|
カテゴリ:本・雑誌
久坂部 羊:『虚栄』(2015/10/2)、単行本: 486ページ、出版社: KADOKAWA/角川書店
ーー>現代版「白い巨塔」ともいうべきサスペンス調の力作で面白い。 この小説は医療系でなくとも理系大学の研究室・学会と製薬業界および監督官庁・政治家組織に少しでも関わった人なら、尚更面白いはずです。 かつての「白い巨塔」に出てきた登場人物名に類似した人も何人も出てきたり、実際の先端分野を巡るドタバタ劇<STAP細胞問題とiPS細胞研究>を巧妙に文章に織り込んで、苦笑できる工夫もされている。また巷で一定の支持がある「がん放置派である近藤誠医師の理論(仮説)」を巡るがん患者の問題もページが割りと割かれている。 この本は、「凶悪化がん治療国家プロジェクトである〔G4〕が発足し、分野別に国内主要4大学※の関係者を集めたが、実態は覇権争いの様相を示してしまう。つまり、抗がん剤、外科手術、放射線治療、免疫療法の各グループが自らの方法が最も優れるから推進すべきという・・・陰謀に満ちた争いに発展する。がん医療の最先端をサスペンスフルに描いた内容」である。 ※主要4大学: 東大らしき大学(内科系)、阪大らしき大学(外科系)、京大らしき大学(放射線治療系)、慶大らしき大学(免疫療法系) <目次> プロローグ 第一章 プロジェクトG4 第二章 暗躍 第三章 発病 第四章 混乱 第五章 奇跡 第六章 がん凶悪化の真相 エピローグ 参考文献 参考:刊行記念・著者インタビュー 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年06月21日 13時58分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[本・雑誌] カテゴリの最新記事
|