カテゴリ:歴史・本など・・
「おにぎりの文化史-おにぎりはじめて物語」(横浜市立博物館・編 河出書房新社)
博物館の展示図録としては、ユニークでなかなか頑張った感がありますが、まあ、おにぎりという、身近な食べ物をROOF液晶的に紹介するというものです。 有名なのは、おにぎりの日(6月18日)制定のモトとなった日本最古のおにぎりである石川県杉谷チャノバタケ遺跡出土の炭化したおにぎり(弥生時代)は、もちろん唐古のご飯だとかをはじめ、全国の遺跡から出たおにぎり(の残骸や炭化した破片。でないと残らない)が、たくさん載っている。 まあ、しかし、どれもこれも真っ黒けの、炭になった雷おこしのかけらみたいな写真を、ようもこんなにたくさん並べたな・・という感じですが、これがけっこうおもしろかった。 横浜の北川表の遺跡から出たという、おにぎり(といっても、真っ黒けの焦げの塊にしかみえない)をCTスキャンして、分析した結果、このおにぎりのたどった運命がわかる! 四角い網代編みの籠に入れられたおにぎり4つが、火事で崩れた家の材などが落下してつぶれ、そのままくっついて、固まったってすごいじゃないです? いや、このおにぎりの運命、落城する焔の中で、俺たちはずっと一緒だぞ!と言いながら、滅んでいった四兄弟みたいで、ドラマチック!(脳内でヘンなキャラ浮かべています) こういった古代のおにぎりから、おむすびとの違い(ごく大雑把に言えば、おにぎりは俵型で人間が食べるもの。おむすびは三角で、本来は神にささげるもの。勿論あとで、人間が食べます。鎌倉時代の墓に入れられたおにぎりには、中に宋銭が入っていたとか、戦国時代のお弁当とか、なかなか面白かった。それに、弥生時代の土器の焦げ目?から、当時のお米の炊き方の復元実験とか、盛沢山。 絵巻物の「おにぎり」 酒飯論絵巻の「ごはん大好きさん」の厨房 命日が同じ2人、高師直と足利直義が、賽の河原でお弁当・・(足利家の執事)。 この場合は三角むすびでよいのではないの? おにぎりの文化史 おにぎりはじめて物語 [ 横浜市歴史博物館 ] こちらもよろしく 座乱読後乱駄夢人名事典 絵置き場 座乱読ー別荘ー マンガ置き場。 現在「足利家の執事」連載中 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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うふふ、そのお二人、仲良く旅立たれたのでしょうか。
まあ、最後は観念して「これも何かの縁」と、 思われかもしれませんね。 それにしても、昔のおむすびの大きいこと。 おかずが乏しいので、 米でおなかを膨らませる必要があったのでしょうかね。 (2019.07.16 17:21:38)
roterosegartenさんへ
以前「足利家の執事」で、2月26日の追悼絵で描いたものです。 坊さん姿が、しっくりこないとボヤく師直と、むりやり坊主の直義さんの皮肉ですが、どちらも命日は同じなので、今も「論争」?を呼んでいますよね。 ごはんの盛り方も大きいですし、すごくたくさん食べたんでしょうね。ごはんがたっぷりある・・というのが裕福の印だったかも? (2019.07.17 10:29:03) |
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