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次なる挑戦 ・・・ 日本人の技

2011.12.13
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この内容は、「建材フォーラム誌」(株式会社 工文社)2010年3月号の記事より転載しております。

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                       ↑818枚の木の葉と動物のレリーフが白一色で表現された内装  

名古屋市内の店舗内装に、華麗な漆喰レリーフが描かれ、注目を集めている。
 左官工事を受注したのは、元・花咲か団代表として知られ、高難度の現場を手掛ける株式会社 岡田建工・代表取締役社長の岡田明廣さん。 今回、鏝絵や彫刻作品で本誌でもお馴染みの品川博さん、兄君の清志さん、ご長男の福太郎さんらとともに、レリーフの制作を手掛けた。

 店舗は、有機野菜、・低農薬・無添加の食材を取り扱う「にんじんCLUB」が経営するオーガニックレストランで、2010年3月に開設する「新・南生協病院」(元請:竹中工務店)内にオープンする予定。 内装は、西洋漆喰塗り仕上げの壁・天井に同色の樹木レリーフを配したほか、鳥や蝶、カエルなど森の生き物をモチーフにした彫刻が付けられ、あたかも自然に囲まれながら食事を楽しめるかのような趣向が凝らされた。
 本項では、その工事のもようを、写真とともにレポートする。 (編集部)
 

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(左)幹を施工する品川さん、木の節まで繊細に表現された。 (右)フリーハンドで木の葉を描く岡田さん。「幹、枝はスパイラル状に組織が形成されていて葉を支えている」と教えてくれた。


木の葉が彩る 漆喰の森林

現場は1月11日に壁・天井の下塗りからスタートし、塗り仕上げを経て、レリーフの制作を21日までに終えた。  木の葉の総数は当初、感謝の意を込めて390枚(サンキュー)を目指したそうだが、最終的には818枚(!)にまで及んだ。  取材当日の18日、品川さんは、「午前中に62枚やりました」と、汗を拭って話していた。  限られた工期の中、品川博さん、兄君の品川清志さん、ご長男の品川福太郎さんに、岡田建工の職人さんの4人で手分けをしながら制作が進められた。

シームレスな壁と天井を木の葉が彩る内装は、さながら森の中にいるような意匠である。  樹木のデザインは、図面でしじされたものではなく、二本の大きな幹を基準に枝の伸びる方向を現場で判断し、それを目安にバランスをとりながら木の葉が配置されていった。

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↑ 限られた工期の中、手分けして木の葉の施工が進められた。  型枠を用いた木の葉制作の様子↑ 作業効率を高めた。

木の葉の施工においては、発砲スチロールを切り抜いた型枠によるステンシル工法をメインで用いた。  作業を効率よく進められるとともに、困難な天井面への施工も可能となる。  一方、壁面へは、フリーハンドによる施工も併用され、木の葉一枚にも多彩な表情の変化がつけられた。

 また、壁面を見渡すと、森の動物たちのレリーフが賑やかにちりばめられている。  鳥、蝶、リス、カエル、トカゲなど様々なモチーフを見ることができるが、これらは最初から設計に入っていたものではないのだそうだ。  いずれも岡田さんの提案によって現場で盛り込まれたもので、そのほぼ全てが岡田さんご自身の手でデザイン、制作されたものである。

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   ↑ 鳥やリス、蝶、カエルにトカゲと様々な動物のレリーフが散りばめられた。

現場に適した 西洋漆喰 を使用

 壁・天井の塗り仕上げ、及びレリーフの施工に当たっては、まつおか瓦産業 株式会社の輸入販売するイタリア産漆喰「ラスチコ」が採用された。  これは西洋風の現場であるという点と、施工性を考慮しての判断だ。  「西洋漆喰にはスサが入っていないため、ケバを押える手間をかけることなく、緻密なレリーフを短時間で納めることができる」 と品川さんは話し、現場の条件としても理にかなっていた。

 「ラスチコ」は、イタリア産の伝統的な漆喰で、歴史的建造物の修復に用いられることも多い。  粉状で、骨材および顔料は既調合のため、水を加えるだけで使用できるのが特長だ。  細骨材の龍敬が1.5mm以下の「ラスチコ・モーノ」(全9色)と、1mm以下できめ細かい「ラスチコ・アレニーノ」(全3色)の二製品が上市されている。  今回の現場では両者が併用されており、表面のより緻密な表現が求められる個所に、粒の細かい方を用い、テクスチャーにも奥行きを与えた。

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  ↑ 左:ラスチコ・モーノ(粒径1.5mm以下) 右:ラスチコ・アレニーノ(粒径1mm以下)


ノウハウの生きた 自由な現場  

 左官の遊び心に溢れた現場だが、品川さんは今回、加古川から工事に参加するに当たって「どんな状況にも対応できるようにしてきた」と話しており、入念な準備がなされていた。  その最たるものが、葉脈を描く効率を上げるべく今回の現場のために作られた、品川清志さんお手製のステンレス鏝である。  表葉用と裏葉用で凹凸を変えた二種類が用意され、神経の細やかさに圧倒される。

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 ↑(左)木の葉の葉脈を効率よく描く為に制作された品川清志さん特製の鏝。表葉用と裏葉用で凸凹が異なる。


  (右)様々な形に切り抜かれた型枠


 自由でおおらかな印象を受けるこの現場は、確かな技術とノウハウに加えて、行き届いた準備があってこそ結実していた。  完成した現場は施主にも大好評で、設計士も「また機会があればこのような物件を手掛けたい」 と話しているという。  名古屋にお出掛けの際はぜひ一度訪れ、漆喰の森林に囲まれての食事を楽しんでいただきたい。

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 ↑(左)葉の虫食い跡などディテールが細かい。中)岡田さんの手掛けたウォールクロック。箸置きを大胆に配している。(右)もみ殻を入れて質感を出した表面にアクリルコーティングした本物の豆を埋め込んだ。 

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     完成した壁の前で記念撮影。左から、品川福太郎さん、山下直三さん(岡田建工)、
      品川博さん、岡田明廣さん、品川清志さん。






       
        
 この内容は「建材フォーラム誌」(工文社:http://www.ko-bunsha.com)2010年3月号の記事より転載しています。
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Last updated  2011.12.13 18:28:40

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