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次なる挑戦 ・・・ 日本人の技

2011.09.24
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左官職 品川博   ・・・ http://www.shinagawa.com

(この内容は、月刊「左官教室」No.596に掲載された内容を、筆者の許可を得てそのまま掲載したものです。)


・・・つづき

第5章 職 人 魂

 兵庫県三木市別所町にある、五百蔵製作所(五百蔵満弘代表取締役)と出会って、まだ何年も経っていないが、そのわずかの間にずいぶん色々なことがあった。 見るからに美しい「輝龍」なる最高級仕上げ鏝が生まれていたり、かわいいミニチュア鏝3本セットが生まれていたり。 フレスコ画教室事件、大きな飾り鏝 etc.・・・そのつど、無理難題をお願いした私がいた。 

 これらは、代表自らが休みをけずり、夜を徹してまで作業されていることだと、人から聞いた。 「道具を作る身として、いいものを作りたい。 そのためには、使う人からの話が聞きたい」と、いわれたことがあった。 その言葉以上に、内面から出てくる職人魂のようなものを感じた事が忘れならない。

第6章 漆喰押エ鏝誕生

 早々2本の漆喰押エ鏝が出来上がり、いよいよ使う時がきた。 想像通りの出来だ。 鏝あたりが良く押えムラもない。 使っていて気持ちがいい。 仲間にも押しつけるように使用感を確かめる。 「今までと全然違う」「これは、いいわ」・・・・・。 期待通りの言葉がかえってくる。 うれしくなってくると同時に、これは世に生まれてくるべき鏝ではないどろうか。 いや、必ずこの鏝を待っている人がいる筈だと思った。

 後日、報告も兼ねて五百蔵製作所へ行く機会があり、結果を話すと同時に「とにかく私たちの現場に来て、使ってみませんか?」と、場違いな(鏝鍛冶と左官は違う)私の説得に、「行ってみます。 でも私が触ると、壁がだめになりますよ。」と言われた。 その時の私にとっては、壁の一枚や二枚、塗りなおすことなど、問題ではなかった。

 翌日、1時間半もの道のりをお越し頂き、押えの段階で説明しながら鏝を取っ替え引っ替え試して頂いた。 横から見たり音を聞いたり、すべりを確認したり。 塗り直すどころか、手つき、鏝の角度の良さに驚いた次第だった。 帰り際「この鏝の材料をあたってみます」と、心強い言葉を頂くことになった。

 数日後、新しい数本の鏝が届いたが、なかなか仕上げの日にならない。 そこで、ボードに実験使用をするが、条件が違うためか、面積のせいか、良いことは分かるが、最初の2本の鏝との差が、私には分かりにくかった。 しかし、兄(清志)が「同じだ。間違いない」と言った。 金属のことには、鋭いカンを持っている兄の言葉だ。 その結果を五百蔵さんに報告し、残りの数本を他の人にも使ってみてもらいたい旨を伝えた。 試作の残りの材料で、追加製造をしてもらえることになった。

 第7章 感 謝

 使用機会があるかどうかも聞かないまま、わずかな出会いに頼り、あつかましくもご使用をお願いした東京・松本元意様、神奈川・湯田雄二様、京都・浅原雄三様、京都・久住章様、兵庫・南俊行様、島根・森山恵二様、ここに「良い鏝だ」と結果報告を頂き始めていることを報告し、感謝いたします。 トータルコーディネーター役、大分・藤田洋三様、福岡・田川産業行平様、大変お世話になりました。 一緒に鏝を試し、損得も考えず何本もの試作品を提供して頂いた五百蔵製作所 五百蔵満弘様は、注文に応えながら、来春(2006年2月)へ向けての製作準備と聞きました。

 この事件から5け月が過ぎた今、この鏝の誕生が、左官職の能率と質の向上に役立つことを。 このことが左官のためだけでなく、目標である施主様までつながっているということを確信するとともに、多くの皆様のご協力に感謝し、ひとつの新しい鏝誕生に携わった一職人としての喜びを付け加え、「漆喰押エ鏝」の誕生報告と致します。

 shikkuiosaekote.gif

 漆喰押エ鏝の特徴

● 従来の鏝に比べ、鏝あたりがよく表面ひきおこし等が起こりにくい。
● 鏝厚によるムラが生じにくい。
 ※仕事が楽しくなる。



     sIMGP1730-cc.jpg 月刊「左官教室」No.596(2006年2月)掲載 (筆者:品川博
       

   

































































Last updated  2011.09.28 13:53:52

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