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男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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Gibson Custom Shop 1959 STD HAND SELECT

もっと荒々しく、泥臭い(いなたい)サウンドを求めはじめたわけです。
好みのレスポールらしさを追求して1959にたどりつきました。



ハンドセレクトというのはヒストリックコレクションの中でも日本のショップが現地に出向いて
数千枚ある材の中から杢目等も含め良質な素材を選定し、それに合わせて色等を仕上げたもの。
個人的なこだわりは、この『2014年(2015年)式』という点。



納品前にカスタムバッカ―からAPH-2へのカスタマイズを依頼。
カスタムバッカ―はゲイリー・ムーアの様なクランチ気味の歪みで弾くなら官能的なのですが
より歪みをプラスすると潰れてしまうピックアップなので個人的なジャンルには不向きなんです。
そうなるとナビレスにも装着しているAPH-2が良い意味で癖があって好きなので同じ仕様にしました。



正直、このピックアップのレスポンス単体は構造上アルニコⅡですからセラミックほど良くないです。
ですが何か不思議なレスポンスで独自のタイムロスというか、何というか・・・良いんですよ!
はじめは『何だこりゃ!?』 だったのですが、高さやトーン等、調整していくとやたら癖になる。



適度な暴れ具合とピッキングニュアンスで存在感のあるトーンを生み出します。
特にクリーンとクランチはトランジスタアンプですらチューブのプリプリ感が望めます。
好き嫌いは分かれるのでしょうが流石はレスポール最強の使い手であるSLASH、分かってますね!

いざアンプに繋ぎ弾いてみるとレスポンスが鋭くキレがある、バイト感がやけにあるのに驚き。
Navigatorにも同じピックアップを使っていますが・・・本当に同じピックアップなのか!? 
と疑う程に音が違いました。





恐らくはボディ形状や材の厚さ、組付けやナット・サドルの素材、ピックアップ装着の位置関係等で違いが出ています。
アルニコⅡピックアップは出力が低く、ピックアップの個性で押し通すというよりも個体の特徴を
ブラッシュアップする印象なので本体の個性がモロに前面に出た感じでした。

キャパシティーはバンブルビー(レプリカ)
この辺は、ビンテージ本家のバンブルと比べれば、中の上と言った仕様ですが、
色々あって今の最高の音を出していると仮定すれば変に弄らない方が良い!ということにしました。




ズドンと太っとい音色と音圧、キレの中にある甘い音色で誤魔化しの効くナビレス。
全音域が立体的な音像としてニュアンスに優れ、弾き手の感情表現を表現し易い1959。

共に個性的で最高だけどまるで違う・・・楽器って深い。
とにかくこの1959は幅広い扱いが出来るので生涯に渡って愛用出来そうです。






​※追記:2021年1月



純正装着されているバンブルビーのレプリカコンデンサ。
トーンを絞ると音の輪郭が個人的に削られ過ぎている印象があって、もう少し解像度というか情報量が欲しくなりました。

以前、navigator のN-LP680で鵺デバイス(NERO)に交換した際に想像以上に使える印象を持ったので、
同じものにしようと考えましたが欠品中でしたので、たまたまその場にあった320Design オリジナルの
カスタム・オイル・コンデンサー「Green Manalishi」を選択しました。







下記コピペ
「Green Manalishi」は昨年初頭に完成していた製品で、プロ・ミュージシャンやギター/アンプ・ビルダー、
一部の関係者の間のみで流通していたが、今回あらためて店舗用にパッケージングして一般発売されることになった。
オイル・コンデンサーは概してマイルドなトーンになる傾向にあるが、「Green Manalishi」は高級オーディオなどに
用いられる金メッキOFC線を採用することで、ビンテージ・トーンと現代的なトーンの両立を図っている。






実際の印象としては甘さを残しながらもトレブル域が増して、音の解像度が上がりピッキングニュアンスが出し易くなりました。
フル10状態でもトレブルが増えているので存在感が出て良い感じです。

特にフロントのトーンを絞ってゲインをのせた時に、ギターの音というよりは人の声色の様に入り込めて感情表現が可能なので
アンサンブル際の自己主張し過ぎない・・・けど、存在感があり泣きの音色も出せる。そんな印象。素敵やん。
独自のフィルターがあって、ピッキングニュアンスに対して『クォッ』って感じで反応します。艶がありますね。






