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『30分限定ラジオ観光大使』読むアーカイブズ

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30分限定ラジオ観光大使

30分限定ラジオ観光大使

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76.3Mhz FMおたるで毎月第二・第四日曜日の午後5時から放送中の旅の情報番組『30分限定ラジオ観光大使』の過去放送分の原稿を現在の状況に合わせて再編集し、読むアーカイブズとしてランダムでピックアップして月1~2回分公開予定です。

最新の放送予告はFMおたるホームページ「ニュース&トピックス」にて放送日の前々日までにアップ致します。

番組へのメッセージはFMおたるホームページ内のメッセージフォームからお寄せください。


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2021.12.04
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カテゴリ:宗谷管内
※お知らせ※

2020年の本放送及び2021年の再編集版の放送ではお伝えしきれなかった部分を加えた増補版としてご紹介しますので、前編,後編として分けてご紹介します。

次の旅行のご予定はお決まりですか?

『30分限定ラジオ観光大使』
本日は“北緯45度の風が吹く町”、幌延町をご紹介致します。

こんばんは。
ラジオの中の観光大使、旅行愛好家の田邉邦昭です。



幌延町は宗谷管内の南西部に位置し、日本海に面しています。
町の名前の幌延とは、アイヌ語の「ポロ」「ヌプ」が転訛したもので、『大平原』を意味しており、広大な原野と山林を有しています。
特に町の西側にあるサロベツ原野が広大で、国内で3番目の広さ、低地における高層湿原としては最大を誇ります。
原野は北西側に接する豊富町に続いており、幌延町側は下サロベツ原野とも呼ばれています。

町内を北緯45度線が横断する形で通る事から、町のキャッチコピーは「北緯45度の風が吹く町」。
冬は特に季節風が強く、日本海側には南北3.1kmにも及ぶ風力発電所があります。
町の主な産業は酪農で、乳牛を中心にトナカイも飼育されています。

開拓の初期からしばらく畑作を軸にしておりましたが年間の平均気温は5度前後と低く、冷害をはじめとした気候変動により畑作経営は不安定だったことから第二次世界大戦後次第に牧草地、酪農へと変わっていきました。

そんな幌延町までの道のりですが、お勧めの列車は小樽駅を朝6時39分に出発する新千歳空港行きに乗り、札幌で7時30分発の特急宗谷稚内行きに乗り換えます。
札幌から出発の方も特急宗谷に乗りましょう。



幌延駅の到着は定刻11時45分です。
幌延駅の改札を出て前方右手には幌延町インフォメーションセンター「ホロカル」がありますので寄っていきましょう。



温かいコーヒーの販売や幌延町への移住相談を受け付けている他、左手には幌延町の日本酒やワインなどが置かれたお酒コーナーや町内にある飲食店の紹介コーナー,ほろのべ・サロベツの花に関するニュース,町の駅の写真などが飾られています。







右手には幌延町の特産品コーナーとしてトナカイの角の加工品やトナカイの缶詰,町内で取れた珪藻土を使った製品,ハチミツなどが並ぶ他、その横に棚を丸々一つ使っているのが交通系のグッズ。





幌延町を通る路線バス「沿岸バス」の萌えキャラグッズと、鉄道グッズが並んでいるのですが、よく見てみると札幌駅や小樽駅の大型キヨスクに並んでいるような鉄道車両のグッズではなくオリジナル色の強い鉄道グッズが並んでいます。
壁面には「秘境駅の里ほろのべ」と題された展示があります。



幌延町内には山奥や原野など人里離れた場所に存在する無人駅、「秘境駅」と呼ばれる駅が2020年12月現在6駅あり、その数は全国の自治体でナンバーワン(※残念ながら安牛と上幌延の2駅が2021年3月13日に行われたダイヤ改正で廃止されてしまい、2021年11月現在は通常駅の幌延,問寒別の2駅と糠南,雄信内,南幌延,下沼の4駅が残ります)。

この秘境駅を町おこしとした取り組みが行われており、秘境駅オリジナルのキャラクターを展開。
糠南駅の「ぬかにゃん」,南幌延駅の「ミナミほろりんさん」,雄信内駅の「のぷ爺」,下沼駅の「ぬまひきょん」をあしらった手作りグッズを販売しています。
手作りグッズにはミニタオルや耳かき,ボールペン,マウスパッド,携帯クリーナーなどがあります。

また、北海道が大好きな道外出身の学生が集まり、地域の観光、産業を盛り上げるために設立された団体が手掛けた北の駅訪問証という記念切符を模した品もあり、これらをお目当てに本州から来られるお客さんも度々いるそうですので是非合わせてご覧ください。



