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カテゴリ:☆自作プラモデル
JAGOPANZER IV L/70LANG ~「LANG(ロング)」は「長砲身」を呼び名としたドイツ4号駆逐戦車~ 車体前面に第116装甲師団標識「ヴィントフィント」(猟犬のグレートハウンドをシンボライズしたもの)と駆逐戦車中隊記号を描いた「IV号駆逐戦車ラング」・・カモフラージュのため草や木を車体に積載している。(1944年7月末頃・フランス、ノルマンディー戦線にて) この作品は、「1/35 JAGDPANZERIV L/70 LANG(ドイツ軍・IV号駆逐戦車ラング」)」(TAMIYA)です。 Box Art (By Tamiya) 迷彩服の戦車兵とのコラボです。大戦末期は多く見られました。 ★☆ 解説 ★☆ 1941年夏、ソビエトに侵攻したドイツ軍はやがて恐るべき強敵と出会うことになりました。ソビエトが誇る新鋭戦車「T-34」、「KV-1」がそれで、これらの戦車は当時のドイツ軍戦車師団の主力であるIII号やIV号戦車を明らかに上回る力を持ち、そのため、早急な対策を迫られたドイツ軍はパンサー、タイガーなどの新型戦車や対戦車自走砲、駆逐戦車を次々に開発することになったわけです。「IV号駆逐戦車ラング」もその一つでした。 成功作となった「III号突撃砲」の教訓から、さらにIV号戦車H型の車台とIII号突撃砲G型の上部構造を組み合わせた「IV号突撃砲」が1943年12月から量産されるようになりましたが、これとは別にIII、IV号突撃砲よりも低姿勢化された車体と避弾経始能力を高めるため、IV号戦車の車体の前方部分を尖った車体前面とした専用の車台とともに避弾経始に優れた戦闘室が開発されるに至った新型突撃砲計画が既に1942年9月から開始されていました。 こうして、1943年10月20日、この新型戦車の第一号が完成、繰り返されたテストの結果、「IV号駆逐戦車F型」と命名されました。車高はわずか1.86mしかなく、武装の主砲は、当初は、IV号H型と同じ48口径39型75mm砲が使用されていましたが、その射撃位置も高さ1.4mと極端に低い位置となり、通常の対戦車砲なみの低姿勢が実現されました。こうして、早くも1944年春には、この駆逐戦車は主に対戦車砲大隊に配属され、前線に出動していました。この型は最終的には802両が完成しています。 しかし、この頃、ソ連軍では、「SU122自走砲」や新型の「SU85突撃砲」を登場させ、ドイツ軍は再び苦戦を強いられることになりましたが、これに対抗すべくIV号駆逐戦車の武装強化型として開発されたのが「LANG(ラング)」でした。「LANG」の意味は「長砲身」を意味し、それは、武装の主砲がパンサー戦車に搭載された長砲身70口径75mm砲を一部手直ししたものを装備したものでした。この主砲こそラングの最大の特徴であり、500mの距離から140mm以上の装甲を打ち抜く威力を持ち、ヒトラーの優先生産指示を受けるなど大きな期待のうちに1944年5月から量産が始まり、終戦までに940両が生産されましたが、1.86mと極めて低い車高、洗練されたスタイルは、理想的な形態を備えた駆逐戦車と高く評価されました。 主砲は、ご覧のように長砲身・・まさに「LANG(ドイツ語で「長い」・・英語の「LONG」に同じ)」です。ドイツ兵器局が総力を挙げて開発したこの主砲の威力は、75mm砲でありながら、その破壊力はタイガーI型装備の88mm戦車砲に匹敵する威力があったそうです。 ドイツ軍の優秀な戦車兵と戦車は、特に走行中における戦車攻撃戦に優れ、ドイツ戦車1台に対し、ソ連軍や英米軍では5台以上で対抗しなければとても勝てないと言われるほどに、対等な戦車戦であれば向かうところ敵なしでしたが、1944年末ころになると、ドイツ国内ばかりか国外の最前線の航空戦力はほとんど壊滅状態なため制空権は皆無であり、敵の爆撃機や戦闘機が縦横無尽に飛び回り、カモフラージュなく移動する戦車は恰好の攻撃対象となりました。そのため、夜間や雨天に移動し、昼間は山林や森に身を潜めていたようです。・・・こうして、終戦間近になるとドイツ軍戦車の破壊された多くは、航空機から攻撃破壊された場合や燃料不足で自ら遺棄破壊したものが大半であったようです。 