ギターは木で作られた天然素材なので個体差やPUの相性等、複雑に絡み合うので装着して見なければ分かりませんが
今回に関しては我が1959に対して中々のベストマッチ具合ではないかなと自己満足で感じています。
抜ける音ながらも良い意味で高音域の高周波的なキンキン感は無くロックな音を出してくれます。






※2021年6月追記
これはかなりマニアックな話になってしまいますが、つい最近 ピックアップのポールピースを調整しました。

ポールピースって何ぞや? と言いますと、
ハムバッキングピックアップのコイル片側にあるネジ部分のパーツで各弦の振動を拾う部分になります。 
磁気を帯びたピックアップは高さを上げて弦に近づければ出力が高まりますがモコモコしてしまう傾向があり、
下げて遠ざけるとゲインが減ってペケペケして分離感が上がる一方、粘りや解像度が下がります。

厳密に言えば指板はアールがついていて6弦側が低く3~4弦が頂点となり1弦に向かって下がる山形形状となっています。
それに対してピックアップは平面で装着されていますのでズレが生じるのは当たり前です。
基本的にはこの特性に対しても考えてピックアップは調整されてはいるものの、全て個体差が在りますので
調整してあげた方が高い精度を発揮することは言うまでもありません。




今回、調整するピックアップはセイモアダンカンの APH-2 SLASH という名前の通りSLASHモデルの仕様。
特徴としてはアルニコ2マグネットを採用し、ミドルの押し出し感がありフロント&リア共に個性的な粘りと歪みを生み
人気のあるピックアップです。

とにかく太く存在感のある出音で、クリーンサウンドでは揺らぎのある暖かさがあり、
ディストーションをかければ独自のねっとり具合が個性的なSLASHの音。

以前、Navigator680でも気に入って載せていましたが(今はカスタムバッカー)良くも悪くも太すぎること。
元々太い音を出す個体には太すぎて飽和するといった印象で、相性が大事なタイプになります。
このGibson 1959の個体は元々かなり締まってレスポンスが良い反面、低域に不足を感じたのでAPH-2に変更したのが経緯。
それが相性バッチリでアルニコ2の粘りやミドルの押し出し感、暖かさと抜けが調和して『良いじゃん!』と感じておりました。

そんな中、Navigator680の仕様変更や、もう一本の珠玉の1959 Murphy Aged やCrewsのレスポールを手に入れ比べてしまうと、
かつては良いと思っていた音の荒さ、特に分離感の悪さが気になってしまい
『もう少し何とかしたいな』と不満を持つようになりました。

Crewsに装着されたK&Tの高級ピックアップの解像度は最強なので、この際 勢いでピックアップを交換をしようかとも思いましたが
それも交換してみなければ相性が分からないので、まずは今のAPH-2 SLASHを再調整してみようと着手。



出力自体は丁度良かったので、今の高さはそのままに音の分離感を上げる。
つまりはポールピースで各弦の出力特性をイコライジングして不要な部分を削ぎ必要な部分を高め分離感を上げることになります。
ピックアップの高さ自体は磁気調整による出力特性、ポールピースの高さは拾う信号の解像度・・・だと勝手に判断しています。

どうであれ自分の耳頼りの調整となるのは間違いない作業であるとは感じています。

感じたのはコードストロークした際の高域の不足。これは低域が主張し過ぎてかき消され弱く感じるように思いました。
5~6弦をやや下げて、1~2弦を上げる方向で大まかにセット。 大分良くなりましたが全部の音量を合わせても綺麗には鳴りません。
ここで指板のアールとポールピースの高さ、また弦の太さや音量の違いを考慮してセットアップ・・・良いじゃん!