ホロカルの営業時間は午前9時から午後4時までで、昼の12時から12時50分まではお昼休み。
定休日は毎週木曜と年末年始です。

ホロカルを出たらお昼ご飯にしましょう。
ホロカルには町内のお店情報が掲示されていますが、その中からお勧めを一ヶ所ご紹介しましょう。

幌延駅を出て正面へ80mほど進み、最初に信号があるYの字型の交差点を左方向へ曲がり、



真っ直ぐ40mほど。



左手に屋根部分が深い青緑、2階がベージュ色、1階が石畳のような壁面、2階部分にビジネス旅館光栄荘、その下に喰い処 菜味季と書かれた看板が付いたお店、菜味季に入りましょう。



看板を見ても分かる通り、ここはビジネス旅館も合わせて運営しているお店で、出張で来られる方はもちろん、昼時に行くと地元客で賑わっていました。
店内は小上がりやカウンター席があり、キープされたボトルが沢山並ぶ様子からも地元民から愛されているお店だとよく分かりました。
メニューは定食類が充実している他、丼ものや麺類も豊富。
幌延特産メニューもあり、トナカイや合鴨を使った品があります。
トナカイ肉は大和煮と味噌煮,トナカイ玉子とじ,トナカイ丼,トナカイソーセージカレーなどがあり、合鴨は合鴨なべ,合鴨冷しゃぶサラダ,合鴨ハムなどがあり、私はトナカイ丼を食べてみました。



トナカイ丼は甘辛い味付けのトナカイの大和煮にシャキシャキの玉ねぎ,カマボコ,椎茸,筍を卵で閉じ、海苔をまぶしたもので、丼が大きめでボリューミー。
味噌汁に箸休めの漬物が丁度良く、幌延町産のトナカイ肉だけでなく、お米や玉ねぎ,筍,カマボコ,卵も北海道産を使用しているそうです。
トナカイの大和煮,味噌煮はそれぞれお土産に缶詰の販売も行っています。
喰い処 菜味季の営業時間は午前11時30分から午後2時までと午後5時30分から11時までで、定休日は年末年始です。
お問い合わせは電話:01632-5-1266 喰い処 菜味季 までお願いします。

食事を終えたら幌延町ゆかりの人物で従五位に叙せられた書道家、金田心象(かねだ しんしょう)の書を展示している美術館に行ってみましょう。

喰い処 菜味季を背に左方向へ90mほど進み、最初の十字路で右折。



40mほど先の十字路で左折し、



およそ450m進むと前方左手に黒い三角屋根が連なった建物、金田心象書道美術館、通称心象館があります。



金田心象は1907年生まれで幌延町出身の書家。
師範学校を卒業し、習字科の教員としての採用試験に合格したのち、書の道を志して文化功労者で書家の鈴木翠軒(すいけん)に師事。
習字科での教員生活を経て1943年に文部省に入省。
文部省では百冊以上の検定教科書を著作し、学習指導要領の編纂に携わるなどの他、賞状や式辞などを毛筆で書く作業を担当しました。
書家としては個展を開いたり出品する側に立つだけでなく、数々の審査員や評議員,日展の理事や参事、常任理事などの役職を務め、1983年には書で大成し、勲章の勲四等旭日小綬章を受章。
1990年に亡くなった後に従五位に叙されました。

心象館は金田心象の晩年、ふるさと創生事業として1989年に着工、1990年5月に開館し、金田心象の書作品およそ1,700点をはじめ、硯や筆、陶器類をおよそ400点収蔵しています。
館内に入って右手で受付を済ませ、1階の展示室は半面が吹き抜けで広々とした空間に躍動感を強く感じさせる大小様々な書が展示してあり、お勧めは最初は書だけでの鑑賞。
次に受付で頂く目録と照らし合わせての鑑賞。
筆順を考えながら見ていくと筆を付いていない場所をどのように動かしたかが想像出来、表現方法の豊かさと合わせて二度楽しむ事が出来ますよ。
2階は1階にある展示よりも小さな書に加え、愛蔵品の展示。
日本美術展覧会、通称日展での最優秀の賞状を始めとした賞状類、和室の再現などかあります。
作品に関してもっと詳しく知りたいという方は職員の方に申し出てVTRコーナーを見ていくと良いでしょう。
また、大きさや展示場所の都合などもあり、館内で展示される作品は収蔵作品の極一部のため、展示作品以外を含め、モニターで作品を見る事が出来ます。
モニターで鑑賞出来る作品は4つのデータに分けられ、1つのデータにつき所要時間およそ30分です。
こちらも観覧希望の際は職員の方に申し出ましょう。
1階に戻って階段を境に展示室と反対側のロビーホールからは前面がガラス張りで外に芝生の広場が見えます。
喫茶利用が出来ますので少しくつろいでいっても良いでしょう。

