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写真家・アラーキーの日常を描いたドキュメント『アラキメンタリ』を見た。監督はアメリカ人トラビス・クロス、まだ、若い人だ。
アラーキーは1940年生まれ、1990年奥さんを亡くしている。二人は電通の社員だった。彼女をモデルにした写真集を1000部つくり、一冊1000円で、彼女が電通の社員に売り歩いたという。 アラーキーは東京・三ノ輪の生まれ育った。下駄屋の息子だという。遊び場は墓場。その寺は吉原遊女の<投込寺>だった。無縁仏の塚があり、アラーキーは言う「彼女達の念がオレの体に刷り込まれている」 「人にアドヴァイスを求めるくらいなら写真家になるのはあきらめろ」天職であるという。天才アラーキーを自称する理由はこの突き動かされる<エロス>の力である。 「東京」という写真を見て、凄いと思った。東京は<死とエロス>の街であるという。江戸以来、大火があり、その灰(人間の屍骸も含めて)を沼地の埋め立てに使ってきた。関東大震災も東京大空襲もその流れである。 入谷・千束に仕事で行ったことがある。3丁目であった。4丁目は吉原。帰り、入谷から上野方面に歩いているつもりが反対方向に行っていて三ノ輪に出てしまったことがあった。私が生まれ育った大阪・西成に似ている。庶民の街である。 都市の持つ<ブラック・ホール>それに気づいてしまったアラーキーは奥さんとの二人三脚で駆け抜けた。 今までに写真集350冊以上を出しているという。 落語に「らくだ」という作品がある。<死人踊り>がテーマであるが、その<死人踊り>を生きながらにしている。 アラーキーは言うだろう。 「<死人踊り>なら、瀬戸内寂聴さんの方だ!」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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