気になる記事を気ままに貼るだけのブログです。

2024/01/17(水)17:55

10年目を迎える山口組分裂抗争は「何があってもおかしくない」…「電撃終結」「七代目誕生」の可能性

5910(反社会勢力)(4)

【六代目山口組】司 忍組長(81)昨年12月に行われた組の納会に姿を現した司組長。1月25日には82歳を迎えるが、圧倒的なオーラは健在だ 任侠界を揺るがしてきた大抗争が、一つの節目を迎えようとしている。 ’15年8月から始まった山口組分裂抗争。六代目山口組から四代目山健組の井上邦雄組長(75)率いる十数団体が独立。「神戸山口組」を結成し、それ以来、両陣営で多くの犠牲者を出してきた。その争いも、今夏でついに10年目に突入する。『山口組分裂の真相』などの著書があるノンフィクション作家の尾島正洋氏が最新の勢力図を解説する。 【画像】圧倒的オーラで張り詰める空気…六代目山口組・高山清司若頭の姿 「分裂当時は六代目側の構成員が約6000人、神戸側は約2800人でした。当初は神戸側にも勢いがあった。しかし’19年10月、六代目の高山清司若頭(76)が服役を終え出所したことで潮目が変わりました。六代目側の攻勢が強まったことに加え、神戸側から離脱する組織が相次いだ。昨年3月に警察庁が発表した統計データによると、六代目側の構成員約3800人に対し、神戸側は約330人まで激減。その後も神戸側の縮小に歯止めはかからず、現在は推定200人ほど。両陣営の戦力差は約20倍まで開いています」 昨年は射殺事件も3件発生した。1月には絆會(きずなかい)の若頭補佐が銃撃を受けて死亡。絆會は神戸山口組から分裂した独立組織である。さらにその3ヵ月後、今度は六代目山口組系弘道会傘下・湊(みなと)興業の余嶋学組長が凶弾に倒れた。5月にも六代目山口組の二次団体・極粋会の幹部が射殺されている。 抗争はこれだけで終わらない。6月には井上組長の自宅が放火未遂に遭った。また7月には神戸側の下部組織の本部事務所にトラックが突っ込み、その2週間後には神戸側の直参の会長宅が攻撃された。12月には同じ直参の自宅が再び襲撃を受けている。暴力団事情に詳しいジャーナリストの溝口敦氏はこう語る。 「勢力図を見るに、神戸側の敗色は濃厚です。そんな中で興味深いのは4月に起きた余嶋組長射殺ですね。六代目の中核組織である弘道会の直参の組長が射殺された。犯人はまだ捕まっていませんが、絆會の幹部だといわれています」 溝口氏が指摘するように、これが神戸側の犯行ならば、まだ反撃する意志が残されていることになる。一方で、肝心の井上組長は神戸市の自宅に籠城。近隣住民を守るため24時間態勢で兵庫県警が警戒にあたっており、六代目側も簡単には手が出せない。 そのウラでは、水面下で和平交渉も進められてきた。しかし、こちらも暗礁に乗り上げている。 「昨年夏には、両陣営に属さない組のトップ二人が井上組長と面談したそうです。しかし、井上組長は最後まで降伏を受け入れなかったと聞いています」(山口組事情に精通するジャーナリスト) ◆「七代目誕生」の可能性 昨年12月、六代目山口組は定例の納会を開催。掲げられた令和6年度の組指針は「和親合一」。全盛期だった三代目時代の綱領に書かれていた言葉で、文字通り抗争終結への強い決意が現れている。 はたして節目の一年となる今年は何が起きるのか。尾島氏が語る。 「8月を前に六代目側が打って出るという見立てもあるようですが、私はそうは思いません。六代目側は静観していれば、神戸側は勝手にどんどん縮小していきます。だから余計なことをして懲役に行く若い衆を増やすよりは、座して待つほうが賢明でしょう」 膠着(こうちゃく)状態が続く――。これは溝口氏も同意見だという。一方で、元山口組系暴力団の会長で、現在はNPO法人の代表を務める竹垣悟氏は六代目陣営で起きた″ある変化″に注目しているという。 「昨年11月、六代目山口組の直系2団体に発令された人事が注目を集めとる。それが『総裁制』の導入。先代組長が総裁として残り、新組長とともに組織を見守るという。代替わりの際は離脱者が相次ぐから、それを防ぎたいんやろな。だが、狙いはそれだけやない。これは六代目にも総裁制を導入するための布石じゃないかと睨(にら)んどる。本来であれば司忍組長(81)の代で起きた抗争なんだから、終結しない限り継承はできない。だが総裁制を導入すれば、司組長を総裁に上げることで高山若頭を七代目組長に就任させることができるからね」 代替わりが噂される背景には、キーマン・高山若頭の健康状態への懸念もある。溝口氏が語る。 「組としては功労者の高山若頭の体調が悪化する前に組長を任せたい。五代目の時も総裁制の噂がありましたが、ほかの幹部の反対もあり実現しなかった。しかし、今の幹部たちは高山組長誕生に、諸手を挙げて賛成する人ばかり。組内に支障はないでしょう」 着々と進む「七代目誕生」へ向けた動き。そうなると、長年にわたった抗争の「電撃終結」も現実味を帯びてくる。先んじて、高山若頭はある号令を出した。 「昨年9月には執行部から各直参に『神戸山口組の切り崩し』指示が出されました。通達を主導したのはもちろん高山若頭です。12月に神戸側の直参の自宅に車両が突っ込みましたが、襲撃は、この指令を受けてのことではないでしょうか。 高山若頭としては、司組長を立てるため、自分が組長になる前に抗争に区切りをつけたいという思いが強い。今年の就任も囁(ささや)かれるなか、その前に攻勢を強めることも十分にあり得ます。六代目側の最終目標が井上組長の命(タマ)を取るか、引退させるかなのは変わっていませんからね。高山が動けば抗争も動く。先の読めない、何があってもおかしくない状況が続いています」(暴力団情勢に詳しい別のジャーナリスト) 攻勢を強める六代目山口組。一方で井上組長は依然として沈黙を貫いたままである。分裂から10年目。抗争はいよいよ最終局面を迎えようとしている。 『FRIDAY』2024年1月19日号より

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る