損保ジャパン調査委が中間報告 BM取引再開「リスク認識が乏しい」
損害保険ジャパン本社©朝日新聞社 中古車販売大手ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求問題で、SOMPOホールディングス(HD)は10日、社外調査委員会による中間報告書を公表した。子会社の損害保険ジャパンがいったん停止したBMとの取引を再開させたことについて、「損保会社の評価をいかに低下させる高リスクな判断かという認識や想像力が決定的に乏しかった」などと厳しく批判した。 損保ジャパンなど損保大手3社は昨年、BMが保険金を過大に請求しているとの内部通報を受け、BMに自主調査を要請。同年6月には、BMへの事故車両の紹介を止めた。しかし、その後、損保ジャパンだけが取引を再開。過大請求は故意ではなく過失だとするBMの社内調査を、再開判断の根拠としていた。 中間報告書によると、BMの担当部長が、組織的不正がなかったかのように調査内容を改ざんするよう指示し、損保ジャパンの出向者も関与していた。改ざんの事実は出向者を通じて、損保ジャパンの白川儀一社長ら経営陣にも伝えられていたという。 ところが、損保ジャパンの一部役員が出席した昨年7月6日の会議で、白川社長は「BMが正式に提出した調査の内容を覆させるのは困難」「追加調査はBMに対し感情面のしこりを残す」などと発言。「(BMの)兼重宏行社長を信じるというビジネス判断もあり得る」とし、追加調査を否定し、早期の取引再開を促した。 中間報告書は、この会議の直前に開かれた担当幹部らの打ち合わせでは、追加調査や取引停止の延長が必要という点で一致していたとしている。だが、白川社長の提案を受け「わずか30分程度の間に正反対の重要方針が急転直下で決定された」とした。朝日新聞デジタル