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2017.04.28
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カテゴリ:ばくばく冒険小説
2017年に刊行されたばかりの恩田陸の中編集を読んだ。

〇ストーリー

日本から独立し,鎖国政策を取っている国・途鎖(とさ),そこは特殊な能力を持つ〈在色者〉が多く生まれる土地だった。そこで数名の若者が成人しようとしていた。軍勇司は医学部へ進み,葛城晃は法学部に進みつつ,〈イロ〉について独自の研究を進め,そして神山倖秀は自分の将来を決めかねていた。若者たちは様々な人と出会い,自分たちの進む道を選び取る。それは・・・

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直木賞受賞作品「蜜蜂と遠雷」をきっかけに始まったと思える恩田陸の新作刊行ラッシュに追いついた。「七月に流れる花」「八月は冷たい城」「失われた地図」を読み,ようやくこの「終りなき夜に生れつく」まで読むことが出来た。

「蜜蜂と遠雷」では,大長編を破綻なく完成させた構成力に驚いた。「七月・・」と「八月・・」は〈ミステリー・ランド〉向けの短い作品なので問題なくまとまっていた。だが「失われた地図」は見事に大風呂敷の物語が雲散霧消していて,「なんだ,これまで通りの恩田陸じゃないか?」と不思議な安心感を覚えた。

今回の作品は,ある作品のスピンオフだ。それは恩田陸作品でも結末のワケワカラン度合いが壮大で,途中までは大傑作の予感をさせていただけに,ひじょうに残念がられた「夜の底は柔らかな幻」という作品だ。

今回の中編集は,本編「夜の底は・・」の登場人物たちの若いころを描くというタイプのスピンオフとなっている。あの結末のその後が描かれなかったのは残念だが,それぞれのキャラが本編へとつながる流れが描かれていることを評価したい。

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緻密な世界観,魅力にあふれた登場人物,じわじわと迫る危機感,そして爆発的でオープンな結末,”これまで”の恩田陸の魅力を思い出しつつ,この中編集を読んだ。

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各編について簡単に感想を述べる。

「砂の夜」:軍勇司と須藤みつきは,アフリカ北部の紛争地帯で医療ボランティアをしていた。砂嵐の夜,ある村に足止めとなった医療チームは,村に現れた〈悪魔〉の姿を目の当たりにする。その正体とは?・・・みつき視点で軍勇司が描かれるが,本編の記憶が戻っていなくて,途鎖,〈在色者〉などの用語がなかなかピンと来なかった。最初は〈神原恵弥シリーズ〉と勘違いして読み進めていた。ディテールがきちんと書き込まれており,シリーズ関係なく成立する中編ではないかと思った。ルカスが〇〇の偽名だという説があるが,それはさすがに不自然では?

「夜のふたつの貌」:大学に進んだ軍勇司は,学生の中で浮いてしまったが,葛城晃という孤高の学生のことを知る。学業が厳しいために,学生の中にはクスリに手を出す者も出る。そして試験勉強の最中に事件は起きる。それを解決するために,勇司は葛城に助けを求めるのだが・・・この作品の中で一番静かで,好きな中編だ。軍勇司の視点で,大学時代の葛城晃が描かれる。あの男が,いい人に思えてくるから不思議。

「夜間飛行」:大学の最終年度に入ろうとしていた葛城晃は,途鎖国の秘密警察とも呼ばれる入国管理局からスカウトをされ,適性検査のキャンプに参加をする。執拗に葛城を狙う指導教官との攻防の中,彼は幼馴染の神山に再会する。そして・・・葛城が途鎖入国管理局に採用される過程が語られる。ようやく本編の記憶も戻りつつあり,管理局まではナルホドだったが,いきなりの神山登場に??状態になってしまった。ラストでは葛城視点で,神山が描かれる。全体的には訓練教官の厳しさに,葛城にシンパシーを感じてしまう流れとなっている。

「終りなき夜に生れつく」:契約記者の岩切は,反〈在色者〉団体所属者の連続殺人事件の容疑者と思える男・神山倖秀を調査する。だが監視していたはずの岩切は,いつの間にか・・・これまで通りの過去スピンオフではあるのだが,より本編につながる中編となっている。また語り手が初めて途鎖の〈在色者〉以外となっている。とは言え,語り手の岩切は神山に能力があることは知らないので,通常の人の〈在色者〉への気持ちなどは描かれずじまいだ。一瞬だけ,実邦が登場するが,まったくの別人だ。











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Last updated  2017.04.29 19:11:52
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