ヴィンテージギターと現行ギターを好き勝手語る会。
ヴィンテージギターは良い音がするぜ!という話です。 例えばGibson社 レスポールの1959年モデル、本物は2,000万円はくだらないわけです。そんな凄ェのか!! やべェのか!? と言うのが気になるところです。 雑誌やyoutubeといった告知媒体でショップとコラボして『良い』と表現するのが当たり前、それが仕事ですから。 実際のところどうなのか・・・『ヴィンテージライクで良い音』なんて自慢気に言っている奴ほど実は本物のヴィンテージギターを弾いたことが無かったりする。 そんな俺自身も実際には・・・本物を弾いたことは1度も無い!!!とは言え『ヴィンテージの音』としてCDで聞いたあの音、そして『ヴィンテージサウンド』とされる音は聞いたことがあるし体感があるわけです。それが本当のヴィンテージサウンドなのかはさて置き、ヴィンテージとされるものに対して我々は『良い音』だと昔から刷り込まれ、半ば洗脳されているわけですので『良い音』と感じてしまいがちなのです。 そういう意味もあって『ヴィンテージサウンド = 最高』という方程式が成立するのではないかと思います。そしてここからは個人的な妄想に入ります。 言ってしまえば、ヴィンテージギターは数十年の時間の中で弾き込まれ、材料としても経年変化を起こし、振動を与え続けられ、春夏秋冬を何十回も繰り返し、各部のアタリが着いたからこそのサウンドを生み出している可能性も高く、今では最高とされるギターも新品当時に今程の評価がされるまで音が良かったかどうかは謎です。むしろそこまででは無いはず。『当時は材料が豊富で良い材が使われていた』『ホンジュラスマホガニーやハカランダが使用されている』 材の良さで言えば確かにそうかもしれませんが、今でも手には入るわけですので一概に古い時代の材料が最高とは言えないと思います。むしろ『最高の材が時間の経過と共にトーンウッドとして育っている』・・・という表現が正しいのではないでしょうか。コストが高くなり過ぎれば買い手が減るので製品化しない等はあると思います。あくまで楽器業界も企業ですので利益無くして成り立ちませんので、そういう意味では安価に良材が手に入った昔の方が良材が使われる傾向はあると思います。一方、技術面で言えば数十年の時を経て得たノウハウや加工技術の向上等、製造する側からすれば現在の方が上がっているのは明確なわけです。しいて言えば、楽器の需要が昔ほど無いので当時ほど1本にコストがかけられない。コストダウンによって機械化が進み、良くなる部分もある一方で、人件費が削減されハンドメイドでしか成し得ない匠の感覚的な調整が出来なくなってきているということでしょうか。今では『ハンドメイド』こそ価値のあるものとされていますし、実際に人の手で作った方が良い部分というのはあります。そんな今の時代における最高の材と技術で生み出されたギターがあったとして、50年の時を経た時の方が名器となる可能性もあります。今はゴミの様な評価しかされない楽器が、経年と共に突如として目覚め、爆上がりの評価がされるかもしれません。そういう意味では育てるロマンがあると感じます。『楽器として製造されてから経た時間』 こればかりは手に入れることが不可能。そして難しいのが精密に作ったから良い音になるとは限らない・・・というのが難しいところです。 奥深い楽器の世界、天然素材だからこその音色の違い・・・シンプルが故にマニアックで深い。そして楽しい世界です。