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QBスニーク

HDLコレステロール/βリポ蛋白

『正常値』

○HDLコレステロール[mg/dl]:32~65(男),35~70(女)
○βリポ蛋白[mg/dl]:260~640


【HDLコレステロール/βリポ蛋白】

 前述のように,リポ蛋白は,比重の違いにより,カイロマイクロン,VLDL,IDL,LDL,HDLに分けられる.また,電気泳動における易動度の違いにより,カイロマイクロン,Pre-β,β,αに分けられる.このうちHDLコレステロールは“善玉”,LDLコレステロールは“悪玉”といわれている.
 総コレステロールは,LDL(低比重リポ蛋白)に約75%,HDL(高比重リポ蛋白)に約25%が存在する.このHDL分画に存在するコレステロールを,HDLコレステロールという.LDL分画に存在するコレステロールは,電気泳動上は,βリポ蛋白分画に含まれる.
 コレステロールの中でも,LDLコレステロール(βリポ蛋白にある)は,動脈硬化促進の犯人=“悪玉”と考えられており,一方,HDLコレステロールは,むしろ動脈硬化を予防する=“善玉”と考えられている.総コレステロール値が200mg/dl以下という望ましい範囲にあっても,HDLコレステロール値の減少(40mg/dl)があると,虚血性心疾患の発症率と直接関係があると指摘されている.したがって,厚生省原発性高脂血症調査研究班においても,総コレステロール220mg/dl以上,HDLコレステロール40mg/dl以下,中性脂肪150mg/dl以上を,“異常”と判定して,HDLコレステロール値の測定を重要視している.
 したがって,HDLコレステロールが低く,LDLコレステロールが高い人は,動脈硬化による病気,例えば脳卒中や心筋梗塞になりやすいといえる.厚生省の統計を参照されたい.
 最近では,「動脈硬化指数」という指標がつかわれている.

  動脈硬化指数=[(総コレステロール)-(HDLコレステロール)]/(HDLコレステロール)

 指数が3.0以下を正常値とする.
[2002.11.2更新]
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