また、それにも加え、決定的な要因として、戦車生産数の絶対的な差にありました。アメリカの場合は、シャーマン戦車1車種だけでも5万両以上となり西部戦線に続々と投入され、ソ連でもT-34、KV-1を中心に10数万両以上が生産され、その総数比率は、ドイツと英米及びソ連を合わせた数の対比がほぼ1:10以上で10倍以上の敵を相手にしなければならず、ルーマニアのプロテシエ油田がソ連軍の手に落ちると、いよいよ燃料不足が生じ、戦車があっても動けずに戦闘中に乗り捨てざるおえない状況にあったわけです。 ドイツ人の几帳面さを見ることができる部分です。資材不足であっても、戦車整備のための工具類は機関室の上部にキチンと効率的に配置されています。 先進的な車体側面のシュルツェン(前面に比べ装甲の薄い車体側面部の耐弾性を高めるための鋼鉄製防護板)装備のドイツ戦車は、他のソ連、英米戦車には見られない特徴あるものですが、その有効性が認められ、戦後からは世界各国でも採用されており、今では現用戦車の多数が装備しているものです。 英語とドイツ語で記載された組立て説明書 ★☆ 組立説明書に見る国際化 ★☆ 組立説明書には、日本語バージョンとは別に英語とドイツ語によるバージョンの2種類が同梱されていましたが、これでアメリカ・ドイツ・ヨーロッパでもプラモデル作りのファンやマニアが相当数いることがわかります。まさに、ここでも国際化が進んでいるようです。 ★☆ 作品について ★☆ 作品の戦車は、冒頭の実写と同様に「第116装甲師団の第228駆逐戦車大隊」に配備された新鋭の「IV号駆逐戦車ラング」を想定して、「第116装甲師団」を示す標識及び戦術マークのデカールを同じ位置に貼付しました。1944年7月以降の車両として、車体塗色は基本色のダークイエロー1色のみとしました。車体ナンバーやドイツ国表示マークの車体貼付位置は箱絵と異なりますが、組立説明書及び当時の実物の写真及び資料を参照して判明した正確な位置にデカールを貼付することで忠実にリアルに再現することができました。 本車では、後部機関室上部右側の所定の位置に高いアンテナを立てているのは、指揮車両であることを示しています。 今回のTAMIYAのモデルは、ドイツ軍戦車と言えば・・・パンサーやタイガーに代表される花形車両なわけですが、それほど話題にならず目立たないこのLANGを組み立ててみますと・・・意外や意外・・・そのスマートな形状や最近のホンダ車の様な低姿勢スタイルが洗練されていてとても気に入りました。避弾経始を優先したくさび型に尖った形状の車体前面は、ドイツ軍の最新現行車両である「レオパルト2A5戦車」の砲塔の前部形状を想起させ、その独特な車体のスタイルもカブト蟹(かに)をイメージするような未来型戦車を見るようでした。素晴らしい!! このモデルには、戦車兵1体が付属していますが、動きのある様なドイツ兵らしい顔・スタイルのフィギュアでこの戦車にピッタリのセンスの良いものでした。この戦車兵は迷彩服が指定されていましたので、ここにそれに加えて登場したのが・・・先に「ドイツ戦車兵小休止セット」で作成した・・・迷彩服の戦車将校の登場です!!・・これが、またピッタシはまる最高のポジションになりました。まさに、リアルな情景が浮かびそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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駆逐戦車ですね。
ドイツは様々な変型判の戦車や装甲車を作りましたね。 昔、プラモデルを作りながら、ドイツ軍の本を読んでいたのを思い出します。 シャーマンは戦車としては弱い戦車ですが、物量には勝てませんね。 応援します。 (2007/11/09 09:32:21 PM)
こんばんは^^
やー、精巧でカッコいいですね(=^・^=) このタイプの戦車は、子供のころあまり好きじゃなかったんですけど、今見るとカッコいいし美しいフォルムですね。オトナ型の戦車かもしれませんd(-_☆) グッ!! でも、たしかに制空権のないところで運用される戦車は、航空機から攻撃されると弱いですよね。 『プライベート・ライアン』でも、ドイツ軍戦車が米軍のP-51にボカンとやられていましたっけ。 んー、しかしすばらしいです。TAMIYAのモデルもすばらしいし、REALISTさんの塗装も見事ですd(-_☆) グッ!! (2007/11/09 11:21:39 PM)
