマニフェストを実践しているレストランが数多くありました。 (過去ブログを見たらFrantzenのみ掲載m(__)m) そして、その元祖ともいえるノーマが位置するのが、ここコペンハーゲン ロックダウン明けに訪れる機会がありましたので コペンハーゲンを旅される時のご参考になればと思います ![]() 美食家でも批評家でもないので全体の感想メインですm(__)m 今夏はノーマ以外でも多くのレストランを訪れる機会に恵まれたので 代表的なお店を数日にわたってご紹介させて頂きますね ①Noma(ノーマ) ②Kadeau(カドゥー) ③Mielcke & Hurtigkarl(ミエルケ&ホッティカール) ④Geranium(ゲラニウム) ※ニュー・ノルディック・キュイジーヌのお店については 今後も機会があれば随時アップしていきますね 2021年6月後半に訪れたノーマ。 タクシーは、まるで菜園のような場所で止まります。 ![]() 【ノーマ車寄せにて。ここから奥へ進みます】 ここは全て、ノーマの敷地。 提供される野菜やハーブが植えられていますが、面白いのは区画がないこと 通常はズッキーニのエリア、ハーブの場所などと分けて植えることが多いと思いますが ノーマの場合、ハーブの間にアーティーチョークがニョキっと出ていたりと 一見無造作、でも計算されていて、とても素敵です スタッフさんに明るく迎えられて説明を受け。 コロナパスポートを提示してから足を踏み入れます。 (*コロナパスポート=ワクチン2回接種済証明またはPCR陰性証明) 夏の香りを満喫しつつ 畑の中に建てられた試作実験用のグラスハウスを眺めながら50mほど進むと ズッキーニが絡みつき、アーティーチョークとアガパンサスで飾られたアーチが登場。 (1枚目の写真) もう、このセンスに脱帽です 大人は屈まないと通れないのですが、私たちを含めて通る人はもれなく笑顔に これから何が始まるのか、ワクワクしかありません ![]() 【ノーマの入口へ】 いよいよ入店 エントランスの前に置かれた巨大な切り株の間を通り。 小さな木の扉をくぐると、(おそらく)全スタッフさんが手を止めて出迎えてくれます これも新北欧料理ではポピュラーといえるスタイルですが、人数が桁違い とはいえ威圧感はなく、とてもフレンドリーでジョークも交えつつの案内です 北欧のレストランやカフェは スタッフさんがとても生き生きと自信に溢れていて プロとして働くことに誇りを持っている様を感じられることも、 楽しい滞在の理由のひとつでしょうか。 ![]() 【摘んできたばかりのハーブのブーケ】 飲み物を選んでいると、お隣のテーブルに美しいブーケが運ばれてきました。 一瞬「もしかしてプロポーズ 「あれ、こちらも(再び)?」と、なぜかプロポーズ思考から抜け出せない(汗) 最初の一品でした 畑から摘んできたばかりのハーブで作られたブーケ 実は、カップの底にはビーツのスープが入っています。 こんなにエレガントなビーツは初めて ![]() と同時に、手でブーケを「えいっ!」と 奥に押しやりつつ飲んでね、というラフさとのギャップ(笑) 一品目から、幸せな笑いが止まりません^^ ![]() 【前半のお料理と店内】 カリフラワーのワッフル、ピーマンで作ったプロシュート風(!)、 貝など、美しいお料理が続きます。 全18品、全てのお写真は載せていません(痛恨の撮り忘れも…)m(__)m 店内は北欧家具で統一され、照明にも暖かさを感じます。 ミシュラン店であってもテーブルクロスはなく、 スッキリした空間のお店が多いのも新北欧料理の特徴だと思います。 ※その代わりおしぼりは、ほぼ全てのお店で出てきます 今回、私たちが予約したのは『ラウンジ』と呼ばれる建物。 当初の場所から移転した今のノーマには エントランスを挟んで、メインダイニングとラウンジの2つのスペースがあります。 ラウンジ側にはソファ席もあり、 ダイニング側よりも小さい空間ということもあって落ち着ける雰囲気でした。 このお料理を、ゆったりとソファに座りながら…というスタイルも楽しそう ![]() 【中盤のお料理たち】 たかが(?)グリーンピースにも驚くノーマ・マジック。 ホワイトアスパラガスの上には塩漬けしたモクレンの花びら。 ズッキーニの花の詰め物etc、 お料理を仕上げたシェフが直接テーブルへ運び、説明してくれます 自然を大切に考えるノーマでは、食材はほぼ全て可能な限りオーガニックかつ自然のもの。 そのため、野菜料理→魚料理→肉料理といったお決まりのコースはありません。 テイスティング・メニューと呼ばれるおまかせコース一択 夏は新鮮なハーブやお野菜がメイン、秋はジビエなど、 季節に合わせて用意されたお料理が提供されます。 (予約時&訪問当日に、苦手な食材やアレルギーなどは確認してくれます )ノンアルコールドリンクの素晴らしさにも驚かされます。 