りぶらりだいあり

2020/08/16(日)22:00

「こいぬとこねこのおかしな話」ヨゼフ・チャペックを読んだ

わくわく児童文学(289)

カレル・チャペックの兄の連作短編集を読んだ。 〇ストーリー 町の近くの家に,こいぬとこねこは2匹で暮らしていた。2人のもとには,町の子供たちだけでなく,作家のチャペックさんも訪れる。2匹の暮らしは,ゆっくりとしていて,笑いに満ちている。 ーーーーーーーーー 最初の短編が一番シュールで,家を掃除するのに,こいぬをモップにしてあらい,こねこをぞうきんにして拭く,という状況だ。 かなりインパクトがあって好きな短編なのだが,それ以降はだいぶ常識的なキャラとなり,ご近所の子供たちを中心に遊んでいる。 絵本と絵物語の中間のような,ゆるい世界観で物語は展開する。気が良いこいぬと,しっかりもののこねこ,という紹介文もあるが,どちらかが相手を利用するということはなく,2匹ともとぼけた味わいを出している。 ーーーーーーーーー この本が一家に一冊あったという時代のチェコは,きっと平和だったのだろう。こいぬとこねこという出自の異なる2匹が仲良く暮らしていたのだから。 ーーーーーーーーー あとがきを読むと,ヨゼフとカレルの兄弟の作品が,岩波少年文庫で揃って刊行されたことは感慨深い。実際に図書館では,2人の作品が並んでいた。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る