まずは合っているかは謎ですが各弦を一本ずつ鳴らして音量や解像度の違いを肌感覚で覚えます。
何やらEコードを鳴らすと2弦だけ音が主張している・・・もう少し下げるか・・・今度は5弦弱い・・・
と言う様な調整を数時間行って突き詰めた結果・・・長所はそのままにギャインギャイン鳴る仕様に変貌。
同じ音質ではあるもののキレと倍音・分離感がかなり増したので、ここまで変わるとは思っていませんでした。

特にこのAPH-2特有のハリのあるプリプリな倍音とハーモニクス具合が他のタイプともまた違っていて『ギャッィイン!』と出てワイルドの極み。
この真空管特有のハリと言うか迫力が出やすく尖った音ですが、最終的に丸く締まるって感じで耳が痛くならないので素敵♪ 

勿論、全体的な解像度やワイドレンジはカスタムバッカーやK&Tには劣りますが、
アルニコ2の良さを生かした抜けと粘りのある音はある意味で最高です。





※その他 画像


















※追記:2023.8.02

お気に入りで使っていた1959(2014年仕様2015年モデル)ですが、Gibson USAでもSLASHモデルが出てきて、何だか似たような仕様のギターが増えてきたのが少し嫌になったのと、近年 出力の高いピックアップを好まなくなってきたという個人的観点から、1959 Les Paul Standard Reissue という1959年のレスポールコンセプトに恥じない仕様、原点回帰しようかとプライベート企画が勃発!




まずは心臓部 Seymour Duncan APH-2 Alnico II Pro SlashのピックアップをK&TのWEEP(ZB&BB)に交換します。APH-2に関しては太く暖かみのある音ながら真空管アンプのボリュームをMAXにした様な張りつめたコンプ感と倍音成分があって、ギャリンとしたガラスの割れるようなキレと噛みつき具合、フロントではSLASHらしいスウィートでねっとりとしたウーマントーン、柔らかいクリーントーンが素敵でした。 当初は『何かヌケ悪いなぁ』と感じていましたがポールピース調整でかなり化けたので好んで5年ほど使ってました。 反面、他ギターでPAFレプリカを好んで装着した経験値が溜まり『良くも悪くも音が整っている』ということが少し気になってきました。

PAFレプリカでは本家Gibson Custombuckerを筆頭に、人気のWizz Pickups "Premium PAF Clone"やJimmy Wallace PAF等、自分としても他所有ギターに装着しているので良さを知っているわけですが、比べてしまうとAPH-2は良くも悪くも整えられていて雑味が薄い印象があります。他PAFレプリカに通ずるものはタッチに対して非常にセンシティブでノイズの中にある倍音まで出力する『高性能マイク』という表現が相応しくボディの鳴りや弦の響きをとことん吸い上げてくれる印象です。悪く言えば弾き手の能力次第で音が良くも悪くもなる誤魔化しの効かなさがあります。




そんな数多くあるPAFクローンですが、中でも高額でオカルト的にもてはやされているのが高野順氏が生み出すK&T PAF。本体価格15万円以上なので所詮は金持ちの中でチヤホヤされているに過ぎないものだろうと感じていましたが、以前所有していたCrews Maniac Sound LEDで体感した際にオカルトではなく実際にメチャクチャ高解像度で抜きに出て好印象でした。価格はヤヴァイですが金額面を抜きにすれば最高クラス。今回の仕様変更では1959コンセプトに恥じないようK&T(WEEP初期型)として復活。そして搭載!(無論、高いので中古でGET)

ピックアップカバーとピックガードを装着して改めて普通のレスポールとなりました。分かりにくいですがニッケルネジはサンポールで酸化させて錆を出し、ピックガードはヤスリと着色でエイジング加工して全体のVOS仕上げに馴染ませました(笑)




導き出されたトーンは
​素晴らしきかな・・・交換して良かった!​
と素直に思えるほど変わりました。とりわけダイレクトな拾い方が凄い。
反応の良さがズバ抜けていてミスタッチでのやらかした感もバッチリ拾います(笑)

SLASHのようなワイルドな音を目指すのであればAPH-2に軍配が上がりますが、ギター本体の音を活かしたレンジの広さと響き、美しい倍音とロングサスティーン、そして余韻の儚さがたまらない。コードを掻き鳴らしたときの分離感、ハイもしっかり出ながらミッドに分厚さを感じます。ボリュームやトーンを絞ってもサスティーンがほぼ落ちないというのもこのピックアップの特徴。特にボリュームの効き方は秀悦でクリーンからハイゲインまで綺麗に変化し全ての音が使えます。フロント(BB)では甘く揺らぎがあり艶やかで抜けも抜群。リア(ZB)ではひと皮剥けたダイナミクスなレンジを感じます・・・素晴らしく心地良い。

​・・・マジで心地良いぞ!!!!




