『オンラインゲームプログラミング』
『オンラインゲームプログラミング』チョン ウンチョル:著●企画のポイント!「ラグナロクオンライン」「リネージュ」「シールオンライン」「ハンゲーム」…。人気のオンラインゲームのほとんどは韓国産です。なぜ韓国がネットゲーム大国になったのでしょう?韓国では政府が国内のブロードバンド化に力を入れてきたため、現在では普及率が90%超となり、世界一のブロードバンド大国となっています。また元来、韓国では著作権保護の意識が低く、コピー商品が氾濫していたため、家庭用コンソールゲーム(ファミコン、プレイステーションなど)のパッケージソフトの健全な市場が確立しませんでした。そういった背景もあり、著作権管理が容易なオンラインゲームは韓国内で急速に普及し、大きな市場が形成されました。一方日本は、近年ようやくブロードバンドが定着しはじめた段階で、オンラインゲームの市場はまだ黎明期。ゲーム大国といわれる日本も、この分野では完全に韓国に遅れをとっています。現在の日本のゲーム業界に足りないもの。それは「オンラインゲームの開発ノウハウ」です。それならば本場韓国の技術ノウハウを盗んでしまえばよいではないか! さっそく韓国内で刊行されている技術書をくまなくチェック。韓国開発者から高い評価を得ていて、なおかつ日本のゲーム開発者に一番受け入れられやすいものを吟味した結果、本書にたどりつきました。(韓国コンピュータ書籍の翻訳書は、本書が日本初です)●本書の売り!なんといっても、オンラインゲームの本場・韓国の現役プログラマが書いたソースコードをナマで見ることができる点です。ミニゲームならいざ知らず、ネットゲームのような大規模で複雑なプログラムのソースコードは、なかなか入手することができません。その貴重なソースコードに、わかりやすいフローチャートを用いた解説がついていますので、基本的なプログラミングの知識があれば、誰でも理解することができます。また将棋ゲームやテトリス、戦車ゲームなど、簡単なネットゲームサンプルコードも収録されていますので、ちょっと改造すればオリジナルネットゲームが簡単に作成できます。ネットゲーム開発に不慣れな日本のプログラマにとってはとても新鮮であり、知的欲求をくすぐられる1冊です。●ブ厚いのがお好き?今回、韓国の本をいろいろと見てみましたが、あちらの本はとにかくデカくてブ厚い! コンピュータ技術書は内容が濃いため、比較的厚くなってしまいがちですが、それでも、「文字だらけでB5判 800~1,000ページ ハードカバー」というパターンが多いようです。なかなか日本人にはなじめません。でも、よくよく調べてみると欧米や中国の技術書もほとんどが大きくてブ厚い模様。薄くて小さい本を好むのは日本人だけかもしれません。ソフトバンククリエイティブ 担当編集:品田洋介【プロフィール】担当書籍:「基礎からのデータベース設計」、「猫でもわかるWindowsプログラミング」、「Windowsゲームプログラミング」など自己PR:コンピュータ書籍編集歴5年目。主にプログラミング書担当。元ソフトウェアエンジニア。常に最新の技術に触れていたいという思いから、現在の職に転職。