心象館の観覧料は小学生から高校生まで150円、一般300円です。
開館時間は午前10時から午後4時までで、休館日は月曜と祝日、年末年始で5月3日から5日は臨時開館します。
その他、例年4月に展示替えによる臨時休館日が設けられます。
お問い合わせは電話:01632-5-2720 金田心象書道美術館 までお願いします。

心象館を出たら幌延町の歴史に触れてみましょう。
心象館の建物を背に左手前方、とき色の壁面の2階建ての建物、幌延町農村環境改善センターに行きましょう。



外からよく見ると渡り廊下の部分に幌延町郷土資料館と書かれており、平日のみの開館ですが無料で見学が出来ますので日程が合えば見ていきましょう。
まずは農村環境改善センターの出入口から入ってインターホンを押し、郷土資料館の見学希望である旨を伝えます。

スリッパに履き替え、受付を済ませて見学します。
廊下に出て左側が郷土資料館で、その手前側すぐに大きなオジロワシやオオワシの剥製があります。
館内は順路案内は記されていませんでしたが、反時計回りに見ていくと内容が分かりやすいです。

出入口から入って正面の部屋は大地の詩(うた)と名付けられ、サロベツ原野のジオラマがあり、本来ですと背面のモニターと照明を利用して映像を含めた演出を見る事が出来るようですが、残念ながら2020年10月末にお邪魔した際は故障中でした。
入って右手手前の壁面には「ほろのべの歩み」と題された年表があり、よく見ると通り一遍な年表ではなく町内の歴史が結構細かく載っています。
年表は郷土資料館がオープンする1988年までのものですが、例えば1951年に消防自動車が導入されただとか、1985年に幌延中学校にパソコンが導入されたといった具合で、この二つの出来事だけピックアップしても防災に関しては進みがあまり早くなかったのに対して教育面では先進的だった事がうかがえ、興味深い資料です。
年表を背に右手に進むと主展示室とその右手の扉の向こうに細長い通路状に収蔵展示室と分かれています。
主展示室側から見ていくと先史時代の事から始まり、パネル展示と土器をはじめとした出土品。目を引くのが縦長に展示された土の実物。
これはサロベツ泥炭地の泥炭層をハギトリ加工したもので、解説と見比べる事をお勧めします。
横には泥炭地を含め、幌延町の地質についての解説に続きます。
その先は生活に関する展示。

パネル展示を見て割と珍しいと感じたのが教育。
この町の学校教育の始まりは明治の頃、法華宗農場の私学校開設によるものだったそうで、遠軽町がクリスチャンによる開拓だったのに対し、こちらは仏教徒だったのでしょうか?
展示の中に様々なヒントがありますので、気になった方は是非展示を確認してみてください。
突き当りから右手は収蔵展示室の先程とは反対側の出入口、主展示室は左手に続きます。
収蔵展示室は教育資料や生活関係の道具類が棚にずらりと並べられています。
主展示室の続きを見ると、館内一番奥には明治38年に問寒別に入植した人達の開墾の様子が音声付きで再現された原寸大ジオラマがあり、当時の服装や苦労、夢が語られています。
ジオラマの反対側は幌延の野生動物の展示があります。
先に進むと昔の農業・漁業・林業・鉱工業などの道具類やパネル展示などがあり、その先に多数の樹木カットサンプルが並び、出入口に戻ります。

幌延町郷土資料館の入館料は無料。
開館時間は午前8時30分から午後5時までで、休館日は土日祝日と12月30日から翌年1月5日までです。
お問い合わせは電話:01632-5-2977
幌延町農村環境改善センター内郷土資料館 までお願いします。

郷土資料館を出たら、1日目は宿に向かいましょう。

幌延町の宿泊施設に関しては​幌延町オフィシャルウェブサイトのトップページ​から「まちの観光」を開き、下の方へスクロールしていくとある宿泊施設一覧とそれぞれの詳細へのリンクをご参照ください。
駅へ戻るにはもと来た道を戻れば良いので、心象館を背にする形で進み、最初の十字路を右折、次の十字路で左折。直進してYの字型の交差点を右方向へ進めば幌延駅に着きます。
宿への道順はそれぞれの宿泊施設にご確認ください。









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Last updated  2021.12.04 00:21:15


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