カテゴリ:マンガ
先日、ホーリーランドの最終巻を読みました。
完結を迎える前から既に、 リアル系格闘技マンガの傑作であると評価はされていたので、 一体どんな終わり方をするのか気になっていたいた人は多いはず。 ![]() リアル系マンガでは、リアルであればあるほど「攻防」が地味になる、 という難しさがあるのですが、 このマンガはそのあたりをしっかり描写しています。 どういうことかというと、攻撃をくらった後、 フィクションやヒーローものでは主人公は当り前のように反撃に出ますが、 実際は最初に貰ったらほぼ終わりか、ケガをしてしまうということ。 つまり攻撃と反撃の繰り返しによって話を盛り上げていく、 という手法が使えないワケです。 これは作り手としてはツライ(はず)。 瀕死の窮地からの逆転、というのはドラマのセオリーですから。 実際、プロレスのアンチテーゼとして出発したUWFやパンクラス、 その他もろもろの格闘技系団体の試合は、玄人目にはともかく、 ハッキリ言ってつまらないものでした。 打撃にしろ関節技にしろ、入ったら終わり。 まあ、現実とはシビアなものですが。 そこを可能な限りリアルに、かつストーリー性を持たせて、 作品を作り上げた作者はさすがです。 このマンガの対極として、「範馬刃牙」というマンガがあります。 しかもこれまた傑作なのですが、 もー、これでもか!とばかり攻撃し、完全に死んだというダメージを負い、 そこから反撃し、さらにやられ、さらにさらに逆転したりします。 骨折しても平気で次の試合に出たり、 試合中に自分で自分を手術したり、 心臓を破壊されても生きてたり、 人間がコンクリートの壁をブチ破ったり、 岩を素手でツルツルの球に加工したり、 しまいにゃ音速を突破したりします。 ある意味マンガの利点を最高に引き出していて、 これは描いてて楽しいだろうなあ、と妙に感心したりします。 実は私はこの人の作品も好きで、 毎週このマンガだけは立ち読みしちゃいます(^_^; そんなマンガ的な手法を使わず、というか使えないリアル系のマンガ。 特にプロレスが衰退したあとの格闘技ブームで目の肥えた(?)ファンを相手に、 説得力のある格闘シーンを見せてくれたこのマンガ。 ラストの詳細をここでバラすわけにはいきませんが、 大袈裟でもなく、地味でもなく、良く言えばしっかりと、 悪く言えば無難にまとめた、という感じでしょうか。 マンガ好きも格闘技好きも、ぜひ読んで欲しい作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.06 21:50:48
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