久しぶりのBLコミックです。
深井さんのコミックは、けっこう辛くてしんどい話が時々あるので
わたしには、どうだろうなあ・・・とは思ったけれど
『その唇に夜の露』というまるで俳句か短歌みたいなタイトルと
暗くてしっとりした表紙イラストになにか惹かれるものが
あって、読んでみました。
普段あまり真面目で深刻なBLコミックを読まないわたしには
酷く衝撃的なストーリーでした。
昔、強姦した同級生に大人に成ってから再会し、その相手に
同じ復讐をされるバス運転手のお話なんですが
毎日毎日自分の運転するバスに乗り込んでくる同級生の無言の威圧に
おののく主人公の表情とか、異様に実写のようなリアルさで
ドラマのような展開は、わたしにはきつかったです。
そのきつい日常のシーンと重なるように過去の親友だった中学生時代の
回想シーンと作者は交互に描いているので、このふたりの間に起こった
幼さゆえの相手への憤りと大きな間違いに、読者はいたたまれない思いに
させられるという、なんだか読み手のほうも心が痛くなるようなお話でした。
それなのに、最後の方で復讐を続けていた同級生がタクシーの中で
涙を流してるシーンを読んだら、うっかりわたしまで泣いてしまいました。
ずっと読んでいて、この話、わたしにはきついなーー。合わないかも・・・・
って思いつつも展開が気になるので、読んでいたわたしには
この一コマのシーンで、心が氷解したっていうか、そうゆう気持ちに
なりました。
ここまで読んでやっと、『ああ、最後まで読んでいて良かった』と思いました。
で、ラストはさすがにBLコミックらしく王道BLラブラブチェンジに
なっていたのですが、わたしには、このラストでマジ、ほんとーーーに
良かったです。ずっと、この異様なストーリーに心を痛めてたので
いかにも、BLマンガって感じで、フィクションだよ、これ作り話だからね。
って感じの王道BLラストで、よかたぁあ。。。。。って思いました。