陳氏太極拳、と、そんな生活

2007/07/01(日)15:10

技術を習う事4

太極拳(454)

太極拳の歴史は長いです。 現在、伝人としてホームページを準備中ですが、私は ホームページで技術的な事はあまり書きません。 自分がイロイロな他の可能性を諦め、自分の生活を 掛けてきた技術をタダで、しかも不特定多数の人に 見せる事は出来ませんし、それは伝人の決まりに反して います。 ただ、世に広める事を目的に・・・・として、誤った 知識がまかり通っている事に対しては、少しずつ解説は します。 例えばです。 太極拳は明朝の末期 当時の16大名門武芸を抽出した 威継光32式と通背拳、黄庭経等の養生法、孫氏兵法、 道教の思想等を合わせ生み出されました。 当時の套路は全部で10有りました。詳しくは割愛します。 ハッキリと書けます。太極拳には元々、気功鍛錬が入って いるのです。 その後、陳家以外の人が太極拳を学ぶようになり、陳氏以外を 名乗る太極拳が世に出始めました。 最大勢力が楊氏太極拳です。 1950年代、政府の要請により誰にでも出来る体操として 24式をはじめとする現代の太極拳が出てきたわけです。 誰でも手軽に出来る太極拳・・・・・ でも、太極拳の練習と、気功や準備体操もしないといけない・・・ 楊氏太極拳を興した楊露禅さんでさえ、30年の日々を掛けて 学んだ太極拳です。おそらく、外部の人間なのでタイヘンだった と思います。 それが、現代ではV-CDで学べる?テレビ講座? 短期集中レッスン??? それを教えている人はどんな人なのでしょう? その人も短い時間で手軽に学んだ人なのでしょうか? それとも、体育学校で授業の一環として学んだセンセイなのでしょうか? それとも、公園でミンナで憶えたのでしょうか? 私が良く言われるのが、 “まあ、太極拳だったら、是くらいの講座料だね” その金額ではまともな先生は来ません。どうせなら V-CD買って練習した方が良いですよ。 “私も太極拳ができますよ” ピアノの先生や英語の先生の前で同じ事を言えますか? “太極拳は内家拳です長い年月を掛けないと効果が発現しません  君は若いのでもっと練習しないといけない” 貴方の一日の練習時間は? それから練習内用が伴わなければ時間の浪費です。 陳家溝出身、もしくは本格的な太極拳家はそれこそ、暇さえあれば 練習しています。生活の一部です。別に誰かを倒す為では無いです。 文化なのです。 何故、簡単手軽に全てを学べると勘違いしてしまうのか、わかりません。 ついでに、わずかな時間で奥義を学んだと宣伝する人もどうかと思います。 簡単手軽な方が本格派だと言う風潮なのでしょうか? 武術家も音楽かもビジネスマンではないので、人がいい場合、食い物に される可能性があります。だから、決め事があります。 ところが、今も昔も、手軽が世の中の大半を占めると、その価値と意味が 逆転します。教える方は自分の心血注いだ技術を伝えるのに、習う側は “お金を出して習ってやるんだ” “他の先生はもっと安いよ” ・・・・・・どういう風に説明すれば良いのか、カナリ困ります。 例えば、授業料は 出す側に  お金の価値分ガンバッテ勉強するぞ!! 受け側に  お金を貰った、責任が発生した。その分シッカリ教えるぞ!! と言う意味合いでしかなく、そこに互いの尊敬や尊重が無いと沢山の 意味を伝え合う事は難しいのです。 中国は確かに安いですが、本物のサービスや価値のある物はベラボウに高いです。 それでも、芸事の世界で良心的な先生は多くを求めません。 それでも、最近では“もっと安く”を要求されます。 例えば、中国のサービスや加工でも同様です。 高度の技術と安定した品質であれば、設備、管理、工員、全てのレベルに対し コストが掛かります。結局、海外のリスクとして日本より高くなる可能性が あります。 だいたい、何かの仕事をするにしても通訳と文化の差異がでますし。 習い事の場合、+通訳が発生すると、とんでもなくコストが掛かるはずです。   習いたい側の言い値に合わせる=品質の劣化 です。工業や売買の場合、組織のフィルターを通す事で回避若しくは ある程度防ぐ事が可能ですが、個人の場合、最後まで分からず、        ああああ、安くて得したっ!!!!! に、なってしまいます。特にこの国は玉石混交。気をつけるべきです。 仕事も習い事も。

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