逆転、小勝利
「二重人格者だな…」自分で大したものだって自嘲していた「詐欺師になれそうだわ」娘の前では、普通にふるまえたつもりだ元気で前向きな娘を見ていると魔法がかかるらしい。*****きっと治るから大丈夫*****その魔法にかかったまま、娘の前では明るく過ごした家に帰るのもイヤだった家で、元気にしていなくてはいけないのがしんどかった下の子たちに心配をかけたくないけれど自分の気持ちがパンクしそうだったそれでもなぜか、家でも元気になれた車中は泣き泣きなのに家にも魔法があったみたいだ*****おねえは、ゼッタイ治るから大丈夫*****下の子たちは何にも言わないけれどおねえには、ゼッタイ的な信頼があった結果を大方知っている私は時間が過ぎていくのが怖かった染色体検査の結果が出たら娘にも事実を報告しなければならないあんなにもつらい思いをしても、薬が効かなかったと知ったらどんなに落胆するだろうそう考えただけで、ゾッとした医師から第3クールの結果と、その次に待ちうける骨髄移植の説明を聞く日が決まりその日が近づいてくるのが、何より怖かった7月17日夫は会社を休み、同席した(こういう話し合いの時、夫は必ず会社を休んだ 風邪をひいて熱があっても休まない会社 「意外と休めるんだ」ってびっくりしたものだ)夫も来て病室でドクターを待っていたが予定の時刻になっても誰も来ないドクターってだいたい時間を守らないことが多いから(いろいろ突発的なことが多いし 他の患者さんやご家族と話し始めるとむげにもできないし 処置が長引いたり… その先生の性格というより「医師業」とはそんなものらしい)今日もまたそんなものかと話していた「ドクターの30分は何時間になるか分かんないもんね~」娘もそう笑っていた小一時間たってやっと看護師さんが呼びに来た「ちょっと待っててね。 今日は移植の注意事項とかいろいろあるから 時間かかるかもしれないけれど あんまり心配しないでね」ドクターと両親の話を待たされるのがいちばん嫌いな娘にそういって、別室へ急ぐドキドキだった親はすでにあらかたの結果を知っているもう、覚悟はできているしさんざん泣いた後だから切り替えもできている結局、やるしかないのだから問題は娘にどういうか、娘がどう思うか、だけなんだ。。。。。でも、担当の看護師さんがおかしい「ママ、ゴメンネ。待たせちゃって さっき染色体検査の結果が返ってきたら 結果が良くて!!! 先生たちあわてちゃって、 もう一回、検体出してきてチェックしてたのよ」飲み込めない。何を言っているのだろう?????部屋に行く途中で、担当医にも出会った「先生なんて、もうひと泣きしたもんね。ウレシナキ」看護師さんはうれしそうだ担当医はちょっと恥ずかしそうに、ホッとした顔をしている喜ばしい結果、なんてあるんだろうか???本当に何が何だか、わからない「ぎりぎり、非寛解でした」科長のドクターはそう言った骨髄検査をして、白血病細胞が全体の5%以下になれば寛解という「染色体検査の結果、6%だったので。 でも、私たちの見た目ではもう少し悪い結果だと思っていましたので さきほどから、私と担当医の2人でもう一度見てみたのですが どうも、娘さんの白血病は異形成を伴うようで 見た目での判定はかなり難しいようです 非寛解とはいえ、 マイロターグはかなり効いてくれたようでよかったですね」地獄のような時間だと思っていたが入院してから始めて聞く「いいお話」だったこれで娘を落胆させなくてもすむ…「いい結果」を報告してあげられるそのことがいちばんうれしかったいくら効いたといっても、まだ非寛解だ移植はかなりキビシイこの時間はうれしい話だけでは終わらない「前途多難」ってこんな状況をいうんだろうな。。。どういうわけだか、そんなことを考えていた