こんばんは
ついに完成ですね。作品、記事ともとても素晴らしいです。(^_-)-☆ おっしゃるとおり、未来的なデザインの姿形の美しい戦車です。原型の4号戦車の面影は殆どありませんね。♪ (2007/11/10 12:13:05 AM)
こんにちは。良いペースで作られてますね♪
トップヘビーを代償にした長砲身のシルエットは美しい(笑)。IV号系列はやっぱいいですね。 私もタミヤ・グンゼ(GSI)それぞれ積んであります。 以前製作した時は48口径&コーティング付きで組みました。 最近ホイッシュレッケが気になっています。 (2007/11/10 03:32:46 PM)
kopanda06さん
>駆逐戦車ですね。 >ドイツは様々な変型判の戦車や装甲車を作りましたね。 >昔、プラモデルを作りながら、ドイツ軍の本を読んでいたのを思い出します。 >シャーマンは戦車としては弱い戦車ですが、物量には勝てませんね。 > >応援します。 ----- コメントまでいただきまして・・DANKE!!☆★ 確かに・・・物量には勝てませんが、一番困難であったのは、燃料不足、制空権が無いに等しい状況下で、昼間の作戦行動がうまくできないというのもありました。そうこうしていくうちに・・・戦車エースのビットマンの様な優秀な兵士がまたひとり、またひとりと失われていくことになります。 (2007/11/12 09:30:07 AM)
Chomerakuさん
>こんばんは^^ >やー、精巧でカッコいいですね(=^・^=) >このタイプの戦車は、子供のころあまり好きじゃなかったんですけど、今見るとカッコいいし美しいフォルムですね。オトナ型の戦車かもしれませんd(-_☆) グッ!! > >でも、たしかに制空権のないところで運用される戦車は、航空機から攻撃されると弱いですよね。 >『プライベート・ライアン』でも、ドイツ軍戦車が米軍のP-51にボカンとやられていましたっけ。 > >んー、しかしすばらしいです。TAMIYAのモデルもすばらしいし、REALISTさんの塗装も見事ですd(-_☆) グッ!! ----- お褒めいただき・・・DANKE!!☆★ 感謝申し上げます! REALISTもこのラングを作るまでは、それほどの期待もしていませんでしたが・・・完成してみると!・・・これが意外と、GOOD!!でした。 この感触は・・・それほど話題にならなかった映画を観て・・これは素晴らしい!!・とまるで宝物や掘り出し物を発見して感動した気分と同じでしたね。 (2007/11/12 09:34:27 AM)
nokond200さん
>こんばんは >ついに完成ですね。作品、記事ともとても素晴らしいです。(^_-)-☆ >おっしゃるとおり、未来的なデザインの姿形の美しい戦車です。原型の4号戦車の面影は殆どありませんね。♪ ----- 貴重なお褒めのコメントまでいただきまして・・DANKE!!☆★ ドイツ軍兵器局は、4号線車の車体を活用して多くの派生型を作っていますが・・・その技術陣というのは素晴らしい技術力を持っていたようで、戦後でもその効果が認められてアメリカ・ロシア(旧ソ連)をはじめ世界各国ではその多くのノウハウを採用していますね。 (2007/11/12 09:40:59 AM)
lalacureさん
>作るのほんと上手ですね! >これゎ、、タイガ-に似ています! >四角いライトが砲台の横についてました >うちのパパもってますよポチ応援です♪ ----- 貴重なコメントまでいただきまして・・DANKE!!☆★ そうですかぁ?持っていらっしゃいますかぁ? それを、見たいなぁ~^^)v (2007/11/12 09:44:28 AM)
halkanapapaさん
>こんにちは。良いペースで作られてますね♪ >トップヘビーを代償にした長砲身のシルエットは美しい(笑)。IV号系列はやっぱいいですね。 >私もタミヤ・グンゼ(GSI)それぞれ積んであります。 >以前製作した時は48口径&コーティング付きで組みました。 > >最近ホイッシュレッケが気になっています。 ----- 48口径のコーティング付もいですね! まだコーティングは、勇気がなくて 挑戦していませんね。 ホイシュレッケですかぁ・・・シブイですね!^^)v (2007/11/12 09:48:02 AM) |