Let's Play The Saxophone!改訂版2テンポ(いつ音を出すの?)から倍音で音階
これから譜面を演奏するにあたってリズムとテンポはついて回りますので簡単に説明しておきます。テンポはそのまま演奏の「速さ」です。メトロノームの音はテンポをきざみます。リズムは一般的に「この曲のリズムは何ですか?」「それはワルツです」とか「フォービートです」いうものでその他にもいろいろあります。また、曲の部分の音列のかたまりを指して言う場合もあります。ここでは「曲のリズム」にとどめます。ここで問題になるのはそのリズム(曲)はいつ始まるのかです。指揮者の指揮ではどこを見て演奏したらいいのか?指揮棒の音の起点はどこか?指揮者はタクトを大きく振ったり、小さく振ったり、グニャグニャ振ったりしますが下の図のように上下に振った軌跡は大体 V(ヴイ)字になります。そして、大きくても小さくてもグニャグニャでも変わらない一点があります。それが V(ヴイ)字の振り下ろされて切り返す点です。そこが音を出す起点です。オーケストラの動画などを見て観察してみてください。足でテンポをとる時も同じようなことが言えます。が、これは人によって癖があるので多少違いがあります。合奏をする時はこれが大事です。合わせるための基準になるからです。バンドでよく「リズム(テンポ)が合わないよ」って聞きますが、共通の音を出すタイミングがないからです。音を出す起点の基準が決まっていないからだと思います。手を振って「合わせて」と言っても「その手のどこに合わせるの?」ってなってしまうわけです。音を聞いて合わせてといっても、それぞれのテンポの取り方が違うので瞬間的に会う時もあるけれど音を出すタイミング(基準)が違うので次第にずれてしまうわけです。メトロノームの音は「速さ」をきざみますが、その音は足が地に着いた瞬間を起点にすることを習慣にする事をお勧めします。即ち、タクトと同じ考え方です。この場合地に着いた状態から始めるのではなく持ち上げた状態から始めて地に着いた瞬間から音を出します。即ち、アウフ・タクトから始まることになります。ここで必要になるのが予備カウントです。4拍子だと「サン」「シー」→「1」という具合に「1」の前に予備が入ります。これは「シー」だけだったり、人によっていろいろあります。このことを「リズムは裏から始まる」と言ったりします。ちょっとわかりにくいですが・・・!半拍ぐらいを感じてから「1」になるわけです。A音からサイドキーのD・E・Fまでのそれぞれの音の跳躍を練習します。タンギングは「ター」と「カー」で行います。オクターブ上がる時は「カー」です。タンギングの要領!音が跳躍する時、タンギングの「カー」の時。タンギングの瞬間は「喉が開いて、下唇が下がります」この時、意識的に顎が引かれるのが自然です。そのつもりでもリードが押さえられてしまって息が入らない事があります。これはリードに圧力がかかったと考えられます。唇が思ったほど下がってないためかもしれません。この時は強制的に上下の唇が開くようなことを考えます。即ち、意識的に顎を引くのではなく、ほんの少し前に出します。するとマウスピースの傾斜に沿って唇が開きます。これはほんの少しと言っていますがちょっと前に押す程度で固定している上の歯がずれるほどではありません。リードの厚いほうにずれる形になるのでその厚さで唇の圧力に耐えられます。これでリードの振動は抑えられることがないようになると思います。ここまでくると教則本のロングトーンやスケールは簡単になると思います。ここまでの練習で一つ注意点です。運指です!!運指は音を出さないときでも練習できるので完全に意識しないでも動くようにして下さい。運指が覚えられていないと指に力が入るし体中のあちこちに力が伝播して緊張感になってしまいます。これまでで倍音による演奏法の方法の基本はほぼ終わりです。ここでは基準の音程について説明します。基準の音程とは「440サイクル」はチューニングメーターで表示される全体の基準です。このように薄いリードで演奏するとマウスピースの抜き差しでで調整できなくなります。この場合はチューニングメーターの基準音程を「339」とか「337」というようにセッティングをし直しします。音程は常に低いほうに合わせていくようにします。基準値を下げても相対音程は変わらないのですから。この運指の「A」「B」「C」の1オクターブ上の跳躍は出にくいと思います。