2020/09/28(月)01:11
『 幾たびも初心に還れ返り花 』一休さん「森女游泳」575yxp1601
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幾たびも初心に還れ返り花
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先にも書きましたが、森公との運命的な巡り会いは、これがはじめてではなく以前にも知り合っていて、昨年は薪村で会って、親しくもなっていたのでした。★★★ 青のくさみ「森女」遊泳0702『 魅せられしはだかの魂虫しぐれ 』w12s0731「0691」 へどうぞ!!! ★★★
同じことを二度書くほどに、一休さんにとって森女さんがそんなにも大切な存在になっていたのでしょう。釈迦も達磨も奴にしたほどの、突き抜けてしまった一休さんがまだ知らない、想像したこともなかった生身の人間が、目の前に現れたのです。
それがこの目の見えない、美しい、若い女性だったのです。
幾たびも初心に還れ帰り花 仁
機に会えばまた花も咲くらん
森女さんのことは一休さんの詩の中にしか書かれていません。その出生も、人と形も分からないままです。 ただ記録に残されているのは、真珠庵で発見された、一休十三回忌の香典帳に名を連ね、銀何貫目かを寄進したあかしがある位の数個です。水上勉さんは『一休を歩く』で書いています。 ≪ いったい、その森侍者とはどういう人だったのだろうか。盲目だったことはわかるが、果たして、旅芸人だったのか。これはのちに一休寺で発見された、弟子の祖心紹越の手紙からの想像だけれど、森侍者は小袖を売って一休の塔所建築に心も金もつくしている様子だし、またのちに真珠庵で発見された、一休十三回忌の香典帳に名を連ね、銀何貫目かを寄進したあかしがある。それゆえ森侍者には一休の死語十二年目に金子を寄進できるちからがあり、また一休の死の数年前には、慈揚塔(墓)をつくるのに衣類を売っていることなどから、当時、街頭にあらわれて物乞いのような芸人ぐらしをしていた盲女といった印象とは、いくらかずれることになる。年齢も三十五、六でないと香典帳の年次に符号しないし、由緒ある家の出であったろうことも想像されてくると、この当時、住吉あたりを流浪していた盲女の正体は謎というしかないことになる。そこで、ぼくの住吉大社詣では、これで数回目であるが森女の正体については住吉へくるたびに興味をふかめないではおれないのだった。≫ 。。。集英社文庫p191 緻密な研究家で推理小説も書く水上さんが謎解きできないくらいですから、凡愚老仁には謎解きは無縁です。だから、真偽是非とは関係ない次元で、言葉遊びとして、森女さんと一休さんの出会いも、遊ばせてもらいます。
マグダラのマリアかすずし森女の絵 仁
かかる女人に寄り添う人か
★ 仁訳森女0692w01『 憶昔薪園居住時 』12t0623
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憶昔薪園居住時 玉孫美誉聴相思 多年旧約即忘後
更愛玉階新月姿 右余寓薪園小舎有年 森侍者聞余風彩
已有饗慕之志 余亦知焉 然因楯至今
辛卯之春 邂逅于墨吉 問以素志
即諾而応 因作小詩述之 謝森公深恩之願書
――★♪♪★―――――――――――――★♪♪★―― 憶えば昔、薪園に居住せし時、
玉孫の美誉、相思を聴く。
多年の旧約、即ち忘ぜし後、
更に愛す、玉階、新月の姿。
右は、余、薪園の小舎に寓して年有り。森侍者、余の風彩を聞き、已に饗慕の志有り。余また知る。然しながら因楯して今に至る。辛卯の春、墨吉に邂逅して、以って素志を問えば、即ち諾して応ず。因って小詩を作って之を述べる。 【 仁 自遊訳 】 思えば昔ね、ぼくが薪村に住んでいた頃、
ぼくが皇孫であることや誉れ高い噂を聞いて、森公はぼくを密かに慕っていることを知っんだ。それでぼくも愛おしく思っていたんだよ。
その相思の契りを、長い間すっかり忘れていたけれど、今こうして再会して、
あの薬師堂の階段に立っている新月のように優美な森公の佇まいを想い出しても、もう、たまらなく愛おしいよ。
この詩を書いたのはね、ぼくが薪村の草庵に住んでいた頃の話だけれどね、この森公がね、ぼくの風評を色々聞いて、私かにぼくに憧れていたんだよ。そしてぼくに会ってね、いよいよぼくを慕うようになるのさ。森公の心根の無垢さがぼくには不思議なくらいだった。 けれどいろいろのことがあってね、森公の傍にばかりいることはできなくなってね、いつの間にか森公もいなくなって、今までそのことさえも忘れかかっていた。 文明三年(1471年)の春に、住吉の薬師堂で偶然にも森公に巡り会えてね、あの頃のことを謝し、今もまだあの頃の心はあるのだろうかと問うたところ、あれからもずーっとぼくを慕いつづけてきたと心を明かしてくれたんだ。 ぼくはほっとしてね、森公が愛おしくてたまらず、もうずっと一緒にいようと思い、そのぼくの念いを詩にして伝えたよ。
以上、 【 転載 】 です。★ 。・。・゚゚・。・。 ★ 写真 回想旅日記 ★ 。・。・゚゚・。・。 ★
一休寺 酬恩庵
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