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店を出た時にはもう、午前4時を回っていたと思う。
12月なので、まだまだ辺りが明るくなる気配はなかった。 ちなみに、家までは徒歩。 当時、剛は車を持っていなかった。 私は家に着くまで 一言も剛と口を聞くつもりはなかった ただ、スタスタと早足で歩き 家に辿り着く事だけを考えていた。 こんな時間に剛と歩いて帰るのはしょっちゅうだったが いつもは剛と並んで歩くから、怖くもなんとも無かったのだが 今日はあたしが一人早足で剛より先を行っていたので 後ろに剛が居るのが分ってても なんだかとても怖かったのを良く憶えている 歩けば歩くほど、怖さと寒さで どんどんお酒が抜けて行くのがわかった。 それでも、心の中では 一言も口をきかないという事に、変わりはなかった。 剛「おい。生らむ。生らむ。」 生らむ「・・・・・・」 誰が剛となんか、話すもんか。 剛「ねえ。ねえってば。歩くの速いよ。」 生らむ「・・・・・・」 るさい。剛と並んで歩きたくないからよ! 剛「寒いね~。星がキレイだよ~。」 生らむ「・・・・・・」 ばかじゃないの。そんなもの楽しむ余裕無いっーの 剛「なんで何にもしゃべってくれないの?」 生らむ「・・・・・・・」 アンタとは口を聞かないって決めたの。 できれば後日の話し合いなんてのも、したくないし このまま無視して、別れたい。 剛「生らむ。何か答えろよ。」 生らむ「・・・・・・・」 ん?剛の口調がほんのちょっと荒い気がする…? 剛「生らむ。生らむ!!」 生らむ「・・・・・・」ドキッ やば、逆切れ??(汗) 剛「わかったよ。お前がそのつもりなら 俺にも考えがある。 シカトしてられるのも、今のうちだけだぞ。」 生らむ「・・・・・・・・」 な、なによ。何するつもり!?(怖) 剛は暴力は絶対にしない。 それだけは確信できる。 じゃあ、剛はどうやって黙ってるあたしの 口を開かせようとしてるの? 今日ばかりはお得意の笑わせる攻撃?も 効かないって、分ってるはずなのに きっとなにか考えがあるんだ。 そう。いつもそうやって剛は あたしの心をくつがえして来た。 でも、今のあたしは違う もう。本当に剛とは終わりにしたい 2度と口もききたくない この気持ちを変えさせる事が 今日はくつがえせるはず、ない。 絶対に… 剛「生らむ…。俺は…」 生らむ「・・・・・・・」 俺は何よ。何を言っても、何にも話さないんだから! 剛「俺は、俺は 俺は絶対にお前と別れないからな!!」 生らむ「・・・・・・・・・ ・・・・・・う、嘘つき!さっき別れるって…!」 あ、しゃべっちゃった…?(笑) つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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