要領としては思い切ってアンブシュアをゆるめて、息の圧力を強くします。息を吐く寸前に喉で止めてから一気に吐き出すようにすると出やすいようです。次は安定的な息の圧力の維持を考えます。オクターブキーを使わずに繰り返した後オクターブキーを使って行ってみてください。今回のまとめとしてオクターブキーを使わずにスケールをスラーで行います。最初の音だけタンギングをします。「た・TA」または「カ・ka」で始めます。フレーズの始まりが静かな時とハッキリとしたアクセントが欲しい場合がありますから両方をやってみてください。息の圧力と喉がしっかりと開いていることを意識して行ってください。 これまでは旋律的な動きがありませんでしたがここでは大きく上下に起伏するスケールをオクターブキーを使わないで行います。息の圧力をある程度の強さに保たなければ音が出ない場合があります。一区切りのスケールはなるべく一息で行ってください。感覚がつかめたらオクターブキーを使って同じように行います。下に確認の運指表を表示します。これまでオクターブキーを使わない演奏法を行ってきましたがうまくいっているでしょうか?ここではこれまでの振り返りとうまくいっていないかもしれない箇所などを考えてみます。まずはマウスピースです。マウスピースはセルマーですと「Cのワンスター☆」が付いていると思いますがこれで十分です。空きの広いものやメタルやカットの違うものを使ってその時だけ良くてもそれは演奏方法が身についたわけではないのですから。次はリードです。リードは弾力がある薄いものリコーやバンドレンの「2」です。薄くても弾力の強いものです。腰があるものという言い方もします。どれが良いかは見た目では分かりませんので3枚以上のリードを用意して実際に音を出し、息が抵抗なく入るもので音が出やすいものを使います。これは数枚の内に一枚しかありません。良いものだけを使います。使い続けて息を吹き込むときにマウスピースにくっついてしまうような感じになったらリードカッターで0,5ミリぐらい切って使い続けます。厚くなったら終わりですが慣れてきたら厚くなった部分を800番ぐらいの紙やすりを使って裏側から削って使います。良いリードはなかなかありませんし一枚当たりの値段は相当高いものになりますから丁寧に使います。リードが柔らかすぎる場合はリードカッターで0,5mm位づつ切って使います。今回はリードが厚すぎる場合です。耐水ペーパーの1000番を使っています。リードは根元の固定する部分と振動させる部分とその間の傾斜の部分で構成されています。耐水ペーパーとリードを水で濡らしてから底面を削ります。リード全体を耐水ペーパーに当てて削るとリードの先が削れ過ぎてしまうので固定部分を削ってからリードの先を削ります。傾斜部分はリード全体の弾力に大きく影響しますので必要な場合だけ削ります。傾斜部分はとがった半月の形になっているのでこの形を崩さないように半月の両端から先端に向かって少しずつ削ります。どの場合もその都度マウスピースにつけて音を確認しながら行います。ここからは実際の教則本の楽譜に当てはめて実践的な倍音を使った練習を考えてみます。最後は呼吸です。音が連続する時に圧力は安定的であるか?音が大きく変化するとき(跳躍する)喉が開いて腹筋で呼吸の圧力を上げることができているか?また運指とのタイミングは合っているか?リードの振動の感覚を忘れてないか?左下のアンブシュア「A」で確認して下さい。破裂音のような音が出ますがこれがリードが振動するということでリードの振動の最大値です。これをコントロールしてきたわけです。 これらがうまくいっているかどうかを確かめてみましょう。呼吸のコントロールとアンブシュア、タンギングです。オクターブキーを使わないで1オクターブ上の音を出すことは第二倍音を出したということです。喉の開きと音程が高くなるほど瞬間的な息の圧力も高くなることを確認して下さい。倍音を出す瞬間は強い圧力が必要ですがそれ以後の持続にはある程度の圧力の持続で音は維持されます。「タ」と「カ」のタンギングは最終的にはダブルタンギングになります。以下の倍音とダブルタンギングをやってみましょう。倍音は一音ずつ確認しながらで16分音符の「GABC」は初めはゆっくりで徐々に速くしていきます。喉が閉まったり唇のリードへの圧力が大きいとうまくいきません。音域が上にいくほど顕著です。教則本ではダブルタンギングはずっと後であると思いますが方法を覚えれば後は音域と速さです。