2019/11/19(火)18:17
映画『GODZILLA(ゴジラ)』
★☆ ハリウッド版の『ゴジラ』を観て・・ウウムッ! ★☆
Movie of Hollywood version"Godzilla"
~見た目はハリウッド版、ストーリィ的には日本版ゴジラが上! ~
REALISTは、ハリウッド版の映画『GODZILLA(ゴジラ)』が7月25日から一般公開されるということで、翌26日(土)に山口県防府市にあるシネコンに向かった。この映画館は、以前は「ワーナーマイカル」という名称だったはずだが・・・いつの間にか名前が「イオンシネマ」に変更されていた。時の流れと共に道路状況や風景が変わっていくように、映画館でも知らぬ間にどんどん変わっていく。久しぶりに童心に戻った気分での映画鑑賞であり、小学生のころ、『怪獣大戦争・ゴジラ・ラドン・キングギドラ』上映の映画館の前の大行列に友人たちと加わり、朝の開館を「まだか、まだか」とワクワク気分で待ちわびた当時を思い浮かべた。ハリウッド版のゴジラは、初めてなので、日本の本家本元のゴジラとどう違うのか比較してみたいという単純な興味が今回の映画鑑賞の動機だった。
今回の『GODZILLA(ゴジラ)』は、アメリカのワーナー・ブラザーズ映画資本で製作された1998年公開の『GODZILLA』以来2作目のものだ。映画「ゴジラ」の原典は、もちろん日本の円谷英二監督などによるゴジラシリーズだが、アメリカのハリウッド版では、日本人生物科学者(渡辺謙)や日本の原子力発電所などが登場するあたり、かなり日本を意識して作成されている。この点では、最近のトム・クルーズ主演の『オールユーニード イズ キル』でも同じで、日本人SF作家の作品を映画化したものであり、日本人の観客動員を呼び込みたいという意図もあり喜ばしいことだが、日本びいきが連続している。アメリカでのキャッチコピーは、「世界が終わる、ゴジラが目覚める」というものであり、2014年5月16日に全米公開され、初日興行収入は3850万ドル(約39億円)に達し、世界オープニング興行収入1位の1億9,621万ドル(約196億円)に達したそうだ。映画館でもらったこのパンフレットには、「全世界興収第1位」という表現だが・・要するに「全世界で一番金儲(もう)けができた」ということを宣言しているものだが、何となく金銭的な匂いがプンプンして実利的な面が強調され過ぎているところは、どうも大人のいやらしさを強く感じるばかりで、REALIST は好きではない。それよりも「観客動員数世界第1位!」の方が聞こえがよい。
『 「GODZILLA ゴジラ」予告3 』
映画の予告動画で、TVでも同じような予告シーンが流されていたが、子供の頃から慣れ親しんでいた日本のゴジラのイメージが強く残り、ハリウッド版には少し違和感を感じた。日本版が好きか、ハリウッド版が好きかは、個人的見解の問題なので断定できないが、REALIST個人では、日本版に軍配をあげたい。
一般公開第2日目であったが、観客動員は驚くほどのものではなく、近すぎて見づらい最前列側の座席ボックスは、ほとんど空席だった。外国では興行収入第1位でも、日本では、多分「アナと雪の女王」にはとうてい及ばないだろう。日本人は、派手なCGや激しい見た目の凄(すご)さより、洋画であれば「タイタニック」の様な情感に訴えるような中味のあるストーリィを好む傾向にあるからだ。この点で、今回のゴジラも最近のハリウッド映画特有の巧みなCGの展開や画面上での視覚的な激しさや凄さを強調している半面、肝心のストーリィの展開がわかりづらくスッキリしないため、観賞後は心に残るものはほとんど何もなく、そのまま一挙に記憶から消え去ってしまう類(たぐい)のものだという点が残念だった。しかし、芸術性よりも娯楽性に比重を置いたものならその程度になるのだろうか?
芹沢(せりざわ)博士という日本人生物学者役を「渡辺謙」がこなしているが、最初のハリウッド映画出演の「ラストサムライ」で登場した時の強いインパクトはとても印象的だった。今や、日本人役に抜擢されるハリウッド映画界の第一人者だろう。今回の『GODZILLA(ゴジラ)』では、日本の原子力発電所の事故と巨大生物「ムートー」の発生が関連づけられている点やそれと同時にゴジラが急に息を吹き返し活動するのも、1950年代、60年代であればその程度で済まされても、リアリティが要求される現代では、あまりに偶然すぎて話題展開に無理や奇妙さを感じてしまう。しかし、これを小学生低学年が鑑賞して、すぐに理解できるだろうか?話題展開の中で、子供にもすぐ理解させ興味を持たせるような一工夫が必要だと感じた。
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