男性の産休、22年秋にも導入 企業に意思確認義務 改正法成立
© 毎日新聞 提供 改正育児・介護休業法が可決、成立した衆院本会議=国会内で2021年6月3日午後1時19分、竹内幹撮影 男性の育児休業の取得を促す改正育児・介護休業法が3日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。子どもの出生後、8週間以内に最大4週間の休業を取得できる「出生時育児休業(男性版産休)」が導入される。企業に対しては、従業員に育休取得の意思を確認することを義務付け、育児と仕事が両立しやすい職場環境の整備を求めている。 「男性版産休」は、子どもが生まれてから8週間以内に、計4週分の休みを取れる。夫のみ利用することができ、2回に分けて取得できる。育休の申請期限は1カ月前だが、「男性版産休」の場合は休みを取りやすくするため「2週間前」に短縮した。 また、申し出があれば休業期間中でも事前に労使で定めた範囲内で一時的に働けるなど、柔軟な働き方の実現にも配慮した。同改正法は2022年度中に施行され、「男性版産休」は来年秋にも導入される見通しだ。 また、企業側に育休を取得しやすい環境を整備することを求めている。従業員が自分やその配偶者の妊娠・出産を申し出た際に、企業が育休取得の意向を確認することを22年4月から義務付ける。 厚生労働省の18年の調査で、育児休業を取得しなかった理由として「職場が取得しづらい雰囲気だった」ことを挙げた男性が多く、取得のハードルを下げる狙いがある。 また、従業員が1000人を超える企業に対しては23年4月から年に1回、育休取得率を公表することも義務付ける。 そのほか、パートなど有期雇用労働者が育休を取得する場合、雇用期間を「1年以上」とする要件を撤廃し、取得を促進する。ただ、子が1歳6カ月になるまでに契約が終了することが明らかな場合には取得できないという要件は残るため、法改正で取得できるようになる人は一部にとどまる見込みだ。【石田奈津子】育児休業制度 労働者が子どもの養育のために仕事を休む制度。休業中は最初の半年が賃金の最大67%、以降は50%が雇用保険から支給され、期間中は健康保険や年金といった社会保険料も免除される。期間は原則子どもが1歳になるまでだが、保育園が見つからないなどの事情があれば最大2歳まで延長できる。