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若年性アルコール症の私は社会を良くしたい

若年性アルコール症の私は社会を良くしたい

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2009年01月16日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
カレは、起きているほとんどの時間、思考していない。
だから、周囲の動きに沿っている。
物事を考える習慣は、発病するずっと前からなかったらしい。
F江がこう言うのだそうだ「考えすぎはよくない」。
おそらくそうやって育ててきたのだろう。
F江は、考える事と悩む事の区別がついていないみたいなの。
悩むってのは、想念に振り回されているだけで、別に思考はしていない。
今、日本の社会がなんか恐ろしくなってきてるのは、
一人一人が、よく考えればわかる事をホッタラカシにしてきたからでしょ。
だらか、産まれてきた人がどんどん自殺する世の中になったわけでしょう?
つまり‘考えナイ事はよくない事’でしょう?
F江は、そういう事を考えたり理解する機能が
うまく発達しなかったのだろう。そしてそのまま母親になってしまった。

妖怪ちむぽは、本を一冊読みきった事もない。
発病する前から、統合失調的な個性だったのだろう。
そして、大事な事は、カレの父親であるT明もまた、全く本を読まないのだ。
カレが産まれてこのかた、父親が読書している姿を
一度も見た事がないのだそうだ。
F江が何かを読んでる姿はごくたまに見かけるらしいが、
彼等の家には本棚が無い。
T明は我が子が精神病を患ってるのに、
統合失調に関する本も全く読んでいない。
「この病気は家族の理解が重要なんだから、読んでやってくれよ」と
F江に頼まれても、「いいよ、そんなの」と怒るだけなのだと。
だから、たぶん、子供が癌になっても癌の勉強もしない。

どちらかと言えば、T明の方が統合失調の傾向は強い。
ある日、私が、体中ブヨにさされて、あちこち真っ赤に腫上がって
カレの実家に呼ばれた時、
T明は「わー、それどうしたんだい。そこにある薬、塗ったらいいよ」
と、床に転がっているチューブを差した。
私が塗ろうとしたら、F江が台所から大慌てで「それ、ちがう~!」と叫んだ。
その薬は水虫の薬だった・・・。
私はギョッとして、T明の顔を見てみた。
T明は、何の表情もしてなかった。
申し訳ないという表情も、恥ずかしいという表情も。
T明は、その騒ぎに何も感じてなかったし、何も考えていなかった。
F江は準看護士なので、
薬を誤って使用すると取り返しのつかない事になるのを知っていたのだろうし、
T明の無責任さを、第三者に身を持って知ってもらえた事に、嬉しそうだった。
「ほら!私の言う通りだったでしょ!こんな人、あんたも嫌でしょ!」
という心の声が伝わって来るようだった。





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最終更新日  2009年01月16日 15時02分48秒
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