前回と同様にオクターブキーを使わない運指で連続する3度・4度・5度を演奏します。参考運指表です。Cmaj(C長調)Dm(D短調)Em(E短調)Fmaj(F長調)の分散和音4度と5度の音程が交互に混ざった音階音程が上がるにつれてアンブシュアをゆるめながら呼吸の圧力を上げていき、音程が下がる時は呼吸の圧力を維持しながらアンブシュアをゆるめていきます。音程が上がる時、圧力が足りないと音程が上がりきらない場合があります。アンブシュアに頼ると音程が上がりすぎになりリードの振動が抑えられます。音程が下がる時はアンブシュアがゆるまないと音程が下がりきらない場合があります。次は6度とオクターブ音程です。今回は6度と1オクターブの音程を行います。すでに十分な練習を重ねていると思いますのでここでは実践的な方法で行います楽曲「Over The Rainbow」の前半8小節を使って行います。曲の中に1オクターブと6度の音程の箇所があるのでそれを意識してこれまでと同様にオクターブキーを使わないで演奏した後にオクターブキーを使って演奏します。呼吸の圧力の瞬発力と持続を感じて下さい。速度は♩=80程度でスラーごとに一息で演奏してください。譜面の読む方法として演奏している次の小節を見ることを心がけてください。今、演奏している小節にかじりついていると次の小節に移った時はタイミングが遅れることになります。これになれることで初見の曲も演奏しやすくなります。教則本で実際に試すと良くわかります。 長い音にはビブラートをつけます。ビブラートは唇を十分にゆるめ瞬間的に腹筋で呼吸に圧力をかけます。圧力で唇はその圧力に耐えようと微妙にゆるみ、圧力を弱くすると元に戻ろうとします。これを素早く繰り返すと音が揺れます。説明では難しいですが試してください。注意点としては唇のマウスピースへの圧力(締めつけ)だけでやろうとしないで下さい。最終的に慣れるとそのようになりますが今はそれでアンブシュアが壊れてしまうことが心配です。まずは腹筋で呼吸の強弱を意識して下さい。 楽曲のキーは「A」と「B♭」です。コンサートキーはアルトサックスでは「Cmaj」「C#maj」テナーサックスでは「Gmaj」と「A♭maj」です。「m」はマイナー(短調)「maj」はメジャー(長調)新しく使う運指を参考に表示します。これまでで音程と音色を安定的に維持するためには「呼吸の速度や圧力の強弱」をその旋律に沿って変化させていかなければならないことが理解いただけたでしょうか?音程が高くなるにつれてリードの振動は増し、音量が大きくなるにつれ息の量が増していきます。これらは息がもれない程度に緩い唇への圧力や呼吸の速度や圧力の強弱でなされます。これまででまだ唇(アンブシュア)にどうしても圧力がかかってリードを押さえてしまう場合の一つの練習を紹介します。その前に耳にタコですがこれを確認して下さい。何回か提案しましたがリードは薄いものを使ってください。倍音(オバートーン)やフラジオ音はちょっとリードが厚いほうが出易いとか出しやすいということはよく聞きますがリードが厚いということはそれだけ振動しにくいということで無理をしてよいことはありません。リードは腰が強いもの(弾力の強いもの)を選んでください。腰の強さをごまかすために厚いリードを使うのは危険です。何枚も試して息が入りやすく振動がしやすいものを選んでください。これは経験しかありません。結果、リード一枚は高価なものになります。「初めてのサックス演奏10」でオクターブキーを押さえながら音程をオクターブ上下させる方法の別バージョンです。唇(アンブシュア)思い切ってゆるめます。ゆるめる為だけの練習なので音程は気にせずに!次はオクターブキーを使わないでアルペジオを演奏します。「C」「F」「G」のメジャーです。メジャーのサウンドだということを意識の隅においてください。最初はゆっくりのテンポで。素早い呼吸のコントロールです。音程が上がるにつれて息の速度を上げます、最低音に戻った時、唇が締まったままですと音程が下がりきらないので注意。「Dm」「Em」「Am」のマイナーです。マイナーーのサウンドだということを意識の隅においてください。ジャズランキング吹奏楽ランキングBEST BRASS e-SAX ベストブラス イーサックス テナーサックス用 ES2-TS 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