Over the Rainbow ―るうのつぶやき―

2015/05/25(月)02:42

大英博物館展

カルチャー(25)

5月17日、東京都美術館で開催中の大英博物館展に行ってきました。 90年代、毎年、英国へ行っていましたが、その都度必ず大英博物館に行ってました。 宿は大英博物館に近い、歩いても行けるところにとり、通ったものです。 「ロンドンに飽きた者は、人生に飽きた者だ。」と、かの有名なジョンソン博士が言っていましたが、本当にその通りです。 英国には数多くの美術館、博物館がありますが、その中でも最大、最高の博物館が大英博物館です。 七つの海に植民地があると言われた大英帝国は、その力に物を言わせて世界中から収集品を集めてきました。 ロゼッタストーンも、ミイラも全部エジプトではなく英国にあります。 世界四大文明の中でも最古のメソポタミア文明の遺産も、入り口付近にどど~んと飾られています。 パルテノン神殿の彫刻もあります。 ギリシャは返還を求めていますが、大英側はこれに応じてはいません。もちろん、「略奪した」のではなく、エルギン伯が  「オスマン帝国の了承を得て持ち帰り、のちに、大英博物館に売却した」  ものなのですが...。  今回の展覧会は、「世界中から持ってきた、人類の文明が作り出したモノたち」  を展示しているので、四大文明時代のものもあるのですが、ついつい、 これらがあったところはどうなってしまったのだろうと思います。 カンボジアあたりの  「仏頭」  も展示してありました。 じゃあ、 「胴体」  はどうなっているんだ? と思ってしまいました。  なぜか、   どういうわけか、 展示物のあった国は戦乱が起こっていたり、国力が低下しているところが多いのです。  ギリシャもエジプトも、博物館の展示物の返還を請求していますが、 じゃあ、これらを返還したとして、我が国で行われているのと同じ水準で貴重な展示物を保護していけるのか? と言われると、何も言えないでしょう。 財政破綻しているギリシャ「アラブの春」と言われながらいまだ不安定な政権のエジプトメソポタミア文明の発祥の地は、現在、イラクです。 難しいところです。  動物園と似ているかな、とも感じました。 開園当初こそ  「珍しい動物を見世物にする」  でしたが、 現在は 「自然のままでは絶滅してしまうであろう種の保存のために 」という目的のために運営されているところが増えています。          見世物の時代  植民地文化が最高潮に達した19世紀末、ロンドン動物園やキュー植物園に人々は押しかけ、万博が開催され、産業革命以降全国に敷き詰められた鉄道網を使って楽に移動をすることができるようになった人々は、さらなる珍奇なものを求めた。 識字率の上昇により、知的好奇心を持つ人々がまだ見ぬ東洋の地に関心を抱き、19世紀末、ジャポニスムが流行...。 そう、日本からも大量の文物が流出していった...。  あんなことやこんなことを考えながら、圧倒的な力で持って世界中からものを集めてきた英国のことを思いました。  植民地を築き上げ、今なお続くアフリカやパレスチナの紛争の原因を作り、それでいて、「世界の警察」を名乗るアメリカが嫌われるようには、なぜか嫌われない英国。 人々は王室や伝統文化に敬意を払い、英国による植民地支配は巧みに見逃されていく...。  同じことを行ったとしてもほかの国ではそうはいかない。 学生時代からこんなことを考えて友人たちとも議論したものですが、良くも悪くも、英国の底力、懐の深さを感じさせる展示だな、と感じました。  ※すみません。眠くなったので言いたいことを十分書いているわけではありません。おやすみなさい。      

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る