カテゴリ:サイエンス&テクノロジー
福島県は9/21、1Fの事故が起きた2011/3/11から3/31までの、
放射性物質の飛散状況をを公表した 空間放射線量の最大値は、原発から北西に約5.6Kmの双葉町上羽鳥で、 2011/3/11の15:00に毎時1590μシーベルトを記録していた 原発の敷地外ではこれまでで最も高い観測値である 出所>福島県ホームページ、2012/9/21公開 ⇒http://www.pref.fukushima.jp/j/post-oshirase.pdf 1Fの1号機では、3/11の10:17に格納容器の圧力を下げるための ベントが開始されたにも関わらず、15:36に水素爆発が起こった したがって、空間放射線量の最大値は爆発の前に記録されたことになる この事実は、1Fの2号機から最大の放射性物質が大気に放出された という東京電力から発表されたこれまでの試算結果を大きく翻す証拠でもある (cf.⇒http://plaza.rakuten.co.jp/qualityoflife/diary/201205240000/) 放射性物質の飛散データについては、Nature誌が事故7ヶ月後に Stohl氏の研究チームの分析をレポートして日本の公表結果に疑問を示していた 出所>Geoff Brumfiel,Nature Published online Nature 478, 435-436 (2011), “Fallout forensics hike radiation toll Global data on Fukushima challenge Japanese estimates” ⇒http://www.nature.com/news/2011/251011/full/478435a.html#B1 分析結果では、既に以下の事実が指摘されていた 1.セシウム(Cs-137、Cs-134)の総排出量が3.5京ベクレルで 日本政府2011/6当時の公式発表1.5京ベクレルの2.3倍であること 2.Cs-134の半減期は2.1年であるので福島はチェルノブイリを超える汚染レベルであること 3.放射性キセノン(Xe-133)排出量がチェルノブイリを超えていたこと 4.Xe-133排出が津波による水没以前に起こっており 地震のみで原子炉または燃料プールが損傷して放射性物質が排出されたこと 日本政府と東京電力はその後に小出しに情報を修正して 自らの情報隠蔽の証拠を消そうとしている (経済産業省原子力安全・保安院は2012/2/1に総排出量を48京ベクレルに修正 東京電力は2012/5/24に総排出量を90京ベクレルに修正) しかし、日本でこれまでに公表された事実は、 Nature誌が指摘した上記1.に関する事実を追認しているのみであり、 上記2.~4.については何ら明らかにされていない 9/21に福島県が公表したモニタリングポストの観測結果は、 ・観測データの絶対値がこれまでとかけ離れて高いこと ・1Fの1号機が空間放射線量の最大値を発生させたこと などの点から、これまでの分析に考慮されていない新事実であり 放射性物質の総放出量はさらに上方修正を余儀なくされるだろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.10.15 18:46:52
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