2011/02/14(月)01:42
(oё)/ 島崎藤村 *椰子の実* (02/17 資料) その1 印刷用
島崎藤村(しまざき とうそん)作詞
大中寅二(おおなか とらじ)作曲
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名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ
故郷(ふるさと)の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)
旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる
枝はなお 影をやなせる
われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ
実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)
海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙
思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん
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何処か遠くの島から(ここに)流れ着いた椰子の実1つ
(その島の)岸を離れて、お前は何ヶ月
波に揺られてたどりついたのか
(お前が実っていた)樹は立派に茂って、
その枝は影を落としている(というのに)
私もお前と同じ、(優しい故郷を離れて)
一人放浪の浮草暮らしなんだよ
その椰子の実を胸に当ると、思えば遠くへ
来たもんだと寂しい気持ちになる
夕日が海に落ちるのを見ると、
故郷を想って泣けて来る
打ち重なる波を見て故郷のことを懐かしく思い出す、
いつか必ず故郷に帰ろうと誓った