父親の容態が悪化し
ずっと病室に付き添ってる間に
桜がほころび始め。
意識のない父親を24時間母親と交代で
見守ってるのも
精神的に疲れはて。
昼間は、時々外にでて
桜を写真に撮り始めました。
世の中に、花はたくさんあるけれど。
日本という国に住む人たちに、一番馴染みが深いのは
やはり。桜だと思います。
それは、日本の出会いと別れの時期に
桜が、一番関わりがあるから。
心に刻み込まれる強い思い出と一緒に
桜が、存在するからなのでしょう。
桜に秘めた、思い出は
ひとそれぞれ。
そんなたくさんの。
幾千幾億もの、思い出を
桜の木は、黙って受け取りながら
長い年月、同じ場所に
変わらず、花を咲かせています。
そんな桜の花と
人生の節目節目の出来事と併せて
写真で表現してみようと思いました。
最初に見つけたのが、保育園の庭に
椿と一緒にひっそりと咲いている一本の桜の木でした。
ひとが生まれること。
子供は、やがて保育園や幼稚園に通い始めます。
そして学校に入学し、たくさん学び、遊び
成長していきます。
その年月を表現するため
公園、図書館、体育館に咲いていた桜を撮りました。
学校を卒業して、育った町を出て
就職し、自立していきます。
駅、銀行、税務署に咲いていた桜を
写真に撮り、表現してみました。
長い人生を一生懸命生きてひとは
年老いていきます。
川辺の長い道に咲いた桜は、まるで人生のようです。
老人ホーム、病院に咲いていた桜を写真に撮り
老いを迎えた人生を表現してみました。
最後の一枚は、付き添ってる父親の病室で撮りました。
来年は、父親も桜が見られるといいな、と
思って。
最後の一枚を撮りました。