【独自】三菱UFJ、銀行・信託の店舗機能を一体化へ…行員の相互出向も
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は2022年春にも、傘下の銀行と信託銀行の店舗の一体的な運営を始める。将来的な店舗の一本化も視野に入れる。規制が違うため別々に提供してきた顧客向け業務を融合させ、グループの幅広い金融サービスを円滑に提供できる体制を目指す。三菱UFJ銀行 国内の大手銀行で、銀行と信託銀行の店舗業務を一体的に提供するのは珍しい。 具体的には、信託銀の店舗を銀行の代理店とし、顧客がどちらの店舗でもサービスを受けられる体制を作る。並行して、両行の行員を互いに出向させ、それぞれの業務に関する知識の共有も進める。店舗のシステムの統合も進め、顧客から同意を得れば取引情報の共有なども始める方針だ。 銀行は銀行法により規制され、預金や貸し出し、外国為替を担う。信託銀行は銀行業務に加えて、信託業法が定める金融資産や不動産の管理・運用、不動産仲介といった業務も行える。三菱UFJはこれまで、信託銀には専門性の高い信託業務に注力させ、グループ内で役割を分担してきた。 近年、金融界は規制緩和でIT企業のような異業種が参入しやすくなり、従来の枠を超えた幅広い金融サービスの必要性が高まっている。三菱UFJは銀行と信託銀の店舗機能を融合させることで、効率的なサービス提供を進める。24年度以降の中期経営計画では、この取り組みの具体的な目標を打ち出す予定だ。将来的には、信託のほか証券会社も合わせてグループの店舗網の融合を検討する。 三菱UFJ銀は現在国内に約430店を展開しているが、デジタル化の進展や人口減などにより店舗網を維持するのは難しいとみて、23年度末時点に約3割減らす方針を示している。読賣新聞