ハードアスペクトハードアスペクト■痛みや悲しみや憂うつは、人が個として閉じることを妨げるがゆえに、より大きなものとつながる可能性を与える。ただし、その人が感情に同一化しすぎなければ。 ■その現象を客観的に見るには音楽を用いるといいかもしれない。明るく楽しい曲は深みや広がりを持ち得ないが、メランコリックな曲にはそれがある。それは何かが欠乏しており、その欠けから深みや広がりにつながることができる。 ■占星術においてそのような欠けを与えるのが、いわゆるハードアスペクトであろう。 ■半田氏のヌース理論では「直交性は観察を意味する」とされている。察するに、ここで言う観察とは観察者は対象に対して1つ上の次元階層にいるという意味 だろう。それは対象に対して離れた位置、巻き込まれていない位置ともいえ、マイスター・エックハルトのいう「離在」にあたるものだ。 ■これを元に90度(スクエア)のアスペクトを考えてみると、なかなか面白い。つまり、90度を矛盾と相克の位置関係と見るのではなく、離在、観察、次元上昇の場として見るのである。 ■現代の薄っぺらのニューエイジのご託宣ではなく、真摯に道を説く師たちが「痛み・苦悩・悲しみ」こそが「道」となりうると説いているのは、このことと関係しているのではないか。 (c)神谷充彦 |