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テーマ:健康に良い絶食のあり方(44)
カテゴリ:体質改善
絶食期間中のエネルギー源は?
ブドウ糖、筋肉、脂肪。 【3つのエネルギー調達先】 ■体内のブドウ糖。絶食開始後1日で使い切ります。 ■筋肉のタンパク質。4%のエネルギーは、筋肉のタンパク質を分解し、ブドウ糖を補給します。 ■脂肪。96%のエネルギーは、脂肪を肝臓で分解し、主に脳のエネルギー源となるブドウ糖の代替物質として、「ケトン体※」をつくります。 医学的に体脂肪率の下限は男性5%、女性10-15%程度といわれています。 体脂肪計には自動補正や誤差が5%以上ありえます。 体脂肪率が著しく低下すると、「飢餓状態」すなわち生命維持が困難な状態に入ります。 ※【ケトン体とは】 出典:慶応義塾大学医療情報センター http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/science/201906_02.html ケトン体とは、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称で、絶食、低炭水化物食の摂取、激しい運動時など、体内のブドウ糖が枯渇する状態となった時にブドウ糖に代わるエネルギー源として肝臓で産生されます。 近年、このケトン体のうちβ-ヒドロキシ酪酸にはエネルギー源としての作用以外に酸化反応や炎症反応を抑制する作用があることが明らかになり、心臓や脳など様々な臓器に対して保護作用があることが報告されております。 ケトン体は酸なので、血中に多く含まれると血液や体液が酸性になります。このようにケトン体が増えて血液や体液が酸性になった状態をケトアシドーシスといいます(アシドーシスとは酸血症のこと)。 糖尿病におけるケトアシドーシスは、主にインスリンの不足している1型糖尿病患者さんに起こります。インスリンが不足した状態では脂肪の代謝が亢進(こうしん)し、血中にケトン体が蓄積してアシドーシスを来し、ひどくなると意識障害を引き起こすため、治療しなければ死に至ります。生体の内部環境はpH7.4付近が最適な状態で、これよりも酸性でもアルカリ性でも細胞や組織の働きが低下するからです。このように、ケトン体はケトアシドーシスを引き起こす体に悪い物質と思われがちです。しかし実際は、インスリンの働きが正常で、ブドウ糖の利用が適切である限り、ある一定濃度のケトン体は極めて安全なエネルギー源となります。 ケトン体、特にβ-ヒドロキシ酪酸の腎臓に対する効果は十分に明らかにされてきませんでした。今回(慶応大の)研究グループは、虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)による腎障害を来すマウスモデルを用いて、β-ヒドロキシ酪酸の腎臓に対する作用について検討しました。ケトン体の1つであるβ-ヒドロキシ酪酸をポンプを用いて直接投与することによって腎虚血再灌流障害が改善することを見出しました。低炭水化物食などの食事や薬剤などにより、β-ヒドロキシ酪酸の血中濃度を上昇・維持させることができれば、急性腎障害に対する新しい治療戦略になりうる可能性があります。
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Last updated
2019年07月29日 08時49分52秒
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