洗い方によっては、髪や頭皮にダメージが…意外と知らない「正しいシャンプーのやり方」
©iStock.com 今回は、「シャンプーのやり方」についてのお話です。 そもそも「シャンプーのやり方」は子供の頃に親に教わった程度。その親のやり方が正しいのか、間違っているのかすらもよく分からず、我流を貫いている方も多いはず。 美容師は1日に何十回もシャンプーをしてきた、シャンプーのプロです。そんな美容師目線で提唱する、「これだけはやって欲しい」シャンプーの仕方の「基本のキ」について解説します。◆ ◆ ◆1. シャンプーを付ける前に、シャワーでよく流しましょう シャンプーを付ける前には、必ずシャワーで髪の毛を濡らしましょう。 この時、チャチャッと髪を濡らす程度ではなく、頭皮を軽く擦りながら頭全体を予洗いしましょう。シャンプーは「水」の力を借りて汚れを落としています。そのため、この予洗いでしっかり髪に水分を含ませた方が、シャンプーは泡立ちやすくなります。 美容界では予洗いのことを「プレーンリンス」と呼んでおり、「プレーンリンスだけで80%の汚れは落ちる」とされています。しかし、水だけでは、皮脂やスタイリング剤などの油汚れは落ちません。そのためにシャンプーを使うのです。2. シャンプーはよく泡立てましょう シャンプーの泡は、よく泡立つようにしましょう。泡は、頭皮や髪の過度な摩擦を防ぐクッションの役割も兼ねています。 しかし、髪の汚れが多いとシャンプーが泡立ちにくい場合があります。その際は、一度軽く流して2回目をやってみましょう。するとシャンプーの量を半分ほどに減らしても十分なほど、格段に泡立つようになります。 使用量に関しては、使う製品によって泡立ち具合が変わるので一概には言えませんが、しっかりと泡立てば十分です。使用量が多いことの悪影響はありませんが、その分しっかりと洗い流すのに時間がかかってしまうので、量を調節しましょう。3. 頭皮は爪で掻かない、髪同士を擦り合わせない 頭皮は爪ではなく、「指の腹」で掻くようにしましょう。「指の腹」は指先より少し下、手のひら側の柔らかい部分です。爪でガシガシとやると、頭皮に傷がつき、炎症を起こします。 掻き方については、何も意識せず始めると、普段の手クセで同じところばかり掻いてしまいがちです。そのため、頭皮全体をまんべんなく掻くことを意識しましょう。時間としては、30秒~1分ぐらいで十分です。気持ちいいと感じる程度で十分で、頭皮が痛くなるほどやる必要はありません。 また、髪の毛を擦る必要はありません。昔テレビで見たような、片側に寄せて髪を擦り合わせるやり方は、不正解です。これでは、キューティクルに摩擦を与えて痛んでしまいます。髪の毛は泡が触れるだけでも汚れが落ちるので、軽く揉んで泡立てる程度にしましょう。 頭にはツボが多いので、気持ちいい箇所をマッサージするのも良いでしょう。頭皮を指の腹で掴んで、気持ちいいと感じる程度に動かすだけでも効果があります。 昨今ヘッドスパへの関心が高まっていることもあり、シャンプー用のブラシの需要も再燃しています。自分の手では再現できない触感で、イタ気持ちよくシャンプーすることができます。しかし、その品質はピンキリで、物によって触感の良し悪しが出てしまうので、安価なものはオススメできません。4. シャンプーはよく流しましょう シャンプーの工程の中でも、特に怠りやすいのが「シャンプーの流し」です。見た目の泡が無くなった程度では流し切れておらず、まだシャンプーが頭に残っています。 シャンプーは完全に洗い流さないと、髪の毛に残留して“もったり”と重たくなったり、頭皮に残留し臭いや痒みの原因にもなります。 そのため「頭を掻く」ことよりも、「シャンプーを流す」ことに時間を多くかけた方がいいです。自分が「烏の行水」だと自覚されている方は、ふだんの3倍の時間はかけて流しましょう。 特に流すときに注意するのは、襟足です。襟足は後頭部からくぼんでいるため、髪の毛が一番密集する箇所です。そのため、頭皮までシャワーが通りにくく、元々通気性も悪いため、毛量の多い方は頭皮の異変や、臭いが出やすいところです。5. コンディショナー、トリートメントはサッと流しましょう コンディショナーやトリートメントは、毛先の1/2~2/3程度に付けましょう。これらは髪の手触りを良くする物なので、根元に付ける必要はありません。 また、コンディショナー(リンス)とトリートメントは、どちらか一つを使いましょう。 基本的にリンスとコンディショナーは、呼び方が変わっただけの同じ製品です。そしてトリートメントはコンディショナーの上位互換のようなものなので、両方付ける必要はありません。 流すときは軽くぬめりが残る程度に、サッと流しましょう。この際、洗い流した水が背中などを伝って付着すると、皮膚に痒み等が出てしまうこともあります。水が身体に触れないようにするか、その後しっかり身体を流すなどすると良いでしょう。 いかがでしたか。「これなら試してみようか」と思える、最低限のシャンプーの仕方。お風呂場で思い出したら、ぜひトライしてみてください。(操作イトウ)文春オンライン