偽装サラリーマンのモラトリアム日記

2022/01/09(日)13:55

山内一也『ウイルスの世紀』みすず書房、2020年8月、

本・雑誌(25)

近所の図書館に在庫があったので通読してみた。総じて分かり易い。    著者:山内一也・・・ 1931年生まれで高齢ですね。獣医師でウイルスの研究者です。 ベストセラーとされる『ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在』            (2018年12月、みすず書房)の著者頁数 264頁定価 2,970円 (本体:2,700円)発行日 2020年8月17日      ​ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか みすず書房​ エマージングウイルスの10の事例を通じてウイルスと人間社会の関係を俯瞰し、今後も新たなウイルスが繰り返し社会に現れうることを警告する概説書。現在進行中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生問題にも言及しています。    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2 ウイルスによって引き起こされる感染症です。  新型コロナウイルス感染症・・・WHOが2019年2月11日に命名した感染症の名前 SARS-CoV-2 ウイルス・・・・国際ウイルス分類委員会が命名  〔参考リンク〕  ​新型コロナウイルス感染症COVID-19についての情報サイト​            <裏表紙の文書(紹介文)>​●本の裏表紙には下記のような文面が印字されている。↓​ 20世紀後半以降、人間社会に次々に出現するようになった新たなウイルスを「エマージングウイルス」という。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もその一つである。新型コロナウイルスにおいて起きたことは、他のエマージングウイルスにおいてすでに起きていた。 感染者と共に大西洋を渡ったラッサウイルス。 宿主であるコウモリからほかの動物を介してヒトに伝播したニパウイルス。 院内感染がクラスターとなったエボラウイルス。憶測が差別につながったハンタウイルス。そして、SARS・MERSウイルスの出現は、コロナウイルスのグループから、さらに新たなウイルスが出現する可能性があることを示唆していた。  人類は、ウイルスの発見以来、ワクチンや治療薬、分離・判定技術、情報網などの対抗手段を急速に発展させてきた。しかしその一方で、人間社会の発展そのものが新たなウイルスの出現を促し、感染を加速させているという見方もできる。   動物やヒトが密集し、短時間に長距離を移動できるようになったことにより、ウイルスと新たな宿主が出会う機会は急増し続けている。エマージングウイルスの10の事例を通じてウイルスと人間社会の関係を俯瞰し、今後も新たなウイルスが繰り返し社会に現れうることを警告する書。    ​●本書の重要と思われる事項​・一般向けとして書かれているので、専門書のように難しい箇所だらけではない。・ウイルス研究を長くやってきた研究者からみた「新型コロナウイルス感染症」のイメージがつかめる。・著者も、新型コロナウイルスの発生源は中国の南部付近だと思ってるようです。   --------------------- 〔目次〕プロローグ 1章 ウイルスとは何者か1 割り切れない不思議な存在2 不器用なウイルスと器用なウイルス3 なぜ、どのように病気が起きるのか4 発見までの道のり5 研究手段の変遷 2章 エマージングウイルスの系譜1 人獣共通感染症とエマージング感染症2 マールブルグ病3 ラッサ熱4 エボラ出血熱5 ハンタウイルス病6 ヘンドラウイルス病7 ニパウイルス脳炎8 ウエストナイル熱9 エマージング感染症はなぜ繰り返し現れるのか 3章 新型コロナウイルス1 コロナウイルスの特徴2 最初のコロナウイルスの発見3 重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス4 中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス5 「次の新型コロナウイルス」に備える6 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現 4章 人類はどのような手段を持っているのか1 ワクチン2 治療薬3 公衆衛生対策4 「ワンヘルス」にもとづく発生監視  5章 ウイルスとともに生きる1 バイオハザード対策の発展史2 高度隔離施設の現場へ3 病原体の管理基準4 根絶の時代から共生の時代へ  あとがき主要文献索引   

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