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カテゴリ:思考紀行
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先頃、今治造船関連のコンテナ船がスエズ運河で座礁事故を 起こして、世界の海上輸送に問題を生じさせている。 他方で、地球温暖化により大気汚染、地下に閉じ込められた 細菌の突出などが懸念される反面で、北極海の氷が解け始めた おかげで、北極海航路の利用が近未来になってきている。 北極海航路は、現在では夏場だけが利用可能であるが、 2030年には通年でも利用できるかもしれない。 「三井住友海上」が北極海航路について説明しているから 見てみよう。 https://www.ms-ad-hd.com/ja/mirai/hokkyokukai.html MS&ADインターリスク総研 基礎研究本部 1.北極海航路の概観 北極海航路は約13千km(Cf.スエズ運河を利用する 南回り航路では21千kmと比較する~約62%)、 ただし、現在航行できるのは夏場中心の9~10ヶ月 の間であるが、2025~30年には「通年での航行」が 可能視されている。 2.北極海航路のコスト上の問題 北極海航路は、現在は雪・氷に閉ざされるほか、 荒波で航海が厳しく、造船時の対策が高額であり、 砕氷船のチャーター費用などが嵩み、海上保険料も 高いなどの問題があるが、地球温暖化により、 将来は変わってくる可能性が高い。 3.北極海航路の可能性の方策 今回生じたスエズ運河での座礁事故での巨額賠償事故 補填金は9億1600万ドル(約1千億円)として、 運河庁はコンテナ船「エヴァーギブン」の船主 (船主・荷主・海運会社のなかで責任者)に 支払いを求めており、 船主責任保険P&Iを引き受けている保険会社(UKクラブ) が「海難救助特別手当」と「評判の損失」の項目で それぞれ3億ドルが含まれていると説明し、協議を 継続しており、当該船はスエズ運河中の湖に停泊留置 されている。 *********** <EverGivenスエズ運河座礁事故> 2021/3/23 UTC+2 07:40 事故:スエズ運河通行中に強風・砂嵐50km/hのため座礁事故 出航:タンジュン・ペレパス(Port of Tanjung Pelepas) マレーシアのジョホールにあるコンテナポート 行き先:ロッテルダム(オランダ) 船舶管理会社:Bernhard Schulte Shipmanagement 親会社はBernhard Schulte GmbH & Co. KG 乗組員:25名、全員がインド国籍 (パナマ船籍船には自国人の乗船義務なし) 船主:正栄汽船(船舶貸渡業) 運航業者:Evergreen(長永海運)台湾 船主保険引き受け:UKクラブ *********** <コンテナ船EverGiven> 資料:WIKIPEDIA以下同じ <船主:正栄汽船> また、モーリシャス沖でも、運航している外国人船員が WI-FIの利用を目的に陸に近づき海難事故を起こしており、 呑気な外国人船員の雇用増加が~海運国・日本の歴史に 影を落としている。 現在は新型コロナウイルス感染により、世界の生産は 落ち込んでいるが、国際輸送の需要は高まっており、 讀賣新聞によればここ半年間で 「日本~ドイツへの40フィートコンテナの輸送料」 が15万円→65万円程度と4倍超に跳ね上がり、 シベリア鉄道にも需要は雪崩れ込んでいるが、 陸上輸送能力は、大型コンテナ船に比べて1/30であり、 輸送所用時間は半分(海上40日に比し陸上は半分) で済むが、他方で陸上輸送運賃は2倍要する。 余談であるが、 スエズ運河を利用しない、日本の中東からの石油の輸送には 狭いマラッカ海峡を通さずに、アンダマン海とタイ湾を陸上で 結ぶ線の敷設が昨年9月にタイ政府レベルで構築されている。 日本にとっては、自国に資源が少なく、加工貿易が必須の国 では国際的な輸送は大切、命綱であり、海上輸送能力を自前で 確保するべきであり、傭兵のような外国人に任せるのは~ 如何なものであろうか。 安かろう、悪かろう~では~ もはや1千億円の賠償金ともなれば~ 政府は舵を元に戻すことを再考すべきであろう。 ただ単なる目先の利益を求める日本の産業界とは別に、 日本の針路を定める必要がある。 国益を忘れて民業優先の視点は~誤る恐れはないだろうか? 賄賂に溺れる政治家さんは考え直してもらいたい。 中国のような大国支配者だけの「核心的利益」は 他国には迷惑千万であるが、 企業利益優先(株価操作を含む)で国の将来を危うくする 日本の政治も困ったものである。 村上水軍は海賊と言うよりも、 瀬戸内海の海上交通の要であり、指揮系統が行き届いた 「パイロット」であり、少なくても「傭兵」ではないはず~ ★ ついでながら、スエズ運河で座礁の賠償金は~ 日本の「経常収支」にどのような影響がでるのだろうか? 巨額賠償金約▲1千億円は第一次か第二次のどちらの 所得収支に計上されるのであろうか? モーリシャス海難汚染事故(自損?)賠償は? 呆け頭が考えても仕方がないが・・・ ★ ↓ <国際収支の説明:日本銀行BOJ> https://www.boj.or.jp/statistics/outline/ exp/data/exbpsm6.pdf ・ 偶発的非生命保険の支払い→「第二次所得収支・・・ 一般政府以外のその他経常移転」 資料:BOJ ★ UKクラブについて 資料:UKクラブ https://www.ukpandi.com/-/media/files/ imports/13108/articles/ 17682---lp-initiatives-japanese.pdf ★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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