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QBスニーク

ビリルビン値

『正常値』
○総ビリルビン(TB)[mg/dl]:1.1以下(直接型:0.5以下/間接型:0.6以下)


【ビリルビンと黄疸】

 体内の組織および血液中にビリルビンが増加し,皮膚や粘膜が黄色く染まった状態を黄疸という.この黄疸の有無を調べる指標がビリルビン値である.肉眼的に黄疸と認められるような状態となるのは,少なくとも,ビリルビン値が3mg/dl以上の場合である.
 黄疸と間違い安いものに柑皮症がある.柑皮症とは,ミカン類,ニンジン,トマトなど,黄色色素であるカロチンの大量摂取による皮膚(手のひらや足の裏に目立つ)のみの黄染であり,眼球結膜(いわゆる白眼の部分)には黄染を認めない.


【ビリルビン代謝(生成と排泄)の経路】

 ビリルビンは,その大部分(約80%)が古くなった赤血球の破壊によるヘモグロビンから生成される.一日6~8gのヘモグロビンが破壊され,250~300mgのビリルビンが生成されるのである.
 生成されたビリルビンは,水に水溶性で間接型ビリルビンと呼ばれ,血中のアルブミンと結合して肝臓に運ばれる.肝臓に取り込まれたビリルビンは,酵素の働きでグルグロン酸と結合し(抱合という),直接型(抱合型ともいう)ビリルビンとなり,肝内胆管そして肝外胆管(総胆管-胆道ともいう)を経て,十二指腸の胆汁中に排泄される.
 さらに,腸内に排泄された直接型ビリルビンは,腸内細菌によって分解され,ウロビリノーゲンとなり,大部分は便中に排泄される.その一部は,腸より再吸収されて再び肝臓に戻る“腸肝循環”をする.少量は,肝臓を経て尿中に排泄される.


【ビリルビン値の異常】

 ビリルビンが2mg/dl以下の場合には,皮膚にも眼球結膜にも黄染はみられない.他の肝昨日検査データが正常なときに,ビリルビン値の異常が見られる場合は,採血手技上の原因によることが少なくない.採血が難しかったり(静脈が細い),採血後の検査までに時間がかかると,赤血球が壊れてビリルビン値が上昇してしまうからである.このときには,再検査が必要である.
 ビリルビン値の増加がみられる際に考えられる疾患には,以下のケースがある.
○肝臓に病気がある場合
 ●肝細胞性の疾患・・・急性肝炎,肝硬変などによる肝細胞の機能低下.
 ●肝内胆汁うっ滞性・・・薬剤性肝炎など,アレルギー反応で肝内の胆管障害のため胆汁が排泄されない疾患.
○胆道に胆汁の流出障害がある場合
 胆道に,総胆管結石や膵臓癌があり,狭窄や閉塞のため胆汁が流れない.この場合は外科的手術の適応となり,外科的あるいは閉塞性横断と呼ばれる.
○溶血性黄疸の場合
 赤血球の破壊(溶血という)が亢進し,間接型ビリルビンが過剰に産生されたためにおこる疾患である.先天的なものと後天的(薬剤など)なものとがある.
○体質性黄疸の場合
 先天的な要因によるもので,肝臓に障害があるが,特に心配のいらない黄疸である.
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