2005/08/07(日)22:57
戦い終わって日が暮れて
そもそも彼女とのケンカの原因はくだらないことである。
「堅実」(ほっと一息、水無月家の阿呆な家族たち)が所属しているブラスバンドのコンクールを見に行くことで揉めたのである。
「父さん、コンクール見に来る?」
と聞いてきたので「もちろん」と答えたのだ。
ボクは、中学時代ブラスでトランペットを担当していたのだ。
「堅実」はスネアドラム(小太鼓)である。
前から興味があって一度、演奏の様子を見たいと思っていたのだ。
だが、娘は来るなと言う。
「お前が来るかって聞いたからだろ」
「まさか来ると思っていなかったのよ」
あれよあれよと言う間にヒートである。
大バトルである。
家内が間に入っていなかったら、絶縁ものであったろう。
もっとも絶縁宣言されたのはボクの方だったろうが。
今日は、朝から「堅実」ブラスの練習である。
真ん中の「忍耐」も朝からサッカー練習である。
末っ子の「奔放」は午後からである。
ボクは昼前にゴソゴソと起き出して、家内を探した。
子供部屋のベッドで寝転んでいるのを発見した。
声を掛けようとして、ためらった。
寝転んでいたのは「堅実」だったからだ。
「練習と聞いていたが」とブツブツ言いながら、ゲームをやっている「奔放」に訊ねた。
「母ちゃん知らんか」
「あっちにいない?」
「いねえ」
「奔放」は子供部屋の方に向かった。
しばらくして戻ってくると「いるじゃんよ」と返された。
子供部屋に戻ってみると、ベッドにいたのは家内であった。
「なあんだ」
と思ったが、娘と後姿がそっくりな家内を見て動揺したのは、何故だったか。
夕方、子供達が帰ってきてからはいつもの我が家である。
夕飯を片付けたテーブルでは、3人の子供達が宿題をやったり音楽を聴いたり好きなことをやるのだ。
ボクと家内はサッカーの韓国戦である。
真ん中の「忍耐」と末っ子の「奔放」が宿題の絵を描いているところで、場所取りからケンカが始まった。
うるさいのでボクは注意するが、二人とも耳を貸さない。
そばで見ていた「堅実」も口を挟みだす。
いつもの夕食後の光景である。
ああ、やっぱり我が家はこうでなきゃ。