常々疑問だった、レストランでのアルコール以外のドリンクチョイスの少なさ 薬膳に出逢うまでお酒も飲めなかった私にとっては淋しい日々でした。 北欧では、お料理に合わせたペアリングという方式でのおまかせスタイルが主流で 6〜8種類、こちらも工夫を凝らしたオリジナルジュースが次々と登場します またこちらのシェフの多くは日本食の影響も強く受けているようです。 自然・季節を大切にする考え方、発酵の力を使う知恵、細やかな気配り。 新北欧料理のマニフェストに共感し実践するシェフにとって 日本食の考え方はお手本そのものなのかもしれませんね。 どのお店も出汁や旨味(ウマミは既に世界の共通ワード)、鰹節、 ドリンクには緑茶、コンブチャ等々、積極的に取り入れられています なので日本人だと言うと(多分)喜ばれます ![]() 【ガーデンサラダ。よく見ると…】 意外にも温かい、ベリーや夏野菜を使ったサラダ。 上に散らされたのはなんと、アリ(蟻) そういえば近ごろ蟻もあまり見かけませんが…除草剤多用などの影響でしょうか。 言われてみれば、蟻もいて初めて、本来のガーデンかなぁと 実家の庭を思い出して笑ってしまいました。 流行りの昆虫食とはまた異なり、 もともと柑橘類が育つほど暖かくない北欧では蟻の酸味を利用することがあったそうで 他のいくつかのレストランでも遭遇。 口にしてみると、ピリッとした刺激。 レモンをもう少し尖らせたような酸味で、マイルドなサラダのアクセントによく合います ノーマでは、ペアリングジュースのレモネードにも使われていました ![]() 【ロブスターとグリルしたアーティーチョーク】 今日のメインコースは野生のロブスター。 香ばしくグリルされたアーティーチョークと共に。 ![]() 【ノーマのガーデン(一部)。この建物がメインダイニング】 デザートの前には小休憩、ノーマの庭を散策します。 6月の終わり、夏至の直後は日が一番長い時期なので、これでも午後9時。 エルダーフラワーにもヨーロッパの夏を感じます (上の写真左側奥、白い花) ![]() 【さまざまなハーブ】 食事中もスタッフさんがハーブを摘む姿を何度も目にします ![]() 【デザート(一部) ラストのカルダモンキャンドル、とても可愛かったのに撮り忘れ(涙)。 ![]() 【ノーマのキッチン棟】 食事の後は、バックヤードを案内してくださいました ダイニング棟にあるオープンキッチンは仕上げ用。 お隣の建物はもともと軍の所有だったもので、細長く丈夫な倉庫風。 ノーマではここをいくつかのエリアに分け、 仕込み用キッチン、資料保管庫、社員食堂、発酵実験室などとして使用しています。 ![]() 【社員食堂】 社員食堂にはハンバーガーの看板。 ここにもノーマの心意気があります そのスタイルとクオリティーによって 瞬く間に世界中の美食家や観光客が押し寄せるレストランとなったノーマは 地元デンマークの人たちにとっては敷居の高い、ある意味で別世界だったそうです。 そんな中でのコロナ禍発生・ロックダウンによる休業。 いま人々が求めているのはファインダイニングではない、と感じたシェフ。 制限ある日々の中で、 家族や身近な人たちと気軽に過ごせる場として テイクアウトとアウトドア(ノーマ敷地)で楽しめる ワイン&ハンバーガーのお店をオープン このとき私はまだデンマークにいなかったのですが あのノーマが、ハンバーガーを売り出した と大きな話題になったそうです。 (実は、デンマークの人たちはハンバーガーが大好き ![]() チェーン店から個人店まで数多くのバーガー屋さんを見かける& CMでもハンバーガー率は高い…デンマークへ来て驚いたことのひとつです )新しいチャレンジは大人気になっただけでなく、 ノーマの心意気や食の素晴らしさを感じたコペンハーゲンの人たち。 ロックダウン以降は、そんな地元の人たちからの予約で埋まっているそうです ![]() 【発酵部屋と本日のメニュー】 ノーマでは、常に先を見据えた研究も行われています。 日本もお手本にしている発酵調味料もそのひとつ。 最新の実験設備で試行錯誤をする一方で、昔ながらの味噌作りの手法も取り入れつつ 日々、新しい味を作り出しているそうです。 あまりに神聖な空間で写真を撮るのも申し訳ないと思っていたら 「どんどん撮って!うちはすごくオープンだから!」とスタッフさん。 さすがです 後から考えるほど、私では到底理解しきれない奥深さもたくさんあったのですが 難しいことは全て省いて、素直に驚き楽しめる美味しいノーマ。 またいつか、ぜひ訪れたいです #北欧薬膳ライフ #海外旅行 #ミシュラン #デンマーク #新北欧料理
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Last updated
2021.08.17 04:12:33
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