このギターは所有本数が増えてきてしまい、第二子も産まれるとあって一度売りに出したこともあったのですが、親友が亡くなったときに買ったギターでもあり、今は無きヒスコレ最終年のハンドセレクト仕様。 色々考えた結果 売れそうでしたが手元に残しました。残す以上は使い続けるので今回の仕様変更となったのですが、今思えばその後 Gibsonの価格改定もあり、1959の定価が爆上がりして、この2014年仕様の市場価値も購入価格の約2倍近くまで上がったので残して正解でした。




ということで脱線しましたがピックアップ交換は無事 満足いく方向で完了しまして、この画像の通り、今度はコンデンサーのお話となります。これまで320design Green Manalishi を装着していて性能面は満足していましたが、1959コンセプトならコンデンサもヴィンテージ路線にしたいなと。Green Manalishi は装着している方が少ないのですが、ぶっちゃけメチャメチャ優秀なコンデンサでヴィンテージにも引けはとらない良さがあるなと感じています。
残すべきか・・・変えるべきか・・・』悩んだ結果、欲望を抑えきれず・・・



​​​※画像は購入元 Vintage-Style by MG Co., Ltd. より

勢い余ってLUXE社のバンブルビーレプリカを買ってしまいました。伴って1960年代のKester44 vintageはんだでの装着をチョイス。スタンダードなKester44に比べて解像度が高いはんだとされています。 本物のバンブルビーは勿論素晴らしいのですが古いと抵抗がズレていたりとアタリ・ハズレもあり、数値管理されたものは高額。ならば抵抗値バッチリな新品レプリカの性能はどんなものなのか? ・・という単純な興味もありました。




2019年以降のカスタムショップ製ではこのLUXE社のものが標準装備されているので性能は折り紙付き。
精巧につくられた新品レプリカと1950年代のリアルヴィンテージ・・・どう違うのか。
似てるのか似てないのか・・・全く同じ体感になってしまった場合は自分の中のヴィンテージ最高説が崩れるわけですが・・・
(写真は別のギターにつけた1950年代 本物のBumblebee)

ちなみに今のGibsonの標準装備と全く同じだと何か悔しいのでフロントだけ別の静電容量(.015mF Bumblebee)を選択しました。
この数値はフロントがこもり過ぎる場合に選択する王道チョイスで、定番の.022mFと比べて理論上では高域を通すのでボケない傾向にあります。 

・・・で、変えてみたわけですが・・・




なかなかにしてGOODです。ヴィンテージバンブルビーと全く同じ製法と素材を使って生み出されたレプリカだけあって凄く良く出来ています。ですが、傾向は似ていますが本物とは違いました。あえて言えば本物は更にいなたく、良い意味での音の揺らぎや暴れ感といった濃い味な印象があります。LUXE社のレプリカはバンブルビーの音でありながら絞ると本物よりも綺麗に高域が削がれミドルの美味しいところが前に出てきます。これはこれで使いやすく全然アリです。見た目に関しては雰囲気はありますがサイズ感が本物とは絶妙に違うかな・・・とは思います。




これを知ると2014年に標準装備ついていたレプリカモドキ(写真は購入当初)は性能差が激しいなと。別に悪いコンデンサではありませんでしたが今思えば解像度が低くモコモコしていました。それはそれで味もあったので悪いとは言いませんがバンブルビーの見た目に対しての性能は別物ですね。


​【仕様変更前】​



【仕様変更後】


ということで王道の見た目に対して王道スタンダードな1959仕様へ変貌を遂げました。
このギターは購入納品前にSLASH仕様にしてしまったのでスタンダードで紳士なルックスは逆に新鮮です。




ピックアップやコンデンサーは装着間もないので本体に馴染んでいけば、もう少し音に変化があるはずです。
本体自体も製造年が2015年なのでラッカー塗装や木材が経年していけば更に化けそうな予感。
あとは大切にメンテナンスをしながら子供と一緒に育てていきます・・・愉しんでいこう!



























































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