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マンガ評論、というか ぶっちゃけ面白読書体験記です。
1996クレスト社.その後、集英社で文庫化。 横森さんは、1963年生まれ、小説、エッセイなどで活躍。 語り口が爆笑もの。少女マンガは結局 麻薬だーという 怖いお話。 が、一方で、 少女ンマンガっていいですねー、を繰り返す、中毒者の貴重な証言(笑) 黄金期の少女マンガは少女の大甘な夢をすべて満たしてくれる日本で最初のエンターテイメントであり、「脳みそがクサッた女をつくるには‘黄金のタレ‘だった。 その作品的クオリティの高さから たんなる子供だましに収まらず。私たちの精神構造や性格形成にまで、加担してしまったのである。」 こんはずではナ現実に苦しむ原因は、マンガが刷り込んだ、こうなるはず願望だったとか。たとえば、 いつか白馬の王子様が(キャンディ・キャンディ」 のウイリアム大伯父様) 足長おじさんが、(「ガラスの仮面」 の速水社長)あらわれるはず願望とか。 「自分には出会うチャンスがないだけで、この広い世の中のどこかには、ああゆうのいそーな気が・・・。ためしにキャンディのかっこして、どっかの丘の上で泣いてみるか?」(引用者注、執筆時著者33才(爆) 著者は、少女期、 ジェンダー忌避、自らの女性性拒否症として、例によって、 美少年マンガ、萩尾望都、大島弓子コースにはまったこともあるそう。(竹宮、山岸は当時はナマナマしすぎて だめだったが 読みかえすと へっへっ なそうです(笑)) やっぱ。大島の「バナブレッドのプディング」などは 当時の心境そのものとか。今読んでも 「汚れちまった自分や、俗世を忘れてほっとできるような、ヒーリング効果がある」そうな。やっぱ当時も今も、というのが名作なんでしょうね。 ロックだと 映画「ロッキー・ホラーショー」、デビット・ボウイ、デヴィット・シルヴィアンに嵌った。「アラベスク」「SWAN][エロイカより愛をこめて」のキャラみたいなのが 生身でいるのだからたまらなかったそうだ。 今では その後、一時は経験した現実の恋愛よりも やっぱり なにに感動するかといえば 「友情とか、人間愛とか、肉親の情とか、セクシュアリティを越えた人と人との絆 とか、動物の律儀さ(あ、「綿の国星」ね)とか、生きていくことそのものとか、そういうものになってしまう。」 「美少年マンガファンは、どうしてもキャリア志向になってしまうのだ。なぜなら、美少年に感情移入するあまり、オトコ性のプラス・イメージをいきてしまうからである。」 結果、横森さん、ふつうの主婦にはなれなかったようですが、 セクシュアリティを越えた人と人との絆って、いいんじゃないですかね。 横森さんが、少女当時、忌避していたが、読み返すと おもろい名作もいろいろ バランスよくとりあげられている。 「ベルバラ」「ハイティーン・ブギ」「希林館通り」「デザイナー」「アリエスの恋」「グリーンハウスはどこですか」「いつもポケットにショパン」など。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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